ITエンジニアの面接で効果的な4つの逆質問
転職面接でよく問われるのが「何か質問はありますか?」という逆質問。企業に対して自身の就業意欲をアピールする機会であり、同時に企業の実態を知る手段でもあります。
特にITエンジニアの転職では、自分の技術や志向とのマッチングを図る良いチャンス。効果的な逆質問をして、その企業に就職したときのイメージを膨らませることができます。具体的な逆質問について例を挙げながら見てみましょう。
1.「エンジニアの評価はどのような基準で行われますか? また、評価を担当してくださるのはどなたでしょうか?」
<得られる情報>
その会社が、ITエンジニアをどのように扱っているかを推測するための質問です。単にこなしたプロジェクト数で決まるのか、それともプロジェクト内でどのような働きをしたかによるのか? エンジニアにとって適切な評価基準や評価担当者を知ることが、快適に働くために必要不可欠です。評価基準が明確になっていれば、昇給や昇進も望みやすくなるでしょう。可能であれば、評価担当者がエンジニア経験を持っているかどうかも聞いておくとよいでしょう。
2.「プロジェクトマネージャーになれる人はどのような人でしょうか? またITエンジニア向けのマネジメント研修などは存在しますか?」
<得られる情報>
自分自身が将来マネージャーになれる可能性があるか否かを把握するための質問です。ITエンジニアとしての経験年数で決まるのか、若くてもマネジメントの素質とスキルがあればPMに任命されることがあるのかなどを知っておけば、転職後のキャリアパスを想像できるでしょう。
またマネジメント研修の有無は、その会社がプロジェクトマネジメントをどれだけ重視しているかを意味します。研修もなく、適当にPMを任命している会社であれば、転職後にはプロジェクトの遅延や頓挫を覚悟しなければいけないかもしれません。
3.「資格取得の推進制度があるとのことですが、推進対象となる資格やその報酬、資格取得状況を教えていただくことは可能でしょうか?」
<得られる情報>
資格取得に対する推進制度がある企業に質問してみましょう。資格取得は目指すキャリアを実現するための大きな手助けとなりますが、この質問では企業の資格取得への取り組み状況を確認します。
中には推進制度があるというだけで、実態はほとんど誰も活用していなかったという事例もあります。逆に、社員が積極的に資格取得し、会社側も資格手当などで社員を応援しているようであれば、資格取得に積極的であると見なせるでしょう。もちろん資格取得制度が全ての決め手になるわけではありませんが、社内制度についてできる限りの情報収集を行った方が良いでしょう。
4.「最も活躍されているITエンジニアの給与はどの程度でしょうか?また、その方と比較して現在の私に不足しているものはどのような経験でしょうか?」
<得られる情報>
入社後の給与水準や、具体的な目標との差を把握します。給与水準は企業によっても大きく異なり、入社年数や貢献度で大きく変わってくることでしょう。目標との差を把握することで自分に足りないものを把握し、技術習得へとつなげていくことができます。活躍している社員を意識することで、会社への貢献もイメージしやすくなるでしょう。
5.「業務の拡大に伴う人員募集とのことですが、具体的な計画や想定しているプロジェクトはどういったものでしょうか?」
<得られる情報>
入社後、実際にどのような状況下で働くことになるのかを推測できます。この質問にあいまいな回答をする会社は、「よくわからないけど、とにかく忙しいので誰か採用しよう」と考えている可能性があるので、要注意です。募集背景は明確であっても、計画的でない人員募集もあります。特に、企業が新規業務を開拓するための人員募集を行っている場合は注意が必要です。募集の背景によっては、継続性などを企業の計画状況から判断することができるでしょう。
逆質問は、あらかじめいくつか質問事項を用意しておくと安心です。自分の聞きたいことを解決することはもちろん、企業と応募者の双方が働いている姿を想像できる質問が良いでしょう。ここで何も質問できないと、「あまり興味がないのか」と思われてしまうので要注意です。(ライター:ナレッジ・リンクス/原 進)