人づてに転職する際のメリットとデメリット
転職活動の手段は、求人誌やインターネットなど様々です。しかしITエンジニアの場合、見た目からスキルが判断しにくく、人づてに採用を行うことも少なくありません。実際、知り合いから会社を紹介された人も少なくないでしょう。
こうした人づて転職では、「この人が紹介してくれた会社なら大丈夫だろう」と安易に決断しがちですが、注意も必要です。転職してから失敗したと後悔しないよう、その実情をしっかり把握しておきましょう。
人づて転職のメリット
まずは具体的なメリットについて以下の3つが考えられるでしょう。
1. 身元・スキルが保証されていて採用されやすい
過去に同じプロジェクトで働いた人などであれば、身元やスキルが確かだと判断され、採用されやすくなります。面接や適性検査などで判断するより、実務を見たうえでの声からその能力を知ることができるためです。
2. 採用コストが低く抑えられるため採用されやすい
企業が転職サイトや人材紹介会社などのサービスを利用するには、大きなコストがかかります。しかし社員などの紹介から入社が決まれば、そのコストが不要になります。企業によっては、紹介・入社した人に手当てを支給することもあります。
3. 自分が把握していない強みが分かることがある
自分の強みを客観的に判断することは、なかなか難しいものです。あなたを推薦する友人・知人は、客観的な視点からあなたの能力を判断して企業へ紹介していますから、自分でも知らなかった強みが分かることもあるでしょう。評価されたポイントが分かれば、以後のキャリアアップの参考にもなります。
人づて転職のデメリット
次に、デメリットを見てみましょう。気になる点があれば、誘いへの返事は少し待った方が良いかもしれません。
1. 紹介を受けると断りづらい
友人・知人からの誘いは、確かに嬉しいもの。しかしその半面、紹介者に悪いという気持ちから断りづらいこともあるでしょう。転職は自分のために行うものですから、詳細を聞いて条件などが折り合わなければ、断ることも必要です。ただし紹介者との関係を壊さないよう、注意してください。
2. 転職後に問題があっても退職が難しい
どのような転職でも、問題は起こりえます。例えば入社してみたら、面接で言っていたことと業務内容や条件が違うというケースもあるでしょう。しかし紹介してもらった手前、すぐに退職するのは気が引けてしまいます。綿密な情報収集と慎重な判断が必要になるでしょう。
3. 形式的な入社が軽んじられる
知人から紹介を受けた場合、入社ステップが簡易的になる傾向があります。これは、入社までがスムーズであるとも言い換えられるでしょう。しかし入社前に企業とのコンタクトが少ない分、ギャップが生じやすい傾向も否めません。
人づてによる転職には、良い点も悪い点もあります。通常の転職との大きな違いは、「紹介された」という事実に対する感情の高ぶりでしょう。誘いを受けるのは嬉しいことであり、心が大きく動きますが、だからこそ、より冷静な判断が必要になるのです。(ライター:ナレッジ・リンクス/原 進)