部下を一人前のITエンジニアに育てる5つのコツ
技術者であるITエンジニアであっても、部下を一人前に育てることは仕事の大きな課題です。しかし、自分や一部の部下には上手くいく育成方法でも、全ての人に当てはまるとは限りません。部下に何から何まで指示するのではなく、自ら考えて働けるITエンジニアに育てることこそが先輩エンジニアに求められるでしょう。
では、どうすればそういった一人前にITエンジニアを育てることができるでしょうか。そのためには、以下5つのコツに配慮することが大切です。
- 部下に考えさせ、意見を聞く
- 新しいことに挑戦させる
- 仕事で得られたもの、お客様の声を聞かせる
- 時にはじっくりと話す機会を儲ける
- 必要に応じてフォローする
それぞれについて、詳しくご説明していきましょう。
1. 部下に考えさせ、意見を聞く
ITエンジニアとして仕事を始めた頃は、上司や先輩の指示を仰ぐことがほとんどです。しかし、ある程度経験を積めば、自分で解決策を考えることもできます。進むべき方向性が誤っていなければ、必ずしも指示が必要とは限りません。どのように取り組むかを任せ、意見を聞き、自分でプログラミング→テストまで任せる機会を増やすと良いでしょう。
意見の中には柔軟な考え方で、新しい方法を提案してくることもあります。上司として意見を柔軟に受け止め、より良い方法を共に模索してください。これまでのやり方が一番良いと考え、新しい方法に目を向けないのは避けたいことです。
2. 新しいことに挑戦させる
部下には新しい技術や新しいプロジェクトなどに、積極的に参加させるようにしましょう。部下に仕事上の役割を割り当てることも多いでしょうが、新たな役割を変えることで未経験な仕事を担当させることも大事です。仕事に新しいことが加われば、それが刺激となって新しい発見が生まれてきます。
仕事において刺激が無いと「一つのことをやっていれば良い」、「今まで通りのやり方で良い」などと考えがちであり、自然と成長する意欲を失ってしまいがち。そういう事態を避けるためにも、変化を経験させる必要があるでしょう。
3. 仕事で得られたもの、お客様の声を聞かせる
ITエンジニアは、自分の仕事の影響を把握することがあまりありません。利用したお客様の声を直接聞くことも少ないでしょう。こういった状況が長期間続くと、自分の仕事の意義がよく分からなくなってきます。そうならないように先輩ITエンジニアは、部下に対して、開発したプロダクトが現場でどのように評価されているのか、どういう意見があるのかなどをフィードバックしましょう。
プロジェクトによっては、ウォーターフォール型の開発も多いのが実情です。そういった開発手法では、指示された通りに作るだけとなります。意義ややりがいを感じる機会が少なく、成長意欲も失われてしまうでしょう。仕事の意義を実感させることで、そういった事態を避けてください。
4. 時にはじっくりと話す機会を設ける
部下とじっくり話す機会は、人事評価を行うときだけという人も多いのではないでしょうか。もちろん日々の業務もあるため、時間を確保するのが難しいこともあるでしょう。また、避けたいと感じる部下も多いようです。
しかし部下にも部下なりの考えがあり、環境や仕事の進め方に疑問を感じているはずです。疑問を放置しておけば不満へと繋がり、いずれは爆発します。それを未然に防ぐためにも、話す機会を設けるべきでしょう。部下との信頼関係があれば、安易な理由で転職することも避けられるはずです。
5. 必要に応じてフォローする
仕事を任せた場合は、状況に応じてフォローする必要もあります。新人ITエンジニアは、技術的にどうしても未熟なこともあるので、ミスが発生した際や開発に行き詰まっているときなどは、フォローすることが大事です。こうしたミスや行き詰まりは、仕事ぶりや普段の様子、開発に取り組む姿勢から読み取れます。また、社内SNSやWBSなどで開発の進捗が見える化されていると、判断しやすくなります。
たとえ間違った方法でも、失敗から学び取ることは多くあります。また先輩のフォローがあるというだけで部下は新しい技術にチャレンジしやすくなり、伸び伸びと仕事に取り組みことができるようになります。部下の失敗を頭ごなしに否定するのではなく、うまくフォローすることが先輩エンジニアとしての度量の見せ所でしょう。
冒頭でも述べているように、育て方は部下によって異なります。今回紹介したコツを意識すると共に、部下それぞれに合わせた育成方法を考えてみてください。部下を一人前のITエンジニアに育成することは、そのまま会社への貢献に繋がります。また部下の育成方法を確立できれば、管理職としてのあなたのスキルアップにもなるでしょう。(ライター:ナレッジ・リンクス/原 進)