セキュリティエンジニアに転職するには
インターネットが普及し、その利用者は拡大しています。しかし、年金情報の流出問題にみられるように、利用者が拡大し身近になればなるほど、セキュリティ被害の規模も拡大しいきます。もちろん、企業が情報セキュリティ被害にあえば、そのビジネス活動にも影響があるでしょう。そのため近年はかつてないほどに、セキュリティエンジニアのニーズが高まっています。
セキュリティエンジニアとは?
セキュリティエンジニアは、文字通り情報セキュリティに関する技術・ノウハウを専門に扱うITエンジニアのことを指します。コンピュータウイルスやハッキング、不正アクセスなどから、コンピュータや情報を守るシステムの設計・開発を行うことが役割です。さらに、企業がセキュリティ技術を活用するためのコンサルティングや、新しいセキュリティ技術の開発、運用体制の構築などを行うセキュリティエンジニアもいます。
セキュリティエンジニアの仕事内容
上記の通り、セキュリティエンジニアの仕事内容はさまざまですが、大きく分けて4つの側面があります。この4つの側面でエンジニアの担当業務が変わってくるので、よく覚えておきましょう。
1)企画
コンサルティングなどにより、セキュリティ強化の促進や情報セキュリティの認証資格であるISMSの取得をサポートします。情報セキュリティの管理に関する業務が主で、機器の設定や操作などはほとんどありません。
2)設計
ネットワークやサーバ機器、アプリケーションなどシステム全体でセキュリティを考慮した体制の構築を行います。セキュリティに関する要件定義、要件を元にした設計など重要な役割を担います。
3)開発
セキュリティの設計思想を元に、機器の設定やプログラミングを行います。セキュアなシステムを実現するには欠かせない仕事です。開発したものはセキュリティテストが行われ、より強固なシステムになるよう対策を行います。
4)運用
セキュリティを重視して開発を行っても、完璧なシステムはあり得ません。安全に運用するには、常に監視する必要があります。被害の検知や問題の分析など、運用監視するエンジニアがいなければ成り立ちません。
セキュリティエンジニアに必要な能力
上記のご紹介した4つの業務ごとに、重視される能力は変わってきます。セキュリティエンジニアを目指す上で必要になるのは、以下の3つの能力です。
1)セキュリティ技術の知識
当然ですが、情報セキュリティに関する知識が必要です。どの業務でも必要になりますが、設計や開発を行う場合に最も重視される能力でしょう。最新技術に対しての知識や、これまでの実績・経験も求められます。
2)コミュニケーション能力
企画や設計を担当する場合に求められる能力です。相手の要求をヒアリングし、解決策の模索や解決策を適切に伝えるプレゼンテーションも必要になります。情報セキュリティを必要としているユーザーの意図を読み取れなければ、活躍は難しいでしょう。
3)想像力
ITの世界では技術は進歩し続け、環境や要求も変わり続けるため、万能のセキュリティシステムは存在しないも同然です。そのため、「こういう可能性はないだろうか?」「不測の事態が起きたときのためにここを強化しよう」と想像できる柔軟な思考と発想力が必要になります。ルーチンで同じようなセキュリティシステムに作るのではなく、いざというときを見越したシステムが求められるでしょう。
これから先、セキュリティエンジニアの需要は高まるばかりです。キャリアステップの一つとして、検討してみるのもよいでしょう。(ライター:ナレッジ・リンクス/原 進)