困った上司に振り回されないITエンジニアになる
会社でITエンジニアとして働く以上、上司を選ぶことはできません。時には、困った上司のもとで働かなければいけないこともあるでしょう。自分への評価などもあり、上司を無視することはできません。しかし、できれば上司の気まぐれや無責任な判断に振り回されるのは避けたいものです。“困った上司”の傾向と対策を4つのパターンから考えましょう。
1. 自己中心的で無責任
上司の仕事の一つは、部下の仕事環境を整えることです。もし上司が自分の考えだけに固執し、部下の意見を聞き入れなかった場合には、問題が起こることもあります。中には、それを部下の責任にしてしまう人もいるようです。こうした上司に振り回されると、責任転嫁によってトラブルを被ってしまう可能性があります。
もしこうした無責任な上司から余計な責任を背負わされそうであれば、意見が聞き入れられないと分かっていても、事前に責任の所在を明らかにしておきましょう。「わかりました、この件に関しては○○さんの指示のもとで動きます」などと前もって言っておけば、責任の所在は明らかです。
2. 言っていることがコロコロ変わる
思いついたことを次々と提案し、意見がコロコロ変わってしまう上司がいます。ほとんどの場合悪気があるわけではなく「以前に言ったことを忘れてしまう」、「発言内容が引き起こす開発への影響をあまり考えていない」などが考えられます。議事録につける、指示を開発メンバーが閲覧できる共有シートに記録しておくなど、指示内容を管理しておくことをおすすめします。必要に応じて以前の指示と異なることを伝えれば、無駄を省くことにつながるでしょう。
3. 任せると言いつつ、事細かに口を出してくる
部下を教育するために、あえて細かい確認をする場合もあるでしょう。しかし、中には細かいことにまで逐一口出ししてくる上司や、開発現場に任せるということを知らない上司もいます。ある程度までは部下に任せなければノウハウも身につきませんし、開発している側からしても創意工夫の余地がなくなってしまいます。
このようなタイプの上司には、事前に「特に気を付けるべきところはどこですか?」「この部分に関してはこちらで進めてOKですか?」と確認しておきましょう。定期的にミーティングを行い、そのときにまとめて“ほう・れん・そう”するというのもひとつの手でしょう。単に心配性なだけで悪意はない上司もいますから、あまり「上司に仕事ぶりを監視されている!」と過敏にならないことも必要です。
4. 意見の異なる上司が2人以上いる
上司そのものよりも、開発体制の問題といえますが、これも困った事態を招きます。上司やあなたに指示を出す人間が複数いると、それぞれ矛盾する意見を受けたり、開発内容のすり合わせに長時間かかったりしてしまいます。
このように、意見の異なる2人以上の上司を同時に相手にする際は、思い切って「指示内容を統一しなければ、開発に支障をきたしてしまいます」と打ち明けましょう。この際、なぜ支障があるのかをきちんと説明することが大切です。
自分が求める、完ぺきな理想の上司は存在しないと思ってください。自分の理想の上司になれるのは自分だけです。上司に振り回されないためには、軽減策を考え行動すると良いでしょう。その上で、どうしても上司の困った行動が減らないのであれば、転職も選択肢に入れましょう。(ライター:ナレッジ・リンクス/原 進)