嫌われるプロジェクトマネージャーの4パターン
開発プロジェクトには欠かせないプロジェクトマネージャー。しかしプロジェクトマネージャーの行動によっては、開発全体に混乱を招くことがあります。そのため、常に迷惑を被っているメンバーからは嫌われることもあるでしょう。ではいったい、どのようなプロジェクトマネージャーが嫌われてしまうのでしょうか。ここでは、4つのパターンに分けて解説していきます。
1. 顧客に良い顔をすればいいと思っているタイプ
プロジェクトマネージャーは、開発プロジェクトを完遂させることが仕事です。そのために、顧客とのコミュニケーションは欠かせません。プロジェクトマネージャーの中には、顧客の言い分を全て受け入れることが正しいと考える人もいるようですが、これは必ずしも正しいとは限りません。ITの基本的な知識・ノウハウを知らない顧客もいますし、そもそも自分たちの要望をはっきり明確にしていない顧客もいます。
そのため、顧客の新しい提案を考えなしに受け入れてしまうと、要件が定まらず一向に開発が進みません。また、要件の追加や変更は、開発への影響も大きくなります。柔軟に対応すべきことと、安請け合いすることは違うのです。
2. ほうれんそうを求めるが、情報を共有しないタイプ
多くの会社では、「ほうれんそう(報告・連絡・相談)が大事」と教育されますが、部下からのほうれんそうが求められることはあっても、上司から部下へのほうれんそうはなかなか徹底されません。そのため、「プロジェクトマネージャーから情報が降りてこない」「いきなり重要事項を知らされる」ということがしばしばあるようです。もちろん、機密保持のため部下にも共有できない情報はあります。しかし、仕様変更やトラブルなどは、取り返しのつかない状況になるまえに共有されるべきでしょう。プロジェクトに悪い影響が出ることほど、早めに情報共有すべきだと心得てください。
3. 自分の思い通りにならないと気が済まないタイプ
開発メンバー各自の仕事やその進め方など、細かいことにまで口を出してくるマネージャーがいます。しかしマネージャーが細部にまで口を出すと、メンバーにとって経験になりませんし、マネージャー本人のとっても余計な仕事を増やしてしまうことになりかねません。マネジメントと開発を兼務しない限りは、自身の担当範囲に専念すべきでしょう。
また、他人の意見に耳を傾けないのも問題です。こういったプロジェクトではメンバーに裁量が与えられず、上司の言いなりになるしかありません。そのようなチームは雰囲気が悪く、士気を高めることが難しくなります。
4. 指示があいまいで、自分で判断することを避けるタイプ
「思いついたことを次々と口に出す」、「あいまいなまま指示を出す」ということがあります。いくつもの案が出ても、時間が限られるため全てを試すことはできません。考えるきっかけとして複数の案を投げかける時は、誘導方法にも工夫が必要です。また、トラブル時など素早い決断が必要な時もあります。決断しないまま指示を出すと語尾がはっきりしません。これではメンバーに不安を抱かせ、迷いが生じてしまう可能性があるでしょう。指示をする時は、迷いが生じないよう語尾に気をつけてください。
プロジェクトマネージャーが嫌われてしまっては、プロジェクトがうまく回りません。初めてマネージャーになる人は、これまでのエンジニア経験とは違った考え方が必要になってきます。プロジェクトには成功も失敗もつきものです。それぞれの良い点・悪い点を分析し、そして改善を続けることが、プロジェクトマネージャーとしての成長につながるでしょう。(ライター:ナレッジ・リンクス/原 進)