ITエンジニアからプリセールスに転職するには?
ITエンジニアのキャリアを考えた際、技術職としての道以外にも、営業職へのキャリアチェンジも選択肢に入ってきます。特にこれまでのICTに関する知識・ノウハウを生かして、製品やサービスの説明を行う「プリセールス」への転職を検討する人は少なくないでしょう。ITエンジニアからプリセールスへの転職について考えてみましょう。
プリセールスの役割
プリセールスは自社製品やサービスの販売・導入において、技術知識を活かして営業担当者をサポートするポジションです。顧客の窓口は従来通り営業担当者の役割ですが、そこに、技術的な説明や技術に関する質疑応答を担当します。また、システムの導入時にも顧客と開発の間にたって橋渡し役を担うことがあります。プリセールスの手腕によって、成約が左右されることも少なくありません。
プリセールスの仕事内容
プリセールスの具体的な仕事は、企業によって異なります。成約までを担当することもあれば、要件定義から設計までのみを担当することもあるでしょう。基本的には、以下の3つが主な仕事内容です。
1)製品知識の習得
自社製品やサービスに関する知識はもちろん、他社サービスについて知識が必要になることもあります。少なくとも、自社のサービスに詳しくなければプリセールスとして活躍することは難しいでしょう。
2)顧客への説明・プレゼンテーション
営業担当のサポートといっても、営業担当者に同行するだけが仕事ではありません。同行する場合、顧客を納得させる必要があります。製品・サービスのメリット・デメリットだけでなく、細かい仕様や導入に何が必要かなどを説明する必要があります。そのため、説明に必要な資料の作成や説得力のあるプレゼンテーション能力が求められるでしょう。
3)要件定義・設計
システム導入時には、状況に応じて、要件定義から設計までを担当することもあります。担当範囲はプリセールスを採用している企業によって異なるでしょう。多くの企業では、設計までを担当することが多いようです。
プリセールスに必要な能力
プリセールスを目指す上で必要になるのは、以下3つの能力です。
1)コミュニケーション能力
技術的な説明をすると言っても、相手に伝わらなければ意味がありません。そのため、相手の知識レベルに応じて、伝わる言葉を選ぶ必要があります。また、質疑では相手が知りたいことを察知し、適切に答えることで信頼感が高まるでしょう。
2)分析力
製品に関する知識を活かすためには、分析力が必要です。製品パンフレットに書いてある言葉を覚えるだけであれば、営業担当者にもできるでしょう。しかし技術に関する知識から情報を補足できるのは、プリセールスならではの能力です。
3)開発に関する知識・ノウハウ
要件定義や設計を行うこともあるため、開発に関する知識も無視できません。もし要件定義や設計を行わないとしても、スケジュールや納期を把握することが容易です。開発の現場を知っていることは、説得力にも繋がります。
会社の売上に直接携わる分、プリセールスではITエンジニアとは違ったやりがいを感じることができるでしょう。顧客と直接やり取りすることも多いので、これからキャリアアップを考えている人は、プリセールスという仕事も検討してみてはいかがでしょうか。(ライター:ナレッジ・リンクス/原 進)