客先常駐での仕事を上手く乗り切る5つの心構え
中小のIT企業に勤める場合、ITエンジニアとしての仕事は多くが、客先に常駐して業務を遂行することになります。もちろん、自社サービスやニアショアなど、自社の拠点で開発を行う場合もありますが、ほとんどの場合は客先で長期間働くことになります。自社に比べると客先には仲間が少ないことも多く、技術力だけでは乗り切れないかもしれません。そんなとき、客先常駐では以下のような点を心構えとして持っておくことが大切です。
- 結果を出せればOK
- 面倒な仕事は割り切ってこなす
- 仕事上の短い付き合いだと考える
- 請け負った仕事は将来への経験値にする
- 仕事の中に自分なりの工夫を盛り込む
それぞれ、具体的に解説していきましょう。
1)結果を出せればいい
会社でITエンジニアとして働く場合、開発業務における品質・納期だけでなく、会社の一員としての資質(コミュニケーション、仕事への意欲など)が求められます。しかし客先常駐で仕事をする上では、自分に任された仕事を全うできれば十分でしょう。求められている仕様に沿って開発できれば、文句を言われることはないはずです。ときには心無い相手から嫌味やダメ出しをされることもあるかもしれませんが、結果を出せば文句を言われる筋合いはありません。
2)面倒な仕事は割り切ってこなす
客先では、技術的に時間のかかる仕事や、面倒な仕事を任されることもあります。しかし、常駐エンジニアである以上、これから先、ずっとその仕事をするわけではありません。あくまで常駐の契約期間中のことだけです。あまり深刻にとらえず、「この期間だけの仕事だ」と割り切って業務に集中するのが、うまく乗り切るコツです。どうしても嫌な仕事を任されるようであれば、常駐の契約期間が更新される際に、自社の上司に「~~の理由から○○の仕事は避けたい」と相談してみましょう。
3)仕事上の短い付き合いだと考える
客先には、どうしても自分と合わないと感じる社員もいるでしょう。しかし自社の同僚と違い、お客様との付き合いは契約期間中だけの話です。短ければ3ヶ月ほどで関わりが無くなりますし、異動やプロジェクトの終結もあります。相性が良くない相手やグチ・不満を言ってくる相手でも、限られた期間内の関係だと思えれば、多少のことは気にならなくなるはずです。また、もし人間関係のゴタゴタに巻き込まれそうになったら、「自分の業務内容には関係がありませんので…」とでも答えてスルーしましょう。
4)請け負った仕事は将来への経験値にする
自分が疑問に感じたことや不利益を被ったことなどは、記録しておき、「なぜそうなってしまったのか」を考えるくせをつけておくといいでしょう。そうすると、たとえ自分が責任者ではなくても、危機や余計なトラブルを察知する力が身についてきます。経験を教訓にできていれば、きっと活かすチャンスに遭遇するでしょう。
5)仕事の中に自分なりの工夫を盛り込む
「客先常駐では、どうしても仕事に身が入らない」という人もいるかもしれません。しかし、どのような仕事であれ学べることはあるものですし、仕事を楽しくする余地も残されています。単調な仕事を任されるようであれば、プログラムで自動化できないか検討してみましょう。また、古いシステムを任されたら、新しい技術に置き換えられないか考えてみましょう。仮にそうした工夫を実現できないとしても、考えるくせをつけておくことでが、ITエンジニアとしての“地力”を高めることにつながります。
客先常駐の仕事ではあまり神経質にならず、求められたことを着実にできれば問題ありません。しかし、客先で発揮する能力に問題が無くとも、必ずしも社内の評価に繋がるわけではないでしょう。自身のキャリアを考える際には客先常駐経験だけではなく、これまで経験したことを見極める必要があります。(ライター:ナレッジ・リンクス/原 進)