ITエンジニアが転職を決断する6つの理由
現在の職場に満足できないITエンジニアが転職するのは、ごく自然なこと。しかし、職場環境が大きく変わるため、実際にはなかなか踏み切れないものです。では転職を経験したITエンジニアは、いったいどのような理由で転職を決断したのでしょうか。具体的には、次のような理由が多く見られます。
- スキルアップを図るため
- よりよい待遇で働くため
- 自分の目標が達成できないため
- 人間関係に不満があるため
- 労働環境に不満があるため
- 予期せぬ倒産やリストラ
その背景などを踏まえながら、具体的に取り上げていきましょう。
1. スキルアップを図るため
ずっと同じ会社で同様の仕事をしていると、自分のスキルに不安が出てきます。「経験年数が長い割にはスキルが身についていない」などと感じることもあるでしょう。特に社外の勉強会などに参加すると、他の人とのスキルの差を感じやすいものです。スキルの差を感じると「今のまま働いていては、ITエンジニアとして将来やっていけない」と思うこともあります。現在の環境でこれまで以上の経験が積めないのであれば、転職も視野に入ってくるでしょう。必要だと思う経験を得るためには、環境を変えるのが一番効果的です。
2. よりよい待遇で働くため
自らのスキルや働きに見合った給与を欲するのは当然です。自分のスキルに自信がある人は、なおさらよりよい条件で働きたいと思っているでしょう。また、同業他社でも会社によって待遇が異なるため、同じ仕事をするなら待遇が良い会社で働きたいものです。このことは、他社エンジニアとの交流や企業からの情報発信によって気付かされるでしょう。また、業界が異なってもITを導入しようとしている企業は少なくありません。自分が必要とされる環境で働けることは、誰にとってもこの上ない喜びです。
3. 自分の目標が達成できないため
ITエンジニアとして経験を積むうち、自分のやりたいことが出てきているかもしれません。しかし希望する仕事を、在籍している会社が受け入れてくれるとは限らないでしょう。また、社内に相当する部署があったとしても、異動が難しいことも考えられます。数年かけてじっくりと環境を整えていけば、できることは広がっていきます。しかし、それでもやりたいことを確実にできる保証はなく、時間だけが過ぎていくこともあるでしょう。既に環境が整っている企業に入るほうが、やりたい仕事を担当できる可能性は高まります。
4. 人間関係に不満があるため
転職を考えるITエンジニアには、上司に対して不満を感じている人が多くいます。あるいは、同僚や先輩に対して不満を抱えているケースもあるでしょう。特に上司に対する不満は、人間関係の中でも転職のきっかけになりやすい要因です。上司は自分のことを直接評価する立場にあり、昇給などにも大きく影響します。また、組織が上司を作り上げていることもあるでしょう。しかし人間関係でやる気が失われてしまっては、悪循環を生みます。自分の生産性や成長などを考え、転職に至るケースも少なくありません。
5. 労働環境に不満があるため
労働時間が長く、長時間の通勤のためプライベートな時間を確保できないことはよくあります。しかし、本当に通勤の必要はあるのでしょうか。昨今は、在宅で仕事するケースも増えているようです。他社の新しい取り組みを知ると、自分の環境と比較し不満が溜まりやすくなります。
環境を変えるべく意見を申し立てても、検討されないこともあるでしょう。どのような検討をしたのか明らかになれば、不満は減らせるかもしれません。しかし多くの場合は検討すらされていないため、否定する返事しか返ってきません。このようなことが続けば、会社へ期待することはなくなるでしょう。
6. 予期せぬ倒産やリストラ
これまでに紹介した5つとは異なり、予期せぬ理由により転職することもあります。現在の社会では、大企業でさえ倒産する可能性をぬぐえません。あまり会社に関心を持っていなくても、会社の動向については知っておくべきです。
これは自らが転職を決めるわけではなく、転職の必要性に迫られるというもの。会社の倒産やリストラは、事前に分かる保証などないでしょう。そのため、いつでも転職できるように、自分のスキルや経験をしっかり整理して準備しておくことが重要です。
今回ご紹介した理由は、複数重なることで具体的に転職を決断することが多くなります。また、外部要因から転職せざるをえない状況になることも十分考えられるでしょう。そのため、「今すぐに転職したい」という意思がなくても、どのような職場環境があるかは定期的にチェックしておくことをおすすめします。(ライター:ナレッジ・リンクス/原 進)