人手不足時代のITエンジニアの転職
労働人口が減り続ける中、さまざまな業界で人手不足が叫ばれています。これはIT業界も例外ではありません。「人手不足倒産」さえ考えられるため、どの企業もITエンジニアの確保に力を注いでいます。一方、転職者から見れば、人手不足=売り手市場なので、有利な状況とも言えます。このITエンジニアが有利に転職するために何が必要なのでしょうか。
売り手市場での転職ポイント
多くの場合、転職者は転職において以下のようなものを求めることでしょう。
- 年収アップを狙いたい
- 大手企業や有名企業へ転職したい
- 幅広い知識や経験を得たい
確かに転職の売り手市場であれば、年収アップや転職成功率の高さも期待できますが、必ずしも年収アップや確実な転職を保証できるものではありません。そのために何が必要なのか、それぞれ詳しく見ていきます。
1. 年収アップを狙いたい
ITエンジニアにとって現在が売り手市場であれば、確かに年収アップを図ることも可能です。しかしそれはあくまで「売り手市場だからできたこと」。自分自身の能力が本当にその年収に見合ったものかどうかは、別問題なのです。ITエンジニア不足がこれから永久に続く保証はありませんから、将来「高年収で採用したが、それに見合った働きをしていない」と上司に判断されたら、リストラや年収ダウンの可能性もあるでしょう。年収が高められるのは、現在の転職市場における一時的なものと考えるべきでしょう。
2. 大手企業や有名企業へ転職したい
ITエンジニアの売り手市場の現状であれば、募集要件が緩和されることも珍しくありません。場合によっては、大手企業や有名企業の求人にも応募できるチャンスもあるでしょう。また、スキルや経験が足りなくて過去に一度あきらめた企業でも、今ならば求人条件を満たしている可能性もあるでしょう。今一度、自分のスキルや経験を整理し、志望している企業の求人を探してみるのも良いかもしれません。
3. 幅広い知識や経験を得たい
開発言語や環境など、今までと異なる経験をしたいと考える人も多いでしょう。人手不足の状況であれば、企業としては「たとえ使用言語などが異なっても、ある程度の関連業務を経験してさえいれば良い」とされる場合もあります。無論、一定の能力は求められますが、スキルチェンジしやすい好機ととらえることもできるでしょう。
ITエンジニアのニーズが高まっている現在、自分を売りこむにはまたとないチャンスです。中には現在の職場で、すでに仕事が忙しくなっているという人がいるかもしれません。「挑戦してみたい」という意欲があるならば、転職を検討してみるのも1つの選択ではないでしょうか。(ライター:ナレッジ・リンクス/原 進)