ITエンジニアが応募してはいけない求人の5パターン
人材不足も相まって、ITエンジニアの求人は世の中にあふれています。しかし、求人を出しているすべての企業が、ITエンジニアの仕事を理解しているとは限りません。技術者が欲しいというよりも、“代替の効く歯車”が欲しいだけということも多々あるでしょう。そして、そうした企業では、激務に追われたり、残業代が支払われなかったりなど避けたい事態に陥るかもしれません。どうすれば「応募してはいけない求人」を見分けられるのでしょうか。そのポイントが、以下の5点です。
- 使用している開発環境や言語が分からない求人
- どこにでもありふれた求人
- 開発現場の雰囲気が分からない求人
- どのような開発を行うか分からない求人
- 仕事内容に見合っていない実務経験や学歴を求める求人
1. 使用している開発環境や言語が分からない求人
企業によって、開発現場で使用頻度の高い言語は異なります。開発環境は開発スピードにも影響する要素ですから、求人に開示した方が自社にマッチしたITエンジニアが採用できるのは当たり前です。しかし「とにかく採用できれば誰でもよい」「辞めていく人のほうが多くて人手不足」という企業の場合、具体的な開発環境を提示しないこともあります。面接などでも、現場の言語や詳細な開発環境を答えられない面接官は要注意と思ったほうがいいでしょう。
2. どこにでもありふれた求人
求人票を見ていると、コピペかと思うほど、他の企業との同じような情報を載せている企業があります。例えば、仕事内容が「業務用アプリケーションの開発」のひと言で済ませられていたり、応募要件が「何らかの開発経験がある人」としか書かれていなかったり……。このような求人は、やはり応募を避けたほうが無難です。採用担当者が激務で求人を書くひまがないのかもしれませんし、あるいは会社が現場の仕事を理解していないのかもしれません。
3. 開発現場の雰囲気が分からない求人
ITの開発現場ではチームワークが重要になります。実際、「同僚と合わない」「人間関係がよくない」と悩みを感じて転職する人も多いでしょうから、社内の雰囲気や文化、先輩社員の姿が想像できない求人への応募は避けるべきでしょう。ITエンジニアの負担軽減や働きやすい環境の整備といったことを考えると、現場の雰囲気を伝えないことは、企業側が応募者を軽んじている可能性があります。また、客先常駐の勤務であっても、勤務先の雰囲気やどんなお客様先に常駐するのかなどは面接時に質問し、回答してもらえるか確認しましょう。
4. どのような開発を行うか分からない求人
「どんなITエンジニアでも歓迎します」といった触れ込みで採用する企業もありますが、それはもしかしたら「誰でもいいから猫の手も借りたい」という状況かもしれません。そのような状況では、激務や炎上案件への参画が予想できます。自分で仕事をコントロールすることが難しく、退職することも困難かもしれません。激務しかない企業では、長く続けていくことは難しいものです。もちろん、自分の希望する働き方・キャリアを実現できる可能性も低いでしょう。
5. 仕事内容に見合っていない実務経験や学歴を求める求人
仕事内容と合っていないスキル・経験を求める求人は、応募を避けたほうがいいでしょう。例えばマネージャークラスの能力と責任が求められる仕事なのに、応募要件が「1年以上の開発経験がある人」となっていたら、「未熟な人材にも重大な責任と役割を押し付ける会社」と見なせるかもしれません。また、仕事内容と関係のない実務経験の長さや学歴を要求する求人も、要注意と言えます。採用担当者が現場のことを知らないか、どれだけの経験があれば良いか分からないと考えられます。こうした求人を出す企業は、ITエンジニアの仕事に対する理解が低く、待遇面で不満を感じることになるでしょう。
もちろんこれらのポイントに当てはまらなくても、避けるべき企業はあり得ます。応募以降は面接官の態度や受け答えなどから、実際に自分の目で見て得た情報を冷静に判断する必要があるでしょう。時には自分の直感が正しいこともありますので、自分に合うかどうかで判断してもいいでしょう。(ライター:ナレッジ・リンクス/原 進)