人間関係が悪いIT企業を見抜く3つのポイント
「IT企業は技術さえあれば良い」……。そう考えている企業は少なくないでしょう。しかしどれだけサービスが優れていても、転職では必ずしも上手くいくとは限りません。技術がある会社でも、実際にそこで働くのは人である以上、仕事上の人間関係は見逃すことができません。
人間関係が悪ければ、いかに高い技術があってもプロジェクトの情報共有が上手くいきませんし、後輩への指導も困難です。結果的に開発の破たんを招く可能性が高くなるでしょう。IT企業の人間関係の悪さを示す特徴について、4つのポイントを詳しくご紹介していきます。
1. 技術課題の解消や情報共有をおこたっている
「疑問点を解消せずに問題を先送りにする」「重要な情報を、限られた人だけが把握している」……。過去のプロジェクトで、こうした経験したことのある人は少なくないのではないでしょうか。情報共有が徹底されていない背景には、開発メンバー同士のコミュニケーションの不和があるのかもしれません。こうした状況では、重要問題について誰も責任を取らず、放置されがちになります。結果として、チーム全体が被害を受けることになりますし、当然あなた自分の仕事にも悪影響が出ます。
2. 曖昧な指示に突っ込んだ確認をしない
上記1とも関連しますが、あいまいな指示で情報共有した気になっている会社も少なくありません。人間関係が悪い会社は、メンバー全員が「詳細は誰かが確認するだろう」と高をくくっているため、具体的な問題が放置されがちなのです。表面上はスムーズに開発が進んでいるように見えますが、いざ問題が発生するとプロジェクトが破たんしやすくなります。特に、技術的な下地がない管理者、あるいは、SE・PGの経験が浅くて部下に任せきりという上司がいると、こうした事態に陥りやすくなります。
詳細を確認しないまま勝手に解釈して作業を進めると、二度手間になることが少なくありません。再調査や資料の作り直しをする羽目になれば、不信感も高まってしまいます。逆を言えば、面倒でもお互いの疑問点を確認し合い、仕様書や資料の作成をおこたらない会社は、人間関係が悪くないと言えるでしょう。
3. メンバーが自分ルールを優先している
ITエンジニアには、自分の技術へのプライドや自分なりの開発への考え方などがあります。そのため、仕事においては適度に“自分ルール”を守るほうが、うまくいくことがあります。
とはいえ、プロジェクトを左右するような重要課題や、自分1人では手に負えない問題、周囲と密接にかかわるような開発については、“自分ルール”を優先するべきではありません。もしエンジニアたちが個々に自分ルールばかりを優先させているようであれば、その会社は他人を認められない人ばかりの会社、みんなで協力し合ってより良い開発を手がけることができない会社ということです。当然ながら、人間関係は最悪である可能性が極めて高いでしょう。
人間関係の悪化は自分一人で改善できるものではありません。また逆に、1人で悪化させられるものでもありません。ここのエンジニアの間で、何かしら気に食わないことやコミュニケーション不足があり、それが募ることで悪化していきます。
もし自社の人間関係が良好でない場合は、まず周囲との積極的なコミュニケーションによって改善を試みてみましょう。それでも無理な場合は、職場内での異動や転職を考えた方が良いかもしれません。(ライター:ナレッジ・リンクス/原 進)