ITエンジニアが転職して年収アップさせるコツ
転職を求める事情は人それぞれ。しかし、やはり収入がアップするかどうかは気になるところでしょう。しかし企業としては、人件費はできるだけ抑えたいというのが実情でしょう。そういった状況で年収をアップさせるには、いったいどのようなことを注意すれば良いのでしょうか。
企業選びで年収アップの大半が決まる
いかに技術力のあるITエンジニアといえども、地方の中小企業で年収1000万円を実現するのは難しいでしょう。あなた個人の技術レベルが高くても、小規模な案件の2次請け・3次請けばかりしているシステム会社に転職しては、やはり年収アップは難しいのです。逆に、大手企業やそのグループ会社であれば、保守やカスタマーサポートといった補助的な仕事でも、安定した収入を得るチャンスもありますし、大規模開発を定期的に受注していることもあります。必然的に、エンジニアとしての高収入が期待できます。
転職先の企業選びは、年収アップに直結する最重要ポイント。取引先企業の情報や会社のホームページ、開発実績などから企業の業績、今後の成長についておおよその目星を付け、年収アップが望めるかどうかを判断しましょう。
面接時の対応で評価を上げる
転職面接では、実際に自分が働く姿を見てもらうことはできません。選考においてコーディング試験を課すIT企業もありますが、それでも自分自身のコミュニケーション能力やタスク管理能力、スケジュール管理能力までを実際に見てもらうことは、ほぼ不可能です。
言い換えれば、「どれだけ仕事ができて、どれくらいの給与・待遇で迎えられるか」を判断されるのは、あくまで面接だけなのです。自らの技術力や実績、ビジネスパーソンとしての経験値を確実にアピールし、面接官に理解してもらうことができれば、それに見合った給与を実現することもできるでしょう。注意したいのは、エンジニアとしての技術力や実績を正しく伝えるのは、なかなか難しいということ。これまでの仕事を通じて「何を・どれだけ・どのように」やってきたのか、具体的に示す必要があります。職務経歴書に自分が書いたサンプルコードを添付する、自作のスマホアプリやPC用アプリを提出することで、技術力のアピールとする人もいるようです。
自分の価値を正しく理解する
「あなたのエンジニアとしての価値は何か?」を問われて、明確に返答できる人は多くないかもしれません。そういった時は、自分と同レベルの企業や同じ職場の人を想定してください。他社と比べたときの自分の長所は何か? どんな分野だったら負けないか? こういった視点から判断すると、あなたなりの「売り」が分かります。他者の年収などが聞ければ、よりイメージがしやすいでしょう。適正価値が分かると、自分が求めている収入がどれほど現実的か分かるはずです。また、同じ企業に長くいると、自分の価値が分からなくなってしまうこともあるようです。
新しい部署の立ち上げを狙う
これからWebサービスやIT関連部門を新しく立ち上げようと、準備のために人材募集している企業があります。そういった企業の求人では、自分の要求が比較的通りやすい傾向にあるかもしれません。もちろん、立ち上げ時期だからこそ厳しい職場環境ということも考えられるため、慎重な判断が必要です。企業として明確なビジョンがあるのか、または求められるものが自分の力量を大幅に超えていないかが判断ポイントになります。
自分の条件に合う企業を根気よく探す
「1カ月以内に探したい」「会社を辞めたいからできるだけ早く探したい」などという状況はよくあること。期限が決まっていると、たとえ条件が合致していなくても、つい妥協して転職先を決めてしまうことがあります。ほとんどの場合、年収ダウンは妥協することで起きてしまいます。転職期間に余裕をもって、焦らずに、っくりと自分の条件に合致する企業を探すことが大切です。
企業に正しくアプローチ、IT人材としての価値を正しくアピールできれば、年収アップは夢ではありません。そして、妥協せずに「これだ」という求人に出会えるまで粘り強く活動を続けること。もちろん目標が高すぎる場合は、条件を緩和することも大切ですが、転職で年収アップすることは決して実現不可能なことではないのです。(ライター:ナレッジ・リンクス/原 進)