ITエンジニアが起業する際のメリット・デメリット
ITエンジニアの仕事を続けていると、やがて会社員としての限界や組織の一部として働くことへの不満も感じてくるかもしれません。「自分がトップになれば、今より仕事がやりやすくなる」などと考えた人もいるのではないでしょうか。仕事に対する考え方も多様化し、環境も整っている現在は起業しやすい状況です。
起業と一口に言っても、システム開発会社を興すこともあればフリーランス(個人事業主)として働くこともあります。起業したい人の中には、全く新しいサービスを提供したいという人もいるかもしれません。しかし、いざ起業しようとしても、何から手を出すべきか分からない方は多いはず。起業にどういったメリットやデメリットがあるかを整理していきます。
起業のメリット
・仕事を自由に選択できる
・成功すれば多くの収入を得られる
・仕事に対する意欲が高まる
起業において一番のメリットは、自分の裁量がとても大きいということでしょう。上司から炎上案件を押し付けられることもありませんし、得意な言語・開発にしぼって仕事することもできます。もちろん裁量が大きいとは言っても、自分勝手に仕事を進められるということではなく、クライアントとのやり取りはあります。しかしそれでも「自分の判断で仕事を断ることができる」のは、会社員にはないメリットでしょう。
もちろん、自分の仕事の成果は直接収入アップに繋がります。また、責任を取れさえすれば、発言力を高めていくことも可能です。職場においては協調性も大切ですが、個人の存在感も主張していくことが大切になってきます。さらに、自分で新たなサービスを開発し、スタートアップとして起業した場合は、サービスを成長させていくやりがいも感じられるでしょう。
起業のデメリット
・会社員時代と仕事内容は変わらないがやる仕事が増える
・会社を興す場合はまとまった資金が必要になる
・責任が重くなり仕事の打ち切りもありえる
起業したての頃やフリーランスの場合は、仕事内容が会社員時代と大差ないということもあるでしょう。しかし経営や経理、営業、事務処理など、これまであまり経験していない仕事もこなさなければいけません。慣れない仕事も多く、会社員時代に比べて「大変だ」と感じる時期もあるでしょう。特に保険や年金、税金といった事務処理は、慣れるまでは余計な時間を取られることも多くあります。「ただ仕事をすればいい」という発想から抜け出し、自分自身が「会社」として細かな業務を引き受ける必要があるのです。
また会社を興した場合は、社員に対する責任も出てきます。自分ひとりだけなら少ない給料を我慢することもできますが、社員にもそれを押し付けていては会社としての存続が危うくなります。そういった理由もあるからか、ITエンジニアの起業では、身軽なフリーランスから始める人が多いようです。
起業に対してメリット・デメリットはありますが、実際に成功できる保証はありません。また、実際に始めてみると、社員など仲間の大切さを痛感することもあるでしょう。時には経験不足を感じる場面があるかもしれません。もし現時点で経験不足を感じるのであれば、まずは転職して経験を積み、そこから独立を目指してみるのもいいのではないでしょうか。(ライター:ナレッジ・リンクス/原 進)