司法書士 ~誰もが頼る法律手続きの専門家~
仕事内容 ~法律関連の書類作成や手続きを代行~
司法書士は個人や企業などの依頼を受け、法律に関するさまざまな書類作成を行う専門家です。国家資格が必要な職業であり、書類作成や法律上の手続きを代行します。作成する書類の幅は非常に広く、「不動産登記」の代理、会社設立に伴う「商業登記」、認知症高齢者・知的障害者の財産や権利を守る「成年後見」などがあります。そのほか、裁判や債務整理といった身近な法律問題に関連する相談を受けるほか、その書類作成・手続きなどを請け負うことも多くあります。
国民一人ひとりの権利を守るため、専門的な法律知識を駆使して、さまざまな法律手続きを代理する、まさに誰からも頼られる仕事といえます。司法書士の資格試験合格後、個人で事務所を開業する人も多いです。経験が少ない場合は最初に司法書士事務所や企業の法務部門に勤務することが多いようです。
おおよその年収
専門知識と国家資格が要求されるハードルの高い仕事であるため、年収は約600万円と高めです。個人事務所を運営する人であれば、より高い年収を実現していることもあります。
求められる能力 ~高度な専門知識と書類作成能力~
司法書士として活躍するには、まず、司法書士試験に合格しなければいけません。もちろん簡単に合格できるものではなく、合格率は2~3%といわれています。そのうえで、実際の業務上では高度かつ複雑な各種の法律関連の知識が要求されます。毎年のように改正される法律もあるので、常に知識を蓄え続けなければなりません。書類作成の際には、細かなミスも許されない複雑な作業が必要になるので、正確な書類作成能力が求められるでしょう。特に登記関連の手続きは、複雑なことも多いので慎重に最後までやり遂げる慎重も求められます。
そのほか、個人として開業するのであれば、営業力も必要です。司法書士試験に合格をしたから高年収を得られるというわけではなく、そこからどう自分を売り込んでいけるか、顧客を獲得するスキルを身に着けられるかが成功へのキーポイントになります。
向いている人柄 ~誠実で信頼感があり、まじめであること~
そのほか、司法書士の元に頼ってくる人は、金銭問題や家庭の問題など、デリケートな問題を抱えてくることがほとんど。顧客の問題を解決するためにも、人の役に立ちたい、困っている人を助けたいという誠実な気持ちがある人が向いています。また、争っている人を目の前にすると仲裁したくなる人も向いているでしょう。また書類作成のためにも細かい作業が好きで、ミスが少ない人は司法書士として、誰からも信頼されるでしょう。
仕事のやりがい ~法律知識を駆使して人を助ける~
複雑な法律問題は専門家でなければ手に負えないことがほとんどなので、書類作成や手続き代行を通じて多くの人に“頼られる”というやりがいがあります。生活に困っている人や複雑な法律トラブルに悩んでいる企業を、自身の知識とノウハウによってサポートすることができたときに、この上もない充実感を得られるでしょう。また、国家試験が必要な士業であり、自分が培ってきた知識と経験を駆使する仕事でもありますから、仕事の成果に対しても自信と誇りを持てるでしょう。
仕事の辛いところ ~営業力がないため廃業になるケースも~
いざ資格を取得し、個人事務所を開業しても、仕事がなければ廃業になってしまうケースもあります。特に近年は脱サラして司法書士に挑戦する人が増加傾向にあり、司法処理の間でも顧客の取り合いが起きているようです。「待つ」スタイルで仕事を続けてきた司法書士もいますが、これからは自分でどんどん売り込んでいける営業スキルも必要になってきています。(ライター:二之形幸子)