転職のギモン99 「退職」に関する相談11選
「「ひとつのことをやり遂げることが尊い」「最初に入った会社には定年まで勤め上げるものだ」と言われていた時代もありましたが、最近は転職する人が珍しくなくなりました。それでも勤務先を変えるために行動することには、なかなかストレスが掛かるものです。
そこで転職にまつわる疑問について、9つのカテゴリーで11個ずつ、計99の質問に答える「転職のハテナ」という企画を立ててみました。よくある質問に簡潔に回答していますので、ぜひ参考にしてみてください。今回は「退職」に関する相談11選です。
Q1.退職願いを出すタイミングはいつが良いですか?
A.退職願いを出すタイミングは、一般的に退職希望日の1~2か月前が目安です。法律では2週間前までに通知すれば良いとされていますが、円満退職のためには余裕を持って伝えることが望ましいです。繁忙期を避け、引き継ぎに必要な期間も考慮しましょう。
Q2.繁忙期に辞められると困るからと退職を引き止められました。どうすれば?
A.引き止めにあった場合は、退職の意思が固いことを丁寧に伝えましょう。「申し訳ないですが、個人的な事情で決断しました」といった形で、具体的な理由を深掘りしない方がスムーズです。繁忙期でも、自分の人生を優先して判断することが大切です。
Q3.業務の引き継ぎは具体的に何をすれば良いですか?
A.引き継ぎで行うべきことは以下の通りです。これにより、退職後の業務が滞らないように準備できます。
- 担当業務のマニュアルを作成する。
- 進行中の業務やプロジェクトの状況を記録する。
- 後任者と面談し、重要な連絡先やファイルの場所を共有する。
Q4.退職時に受け取るものと返すものは何がありますか?
A.基本的には担当部署からの指示に従えばよいのですが、以下のものが求められると想定して事前に確認・準備しましょう。
- 退職時に受け取るもの:「雇用保険被保険者証」「年金手帳」「源泉徴収票」「退職証明書(必要に応じて)」
- 返すもの:「健康保険証」「社用パソコンや携帯電話、社員証」「名刺や制服など会社支給の物品」
Q5.入社時の研修費を退職時に請求された場合、払う義務はありますか?
A.基本的に、研修費の請求が有効になるのは「契約書で明確に同意している場合」のみです。契約書や就業規則にその記載がない場合には、支払い義務はありません。不明な点があれば、労働基準監督署や専門家に相談しましょう。
Q6.退職時に有給休暇をまとめて取得したいのですが拒否されました。どうすれば?
A.有給休暇は労働者の権利であり、原則として取得を拒否されることはありません。会社側が認めない場合は、その理由を明確に求め、納得できない場合は労働基準監督署に相談することができます。
Q7.上司が退職願を受理してくれません。次に取るべき行動は?
A.退職願を受理しない場合でも、法律上は退職希望日の2週間前に通知すれば退職可能です。まずはメールや書面で提出した記録を残し、直属の上司が対応しない場合は人事部やさらに上位の責任者に相談するのが効果的です。
Q8.短期間で退職した場合でも給与は支払われるのでしょうか?
A.たとえ1日であっても、働いた期間に応じた給与は支払われるべきというのが原則です。会社が支払いを拒否する場合は、労働基準法違反に該当する可能性があります。必要に応じて労働基準監督署や弁護士に相談しましょう。
Q9.退職後に未払いの残業代を請求することは可能ですか?
A.未払いの残業代は、退職後でも請求可能です。請求には証拠が必要なため、タイムカードやメールの記録、業務内容を記録したメモなどを用意しておきましょう。未払い賃金の請求は最長2年(2024年4月以降は3年)まで遡ることができます。
Q10.取引先に退職を伝えるタイミングと方法は?
A.退職を伝えるタイミングは、会社や上司の指示を確認してからが基本です。一般的には最終出勤日の1~2週間前が目安です。伝える方法としては、直接の訪問や電話で感謝の意を伝えつつ、後任者の紹介や業務引き継ぎについて説明するとスムーズです。
Q11.退職後に赤字分の補填を請求されました。これって合法ですか?
A.退職者に赤字分の補填を求めることは、原則として違法です。日本の労働法では「労働者が損害賠償を負うのは故意または重大な過失があった場合」に限られます。請求に納得できない場合は、労働基準監督署や専門家に相談しましょう。