「初めての面接」を成功させる4つのポイント
面接は、応募者が自身のスキルや経験を直接アピールする場であると同時に、企業側にとっては応募者の適性や人柄を見極める貴重な機会でもあります。そのため、事前の準備や心構えが結果を左右することが多々あります。
今回は、面接前の準備から、実際の面接での立ち居振る舞い、オンライン面接での注意点まで、面接に臨む際に知っておきたいポイントを解説します。このガイドを参考にして、より自信を持って面接に挑んでください。
【POINT 1】面接前の準備
新卒採用と同じく、転職での面接にも事前の準備が欠かせません。下記の1~4を把握した上で、模擬面接の練習ができるとベストです。
求人サイトや転職サービスの中には模擬面接を行ってくれるところもあるので、積極的に利用するといいでしょう。家族や友人に面接担当者役をやってもらい、自己紹介や志望動機を口に出すだけでも効果があります。
1.応募書類の確認
履歴書、職務経歴書などを読み直し、口頭で詳しく説明できるようにしておきましょう。
2.退職理由の確認
前の会社への不満で終わるのはNG。転職が将来の目標にどうつながり、ステップアップのためにどう取り組んでいるのかを話すことが重要です。
3.志望動機の確認
「新しい仕事・会社で何を実現したいのか」「今までの経験がどうしてその実現に役立つと思うのか」を具体的に話すことがポイントです。加えて「同業他社ではなく、なぜその企業なのか」ということも整理しておきましょう。
4.基本情報の確認
志望企業についての概要(企業規模や売上、ビジネスモデルなど企業サイトからわかること)や、志望業界・職種に関する基礎的な知識を押さえておきましょう。
【POINT 2】面接の流れ
面接当日は、突然のトラブルにあわてなくてもすむように「企業への地図」「当日の持ち物」は早めに確認します。交通機関の乱れや、忘れ物などの場合に備えて、面接場所に30分前につけるような設定にしておけば、余裕を持って面接にのぞむことができます。
1. 受付
指定された面接時間の5分前くらいに受付に行き、担当者の名前を伝えます。あまり早く行き過ぎると、採用担当者も仕事をしていることもあり、逆に迷惑になります。
2. 入室
ドアをノックし「失礼します」と言って入室。面接担当者全員を確認し「よろしくお願いいたします」と一礼。「おかけください」と言われてから着席するようにします。「本日はお時間をいただきありがとうございます」とお礼を言うと印象も良くなります。
3. 導入
最初は天気の話や会社までの交通手段などの話題で話しかけてくれることも。緊張しすぎず、面接担当者と目線を合わせながらはっきりと答えましょう。
4. 自己紹介
自分の経歴を古い順に説明します。職歴が多い場合は会社名や部署、役職など必要な部分だけピックアップし、1~2分で収めましょう。
5. 職務経歴
どの会社のどの部署で、どれくらいの期間どんな仕事をしてきたか詳しく話します。実際の仕事を具体例に挙げ、どれくらいの成果をあげたのかを数字などで具体的に話すこと。
6. 転職理由
たとえ不満があっての転職でも、ポジティブな理由に転換してアピールします。ステップアップのために転職を望んでいることを伝えてください。
7. 志望理由
志望理由は、自分にとってなぜその企業が魅力的なのか、なぜ同業他社ではいけないのかを説明できるとベストです。具体的なサービスや商品をあげてもよいでしょう。「安定しているから」「給与が良いから」というのは誰でも言える回答なので、良い印象ではありません。
8. 応募職種について
職種を変える場合は「なぜその職種を希望しているのか」「自分が入社してやりたいこと」「その職種であれば貢献できると思えること」を話しましょう。事前に会社の情報を調べ、その職種がどのような役割なのか把握しておきましょう。
9. 給与面の条件確認
「御社の規定に従います」と答えるのがベター。ただし、転職すれば必ず年収が増えるとは限りません。業界や職種の給与水準も調査し、自分の市場価値を踏まえて話しましょう。
10. 勤務可能時期
現在も勤務中の場合は、余裕をもった退職日を想定して入社可能日を答えましょう。企業側の入社希望日も質問できれば聞いておきましょう。今の仕事の予定も立てやすくなります。
11. 応募者からの質問
求人票や企業HPを調べれば分かることを質問するのはマイナスです。「売上構成はどうなっていますか?」「中途入社の社員の方たちは、どのようなポジションに就いていらっしゃいますか?」など、企業情報や面接中でわからなかったことを質問しましょう。
12. 退室
面接終了時には「ありがとうございました」のお礼を。ドアの前でも軽く一礼し、「失礼します」と声をかけてから退室します。
【POINT 3】面接時の身だしなみ
いくら立派なことを言っていても、社会人にふさわしくない外見をしている人は不採用と判断されやすいです。「見た目」に関する注意点をチェックしておきましょう。
【男性編】
- ヘアスタイルはその企業に適切か
- ひげはきちんと剃ってあるか
- スーツにしわや汚れはないか
- 歯に食べかすなどがついていないか
- 靴はきちんと磨かれていて、かかとのすり減りなど痛みがないか
- タバコのにおいがついていないか
- ビジネスにふさわしいバッグをもっているか
【女性編】
- ヘアスタイルは適切か。長い場合はきちんとまとめているか
- オフィスにふさわしいナチュラルメイクになっているか
- スカート丈は短すぎないか
- 過度のネイルアートはしていないか
- 香水をつけすぎていないか
- サンダルはNG。靴のかかとはすり減っていないか
- ストッキングは伝線に注意
【POINT 4】オンライン面接の注意点
近年、オンライン面接の機会が増えてきました。対面の面接とは異なる注意点があり、以下を意識することが大切です。
1.インターネット接続の確認
オンライン面接では安定したネット回線が重要です。事前にネット環境を確認し、必要であればモバイル回線などのバックアップも用意しましょう。
2.背景や周囲の環境を整える
画面に映る背景はできるだけシンプルで、面接担当者の集中を妨げない環境を整えましょう。また、室内の照明もチェックし、顔がはっきり映るようにすることがポイントです。
3.適切なカメラとマイクの設定
カメラは目線と同じ高さに設定し、アイコンタクトを意識しましょう。マイクの音量も適切に調整し、クリアな音声で会話ができるようにしておきます。
4.オンライン特有のマナー
表情やジェスチャーが伝わりにくいため、笑顔や相づちを意識的に使いましょう。また、予期せぬトラブルが発生した場合は冷静に対処し、面接担当者に状況を説明することで、誠意を示すことが大切です。
暗記内容をしゃべるだけでなく
面接は単なる試験ではなく、企業との相互理解を深めるための大切な機会です。準備をしっかりと行い、面接担当者との対話を通じて、自分がその企業でどう活躍できるかを具体的に伝えることが求められます。
自分がどの会社でどのように貢献できるのか、具体的にアピールしましょう。面接は試験ではなく相互理解の場です。暗記内容をしゃべるだけではどうしても一方的になりますので、リラックスしてやり取りしましょう。
面接での成功は転職活動の第一歩に過ぎませんが、ここで得た経験は今後のキャリア形成にも大いに役立つでしょう。企業と自分の目指す方向性が一致するかをしっかりと見極め、納得のいく転職を実現してください。