円満退職のコツ[br]~あとくされのない退職スケジュールを~
転職先が決まっても、仕事ができる人ほど簡単には辞めさせてはもらえないもので。もめずに辞めるためには、適切な退職スケジュールと切り出すタイミングが重要です。円満に退職するためのコツと段取りを見ていきましょう。
退職意思の伝え方
退職意思は、直属の上司に伝えます。たいていの場合、引き留められますが「退職の意思は変わらない」という強い気持ちを持つことが重要です。
退職理由は、ステップアップのための転職であると伝えましょう。現職に対する不満を述べると、「給与を上げる」「部署を変えてやりたい仕事に就かせる」など、引き留める口実を作ってしまうこともあるので、避けた方が賢明です。
また、他の社員のモチベーションにも影響がでるので、退職のうわさが流れるような言動は控えたほうが無難。あらかじめ決算期や繁忙期を避けるなど、退職しやすい時期に内定をもらえるように求職活動の流れを組むとよいでしょう。
2か月前
就業規則で退職手続きや条件を確認
有給休暇の日数と退職日の確認(できるだけ現職の都合を重視)
引継ぎスケジュールを立てる
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1か月前
退職日を明記した退職願いの提出
後任者の選定(上司と相談の上)と引継ぎ資料の作成
転職先への状況報告
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1週間~2週間前
取引先へのあいさつ、後任者の紹介
会社へ返却するものの整理(文房具、携帯電話、パソコンなど)
パソコンのデータ、郵便物の整理、経費の精算確認
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退職日
退職後の連絡先を上司や後任者に伝える
健康保険証、身分証明書、社章、通勤定期券などを返却
年金手帳、雇用保険被保険者証を受け取る(会社が保管している場合)
転職先が決まっていない場合は以下もチェック!
・ハローワークへ求職の申し込みおよび失業給付受給資格の確認
・国民年金の加入(種別変更)手続き
・任意継続被保険者制度、または国民健康保険の加入手続き
・源泉徴収票、離職票の受け取り
円滑な引き継ぎのために
退職の手続きのなかで特に重要なのが残務整理・業務の引き継ぎです。
ここをおろそかにすると、会社や後任の人に迷惑をかけるだけでなく、退職後にも引き継げていなかった業務について問い合わせを受けることもあります。こうなると、新しい職場にも迷惑をかけてしまいます。適切な業務引き継ぎ処理のポイントを押さえましょう。
【引き継ぎ事項をリスト化する】
引き継ぎ事項は文書として残すと親切です。リスト化することで後任者もやるべきことが見えやすくなります。また、退職後も業務のマニュアルとして活用できます。
●営業職の場合
・取引先企業の連絡先、担当者名
・納品数や時期、商品名などの契約内容
・これから提案できる内容のアドバイス
・担当者の性格、趣味など話題のきっかけとなるパーソナルデータ など
●技術職の場合
・製品に関する資料や機材の説明(図面・仕様書・企画書など)
・資料の保管場所
・開発等の進行状況の確認
【少なくとも1週間は後任者と一緒に仕事を】
いくら完璧な引き継ぎ資料を残しても、実際に仕事してみないとわからないことはあります。1週間程度は後任者と仕事をできるように調整しましょう。社内独自のツールを使っている場合や技術職の場合、業務フローへの慣れも必要になります。後任となる人の能力レベルや、時間的な都合も考慮して進めていかなければなりません。