転職活動、仕事を続けながら? 退職してから?
初めて転職する人にとって、最初に直面するのが「働きながら転職活動するのか、辞めてから活動するのか?」という疑問。現在の職場が嫌でしかたがないという人、早く別の職場に移りたいという人ほど、この疑問に悩むことになります。それぞれメリットとデメリットがあるので、以下を参考によく考える必要があります。
仕事を続けながら転職活動する場合
メリット
- 無収入期間がないので、経済的な心配がない。
- キャリアに空きができない。
- 無職という不安要素がないので、冷静に転職活動できる。
デメリット
- 転職に必要な時間を確保しにくい。
- 仕事があるという安心感から、転職活動が長引きやすい。
- 現職にかける仕事のモチベーションが下がりやすい。
現在の仕事を続けながら転職活動する場合、経済的な心配がないのが最大のメリットでしょう。金銭面での心配がないので、仕事探しであせることがなくなり、冷静な視点で企業選びや面接ができます。また、キャリアに空きができないため、職務経歴書にもブランクができにくいというメリットもあります。
デメリットとしては、時間の自由度が低いということが挙げられます。毎日の仕事を終えて、帰ってきたそのあとに職務経歴書の作成や面接の準備を行うことになります。また転職での面接を土日に組んでくれるところは少数。平日の夕方や夜に面接するか、あるいは有給休暇をやり繰りして時間を作ることになるので、スケジューリングはタイトになるかもしれません。
退職してから転職活動する場合
メリット
- 企業研究や面接準備に十分な時間を確保できる
- 面接のスケジュールが自由に組みやすい
- 現在の職場に遠慮することなく活動できる
デメリット
- 無収入なので金銭面での不安がある。
- キャリアに空きができる。長引くとその説明を求められる。
- 無職というあせりから、冷静な判断が難しくなる。
退職してから転職活動を行う場合、転職活動の時間を十分に確保できるというメリットがあります。企業研究する時間や面接準備の時間もたっぷりとありますし、転職相談会や転職者向けの合同説明会に参加することも容易でしょう。企業の面接時間にも合わせやすいので、面接当日も余裕をもって本番に臨むことが可能です。もちろん、退職しているので職場に気兼ねする必要もありません。
しかし退職しているということは、無収入・無職の期間が発生するということ。⼀般的に転職活動の期間は3か月~6か月が目安です。その間を貯蓄や配偶者の収入だけで暮らすわけですから、金銭的な余裕が必要です。転職が長引けば長引くだけ家計を圧迫しますし、経歴にも空白期間を作ってしまうことになります。また、そうしたことからあせりが生まれ、「もうどこでもいいから転職したい!」と不本意な会社に転職してしまう恐れもあります。
基本的には「仕事を続けながら転職活動」でOK
仕事を続けながら転職活動するか、それとも退職してから転職活動をするかは、それぞれメリット・デメリットがあります。どちらを選ぶかは個人の判断になりますが、ここでは「仕事を続けながら転職活動」するほうをおススメします。
確かに時間の自由がきかないというデメリットはあります。しかし現在はPCで簡単に職務経歴書を作成できますし、転職サイトの求人マッチングサービスや転職エージェントからのおススメを活用すれば、企業選びの手間も大きく軽減できます。また、現在ではSkypeなどウェブのネット電話を通じた面接を行う企業も増えており、面接時間も軽減される方向に動いています。
つまり時間の自由がないというデメリットは、昔と比べて小さくなっているのです。貯蓄面でよほどの余裕がない限りは、収入を得つつ転職する「仕事を続けながら転職活動」のほうが安心といえるでしょう。