ネットの求人情報を読み解くちょっとしたコツ
企業のホームページにある採用情報や求人サイトの求人情報には、社員の魅力的な写真や転職意欲を刺激するキャッチフレーズが並んでいます。企業としても、たくさんの優秀な人材に応募してもらうため、さまざまなアイデアを文章に盛り込みます。
しかしあれこれ工夫することができる分、会社の実態を覆い隠すことができるのも事実です。中にはあからさまにイメージアップを狙って応募者を“釣る”ことを狙ったブラック企業もあります。求人ページの裏にある会社の実態を推測ためにも、以下のコツを身につけましょう。
会社の紹介文から職場環境や社風を読み解く
どんなことにも良い面と悪い面があります。例えば「自分の意見を変えない人」は良く言えば首尾一貫している人、悪く言えば頑固ものです。
これと同じことは企業の求人情報にも言えます。例えば「成果主義」という言葉を魅力的に言うと「個人の頑張りが正当に評価される」ということになりますが、逆に言えば「明確な成果が上がらなければ評価されない」ということでもあります。求人情報では、以下のような言い換えに気を付けましょう。
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良く言うと… |
悪く言うと… |
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社員同士のつながりが深い |
わきあいあい、アットホーム |
付き合いの飲み会が多い、競争や緊張感のない社風 |
成果主義 |
個人個人の頑張りが正当に評価される |
明確な成果が上がらなければ評価されない |
フラットな社風 |
意見を言いやすい、上下関係がない |
自分から主張しないと置いてけぼりにされる |
当然ながら、求人情報には上記の表の「良く言うと…」の部分しか書かれていません。しかし、その言葉の背後にある「悪く言うと…」の部分まで想像力を働かせれば、社内の実態も推測できるでしょう。本当に自分が望む働き方にマッチしているのかどうか、しっかり考えることが大切です。
企業の写真から情報を読み解く
社員や社内の様子をとらえた写真からも、その会社の内情を読み解くことが可能です。
社員がわきあいあいとしている写真
よく見かける写真ですが、実はこういう写真を掲載する会社の一部にはブラック企業が存在します。会社自体の「売り」がないので、せめて社内の雰囲気を良く見せるために楽しそうな職場であることをアピールしているのです。もちろん、すべてに企業がブラック企業だというわけではないことに注意してください。
会社ロゴ・看板の入った受付の写真
受付やエントランスに会社のロゴ・看板を掲げている企業は、ビジネスと直接関係のない設備にまで予算を回せる余裕があると想像できます。つまり、ある程度ビジネスがうまく軌道に乗っていると推測できます。転職先としては魅力的でしょう。ただし、コピー用紙に印刷してあるような安っぽいロゴの場合は、この推測は当てはまりません。また、当然ながら会社の資本金なども併せて確認しましょう。
社長や部門責任者の写真
ブラック企業の社長や役員などは、ネット上で叩かれることを避けるため、あるいはうしろめたさから顔写真をネットにさらすことを極端に嫌います。この傾向は中小のブラック企業ほど顕著です。逆に、自分たちのビジネスに自信を持っている企業は、求人サイトや自社のホームページにも社長や部門責任者の写真が掲載されています。ブラック企業である可能性は少ないでしょう。
求人ページだけを過信しないこと
上記のように、ネット上の求人情報から会社の実情を推測することは可能です。しかしそれだけに頼るのではなく、できるだけ広く情報を集めたいものです。例えばキャリコネの口コミや、社員のインタビュー記事などを参考にしてもいいでしょう。一番よいのは、その企業の社員に直接話を聞いてみたり、店舗があれば店舗に出向いてみたりすることです。さまざまな情報を集め、総合的に判断しましょう。