転職面接は、これまでの経験やスキルをアピールし、新しい職場への適応力を示す重要な機会です。しかし、面接の流れやマナーに不慣れだと、緊張から本来の実力を発揮できないことがあります。

今回は、面接室での待機から面接終了後のフォローに至るまでの一連の流れを詳しく解説します。面接担当者に好印象を与えるための具体的なポイントや、逆質問のタイミングなども紹介しますので、これを参考に自信を持って面接に臨んでください。

1.面接開始前の待機

指定された面接室に案内されたら、面接担当者が到着するまで待機します。姿勢を正し、落ち着いた態度で座るように心がけましょう。緊張感は持ちつつも、深呼吸などでリラックスし、心を落ち着かせてください。

無人の面接室で待機する場合、椅子の後ろで立って待つように、というマニュアルもあるようですが、座って待って構わないでしょう。面接担当者が入室したら、すぐに立ち上がり、軽く会釈をして挨拶します。このときの表情は明るく、礼儀正しさを感じさせることが大切です。

2.挨拶・入室のタイミング

面接担当者からの挨拶に対して、「本日はお時間をいただき、ありがとうございます」とお礼を伝えます。担当者から「どうぞおかけください」と指示があれば、「失礼いたします」と一言添えてから着席します。

面接担当者が名刺を差し出した場合は、両手で丁寧に受け取り、しっかりと確認した後、名刺入れにしまいます。この際、名刺を差し出す場合は、やはり両手で行い、相手の目を見ながら丁寧に渡します。

3.アイスブレイク・自己紹介

面接担当者が場を和ませるために軽い会話を始めることがあります。これは、緊張をほぐし、自然なコミュニケーションを促すためのものですので、リラックスして会話に応じましょう。

自己紹介を求められた場合は、簡潔で要点を押さえた自己紹介を心がけます。名前、現在の職種や役職、転職の意欲など、面接担当者が知りたい情報を意識しながら話すことが重要です。

4.職務経歴の説明

面接担当者から職務経歴の詳細を尋ねられることが多いです。ここでは、過去の業務内容や成果を具体的な事例を交えて説明します。

特に、応募先企業に関連する経験やスキルに重点を置き、どのように企業に貢献できるかを明確にすることが求められます。数字や具体的な成果を含めることで、説得力を持たせることができます。

5.志望動機の確認

志望動機についての質問では、なぜこの企業を選んだのか、具体的にどのように貢献できるかを説明します。企業の事業内容やビジョンへの共感、自分のスキルや経験がどのように役立つかを強調することで、担当者にあなたの意欲を伝えることができます。

6.スキル・経験に関する質問

面接担当者は、応募者の持つスキルや専門知識が企業のニーズに合致しているかを確認します。ここでは、具体的なプロジェクトや業務での成果、使用したツールや技術についての質問が多くなります。

また、問題解決の経験やチームでの働き方についても質問されることがあるため、これまでの経験を具体例とともに説明し、どのように対応したかを明確に伝えることがポイントです。

7.企業文化や働き方の確認

応募者が企業文化や職場環境に適応できるかを確認するため、働き方やチームとのコミュニケーション方法に関する質問が行われます。

企業の特徴や価値観に合わせて、自分の働き方や行動特性が適合することをアピールしましょう。たとえば、「チームの目標達成に向けてどのような役割を担うことが期待されますか？」といった質問を通じて、自分が組織に溶け込めることを伝えます。

8.逆質問の時間

面接の最後に、応募者からの質問を求められるのが一般的です。これは、企業への関心を示し、より深い理解を得るための重要な場面です。

事前に用意しておいた具体的かつ戦略的な質問を2～3個、質問するのが理想です。会社に対する関心度合いの高さや、十分な事前調査をしたことが伝わるような質問がいいのではないでしょうか。

9.面接終了の挨拶

面接終了後、立ち上がって面接担当者に対し、「本日はお時間をいただき、ありがとうございました」とお礼を述べます。

面接担当者が見送る場合は、退出時にもう一度軽く礼をし、静かに退室します。このとき、笑顔を忘れず、明るい印象を残すよう心がけます。

10.退室後のフォロー

面接後、感謝の気持ちを伝えるメールを送信することが一般的です。面接での感謝の意を改めて示し、面接担当者に対する敬意を伝えることで、丁寧で誠実な姿勢をアピールできます。

認識のズレを埋める対話を

キャリア採用の転職面接は、企業が応募者を選ぶ場であると同時に、応募者が企業を見極めるプロセスでもあります。応募者は十分な事前調査を行い、「この会社に転職しても問題ないだろうか？」と慎重に判断する姿勢が求められます。

また、「自分ならこの会社でこう貢献できる」という具体的なイメージを持つことが、新卒面接とは異なるポイントです。もし企業との認識にズレがあると、入社後に苦労する可能性があります。入社前にこうしたギャップを埋めるための対話を重視することが重要です。