これで怖くない! 圧迫面接への3つの対策
転職時の面接でしばしば遭遇する「圧迫面接」。威圧的な質問を投げかけられ、萎縮して本来の自分を出すことができない……。こういったことから圧迫面接は嫌われがちですが、いい・悪いは別として、企業側にも圧迫面接をおこなうそれなりの意図があります。そして、しっかり対策を立てていれば、圧迫面接は決して怖いものではありません。圧迫面接の対策を考えてみましょう。
なぜ企業は圧迫面接を行うのか?
転職者の中には、「圧迫面接=ブラック企業」と判断してしまう方もいるようです。しかし、これは必ずしも正しい判断とはいえません。転職者が以下の要素を持っているかどうかを見抜くために、あえて圧迫面接をしている企業もあるのです。
- どれだけストレス耐性があるか
- 微妙な状況に左右されず正しい判断ができるか
- とっさの事態にも落ち着いて対処できるか
当たり前ですが、転職者と仲良くするのが面接官の仕事ではありません。「予期せぬクレームにも冷静に対応できるか?」、「難しいプロジェクトを途中で投げ出したりしないか?」などの要素も、事前に判断したうえで採用しなければならないのです。こうした対応力やストレス耐性を見抜くために、転職者が尻込みしてしまう質問、即答できない難しい質問を投げかけてくるのです。
逆を言えば、圧迫面接でしっかり受け答えできれば、「急なトラブルにも対応できる人物」、「困難に直面しても投げ出さない人物」として、面接官に好印象を与えることができるでしょう。
圧迫面接に備える3つの対策
ではここで、圧迫面接に備えるための対策を3つご紹介しましょう。
1. 圧迫面接を単なるテストと考える
突然の厳しい質問に「この面接官は性格が悪い」、「苦手なタイプの面接官で運が悪い」などと嘆くのではなく、単なる1つのテストだと受け止めましょう。面接官も仕事でやっているのであって、あなたのことを嫌っているわけではありません。そして、意地悪に質問されているのではなく、圧迫面接によって自分が「試されている」のだととらえてみてください。そうすることで、答えにくい質問や面接官の厳しそうな態度にも、冷静に対応しようとする自分が生まれてきます。
2. 答えられない自分を認める
圧迫面接では、「それはなぜ? どうして?」とどんどん深掘りされていくケースが少なくありません。すると、自分でも何を答えるべきかよく分からなくなり、意味の通らない返答をしてしまうでしょう。そういうときは、思い切って「わかりません」と認めてしまうのも1つの方法。「申し訳ございません、勉強不足でした。次回までに考えておきます」「そこまで深掘りできておりませんでした。入社後はその点を意識して業務に取り組んでみたいと思います」などと、素直に答えてみてください。無理やりに取りつくろった回答するより、冷静な対応として評価されるはずです。
3. 圧迫面接をチャンスにつなげるため、あえて“隙”をつくる
圧迫面接をチャンスととらえ、こちらから、相手が質問を深掘りしやすいような回答を返してみてください。例えば自分の趣味に対して読書と回答することで、「趣味が読書とは、ずいぶん平凡ですね?」と言われたとします。
ここで、「実は読書と言っても、特に◯◯に関する専門書が好きなんです。」と返してみましょう。すると今度は、「どんな分野の本なのか?」と興味を持って深掘りしてくるはず。自分の趣味に関わることですから、簡単に答えられるはずです。上手く切り返せば、圧迫面接はむしろこちらに有利な面接へと運ぶきっかけになります。
圧迫面接ではない“意地の悪い面接”
ここまでは、良い意味での圧迫面接について説明してきましたが、以下のような場合は単なる“意地の悪い面接”です。ブラック企業の可能性もあるため、選考を辞退することも視野に入れたほうが賢明かもしれません。
- 特定の性別や国籍、年齢、学歴などに対する差別的発言
- 誠意をもって回答しているのに、横柄(または無関心)な態度を続ける
- 転職者の人格や容姿など、職務に無関係なことに対する理不尽な批判
面接でしつこく質問されるということは、それだけあなたに興味を持っているということ。最初から見込まれていない人に対して、面接官は余計な時間を使いません。圧迫面接の意図をしっかり理解し、むしろアピールできる場として活用していってください。冷静に対処すれば、圧迫面接など怖いものではありません。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河賢文)