転職を考えたほうがいい要注意な「会社の変化」
将来どんなキャリアを歩み、どんな働き方を実現させたいのか……。こうした考えがきっかけとなって転職をするのは自然な流れ。しかし残念ながら、ときには会社側の変化によって、転職に踏み切らなければいけないこともあります。どんな変化が、転職すべき“要注意信号”なのでしょうか。
- 中堅社員が辞め、若手社員ばかりが増えた
- 無茶な残業を強いられることが増えた
- 直属の上司とのコミュニケーションが減った
- 経営陣が大きく入れ替わった
- コンプライアンス違反が頻発している
1. 中堅社員が辞め、若手社員ばかりが増えた
採用活動の背景にはさまざまな理由があります。しかし、もし中堅以上の社員が辞め始め、代わりに若手社員ばかり採用されるようなら、要注意と言えるでしょう。これは“質より量”の人材運用が行われているということであり、同時にヒューマンリソースの効率的な運用や、人件費への正当な投資がおこなわれていないことを意味します。無論、経験の浅い若手ばかりがあふれれば、全体的な仕事の質は落ちてしまいますし、中堅社員が「会社を見限って」辞めた可能性もあるので、要注意な兆候と言えます。
2. 無茶な残業を強いられることが増えた
いきなり無茶な残業が増えたら、それは人手不足を時間で埋めようとしている知らせでしょう。このような場合、残念ながら残業代が支払われないケースが多くあります。「少しくらいならサービス残業でもいいか……」と対応していると、いつの間にか毎日終電なんていうこともあります。もしかしたら、体力・精神面から体調を崩す人が出るかもしれません。もちろん自分に責任のある残業であれば、対応するのも問題ありません。しかし自分の役割が終わっているにも関わらず残業を強いられたり、定時直前になって仕事が振られたりするようなら、その背景にある原因を見極める必要があります。
3. 直属の上司とのコミュニケーションが減った
「上司への報告がメールだけのやり取りになった」、「直属の上司が定例のミーティングに出席しなくなった」、「直接相談しても気のない返事しか返ってこない」……。こうしたケースが増えた場合、何らかの理由で、上司自身が働く意欲を失いつつあると考えられます。もしかすると、社員が知らないコンプライアンス違反に手を染めている可能性や、経営についての良くないうわさを知ってしまった可能性もあります。もしそうだとすれば、あなた自身も転職を考えたほうがいいかもしれません。
そうでなくても、直属の上司とコミュニケーションが取れなくなれば、自分を正当に評価してもらうことも困難ですし、昇格・昇給も苦戦するでしょう。コミュニケーション不足により、余計なトラブル増加に追われることもあるので、やはり要注意であることに変わりありません。
4. 経営陣が大きく入れ替わった
会社は代表者をはじめ、株主や役員などによってその方向性が決定します。そうした決定権を持つ経営陣が大きく入れ替われば、就業環境ががらりと変わることもあるでしょう。これまでOKだったことがNOになるなど、仕事を進めるうえで困惑するシーンが増えてきます。また多くの場合、経営陣が入れ替わる背景には、業績悪化やコンプライアンス違反などのよくない背景あるものです。場合によっては、すでに会社が経営面で危ない状態に陥っている可能性もあるでしょう。
5. コンプライアンス違反が頻発している
サービス残業(残業代未払い)から食品偽装、廃棄物処理違反まで、さまざまなコンプライアンス違反が企業で起きています。もちろんこれは、改善することで防いだり、最小限にとどめたりすることができる問題です。しかしそれが無視できないほどに頻発していれば、管理体制に問題が生じている可能性があります。やがてコンプライアンス違反を背景に、業績悪化などを招きかねないでしょう。
企業はいつまでも社員を守ってくれる存在ではありません。もちろん給与を得るという構造では、労働と対価という構造は間違っていませんが、だからといってどんな状況に陥っても、会社に居続ける理由はありません。会社の変化を的確に捉えながら、ときには転職するという選択肢も視野い入れる必要があります。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河賢文)