転職活動における「企業研究」7つのステップ
転職活動において「企業研究」は欠かせないステップです。面接でのアピールや、入社後のギャップを減らすためにも、企業の特徴や文化、将来性を理解することが重要です。
しかし、どの情報をどの順番で収集すれば良いのか、迷うこともあるでしょう。今回は、転職活動における企業研究の具体的な方法を、優先順位に沿って分かりやすく解説します。これを参考にして、より確かな企業選びを目指しましょう。
1.公式サイトのチェック
まず、企業の公式サイトをチェックしましょう。企業の概要やビジョン、ミッションが掲載されており、企業の基本的な方向性が分かります。ニュースリリースやプレスリリースも併せて確認し、企業の最新の動向を把握しましょう。
また、採用サイトも重要です。「数字で見る会社の概要」や社員インタビューといったコンテンツが参考になります。また「募集要項」には、求める人物像などの重要な情報が詳しく記載されており、適合度を見極めるための判断材料になります。
2.SNS・ニュースのチェック
次に手軽なのは、企業のSNSアカウントから発信されている情報や、マスコミなどに掲載されたニュース記事です。SNSでは、企業の日常的な取り組みや広報活動が分かりやすく発信されており、企業の価値観や企業文化を把握できます。
ニュース記事では、企業の状況や業界の動向を知ることができます。ただしニュース記事は批判的な視点で書かれていることが多く、それをもって企業のすべてと判断すべきではないでしょう。とはいえ、選考中の会話のヒントや質問への対策に役立ちます。
3.決算書・投資家向けツールの活用
上場企業の場合、企業の財務状況や成長性に関するIR(投資家向け)資料を公開しています。最初はとっつきにくいかもしれませんが、複数企業の資料を見ているうちに分かるようになってきます。
特に「決算説明会資料」「事業計画及び成長可能性に関する説明資料」「中期経営計画」「統合報告書」といった資料は、個人投資家や一般の社会人にも分かりやすい形で説明されていることが多いです。
このほか、「会社四季報」や個人投資家向けの分析サイトでは、売上高や利益、株価の推移がひとめで見られるようになっており、IR資料とともにチェックすると理解が深まります。
4.業界研究と競合比較
「業界地図」などの書籍やウェブサイトで業界全体の動向を把握し、興味のある企業を競合と比較することで、ターゲット企業の強みや課題を浮き彫りにできます。
業界専門のメディアやレポートを活用し、企業が業界内でどのようなポジションにいるかを理解しましょう。特に、市場シェアや成長戦略を知ることで、転職後のキャリア形成に役立ちます。
5.転職エージェントの活用
転職エージェントの活用も有効です。エージェントは企業の採用ニーズや求める人材像を把握しており、選考対策のアドバイスも得られます。企業とのつながりが深いエージェントを選ぶことで、より詳細で信頼性の高い情報を手に入れることができます。
6.口コミサイトの活用
社員口コミサイトでは、職場環境や社内文化、昇進のスピードなど、実際に働いている人々の声を知ることができます。特に、企業の働きやすさや評価制度に関する情報が得られ、入社後のギャップを減らすのに役立ちます。ただし、意見が偏っている可能性もあるため、複数のレビューを比較し、総合的に判断することが重要です。
7.関係者へのインタビュー
最後に、実際に働いている人から直接話を聞く機会があれば理想的です。OB/OG訪問や現職者へのインタビューを通じて、企業のリアルな職場環境や業務内容を知ることができます。
知人や転職エージェントを介してコンタクトを取ることで、企業の内部事情やキャリアの進み方に関する具体的なアドバイスを得ることができます。
企業分析の重要性
転職活動において、企業分析は自己分析に勝るとも劣らない重要なプロセスです。転職先の候補がどんな企業かということを正確に把握しないと、自分に合っているかどうかも判断できないからです。
非上場企業の場合は、上場企業よりも公開情報が限られますが、売上高・利益・利益率の推移など分析の視点はほぼ同じです。上場企業のIR資料に見慣れておくことは、社会人としての基礎スキルにもなります。普段から心がけておきましょう。