今さら聞けない! 転職の企業研究ってどうやるの?
転職するなら、事前に志望先企業について調べるのは当たり前。しかし、求人情報を何度か読んだり、あるいはホームページにひと通り目を通したりするだけでは、残念ながら不十分。面接に進んでも、深みのある話しにはならないでしょう。また、調べ方が浅い人ほど、ちょっと調べれば分かることを逆質問してしまう可能性もあります。企業研究についてその重要性を改めて理解し、転職成功に繋がる活動を行いましょう。
なぜ企業研究が必要なのか
企業研究とは、その言葉の通り「企業について調べる(=研究する)こと」を表します。恋愛で相手の好みを知らないままデートに誘っても、心から喜ばせることは非常に難しいでしょう。場合によっては、食事で嫌いな食べ物をすすめしまい、失敗に繋がることもあるかもしれません。これは、転職活動でも同じことがいえます。
相手企業についてよく知らない状態では、そもそも「何をアピールすれば興味を持たれるのか」が分かりません。志望動機や自己PRが相手にとって興味深いものでなければ、選考を先へ進めることはできないでしょう。また、面接ではさまざまな質問が飛び交います。相手企業の取り組みや業界内での立ち位置、ビジネス上の差別化ポイント、将来の事業展開などを理解していないと、的確に答えられない可能性があるのです。例えば「なぜ数ある企業のうち、当社を志望したのですか?」という質問は、多くの企業で聞かれる鉄板ともいえる内容。しかしその企業の本質を理解していなければ、他社と比較したうえでの特徴を述べることすら困難です。すると採用担当者は「別にうちの会社じゃなくてもいいのでは」と不審に感じます。
もし採用を得られても、入社後に苦労するかもしれません。組織体制や事業展開、あるいは売上を含めた根幹的情報について、入社後にイメージとの差を感じ、早期退職してしまう例は少なくないのです。こうした事態を防ぐためにも、相手企業を深く理解しておくことは非常に大切なことといえます。
おすすめの企業研究方法
それでは実際に、どのように企業研究を行えば良いのか。その方法について、ここで3つご紹介しておきましょう。
1. 会社四季報
業界全体を俯瞰しながら、その動向や各企業のシェア、あるいは事業展開や現状・将来性といった情報について広く調べられます。売上や利益率など企業の業績に関わる数値も豊富に載っているので、比較・検討に役立ちます。また、求める人材や新卒入社3年後離職率、平均年収などの情報を網羅した「就職四季報」というバージョンもありますので、そちらもおすすめです。
2. 業界で働く人からの生の声
同じ志望企業ではなくとも、同業界や関連業界で働く人からの生の声からは、転職活動に役立つ情報を得られます。「自分が死亡する企業は、業界内でどのような位置づけなのか」「志望企業がこういうビジネスをしているが、同業界の人間から見てどう思うか」などを質問すると、リアルな情報が得られます。また、転職後に働く自分をイメージする素材にもなるでしょう。
3. インターネットのクチコミ
キャリコネをはじめ、インターネットには企業のクチコミ情報サイトがいくつかあります。実際にその会社で働いている人や元社員からの投稿が閲覧できるので、非常に参考になるはずです。特に年収情報や働きやすさの点で、比較・検討の材料にしやすいでしょう。近年はサイト運営側のフィルタリングによって高まっており、企業の情報源として貴重な価値を持つでしょう。
その他、新聞や雑誌などは随時チェックしておきましょう。業界あるいは志望企業に関するニュースが取り上げられていれば、しっかり読み込み、それに対する自分なりの意見を考えておくと、面接でも1つの話題として活かせるかもしれません。転職活動において情報は“武器”です。他志望者と差別化する意味でも、綿密な企業研究をおこないましょう。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河賢文)