転職回数が多くても採用される人の3つの特長
「転職回数が多いと、転職に不利」というのはよく聞きます。しかしその一方で、何度も転職を繰り返しているにも関わらず、順調にキャリアアップを遂げている人がいるのも事実。その違いは、いったいどこにあるのでしょうか。転職回数が不利とされる背景を踏まえつつ、それでもキャリアアップを果たすために重要なポイントを解説していきましょう。
なぜ転職回数が不利に働くのか
かつては1つの企業で務め上げることが通常でしたが、終身雇用の崩壊などを背景に、転職は一般的なものとなりました。しかしそれでも、転職回数が多いと、採用企業からは懸念を抱かれがちです。
転職回数が多いと、面接官には「また、すぐに辞めてしまうのでは」という考えが頭をよぎります。特に、前職の勤続年数が少なければなおさらです。入社後は少なからず教育等に時間・費用がかかりますし、せっかく戦力化しても、すぐに退職されたのでは採用効果が得られません。また、退職された穴埋めをするためにも、さらなる人材採用の手間がかかります。そのため、「転職を繰り返す“ジョブ・ホッパー”は避けたい」「できるだけ長く働いてもらいたい」というのが企業側の本音なのです。
転職回数が多くてもキャリアアップできる人はココが違う!
その一方、転職回数が多くてもしっかりキャリアアップしている人もいます。そうした人には、どのような以下のような3つの特長があります。
1.これまでの転職にストーリーがある
転職するたびに職種が変わっていたり、多業界を点々としていたりと、一貫性のない経歴を歩んでいる人には、誰でも「この人は何がしたいんだ?」と感じるでしょう。面接官には「飽きやすい」「やりたいことがない」などという印象を与えてしまうはずです。逆に、転職を繰り返していても、そのキャリアにストーリーが存在していれば、納得感があります。つまり、「なぜその業界・職種に転職したのか」という理由と「その目標に向けた具体的行動があるかどうか」が重要なのです。何がしたくて、そのために何に取り組んで、結果なぜその転職を決めたのか。こうしたストーリーが繋がれば、多少転職回数が多くても「自分の目標達成のために必要な選択」として認めてもらえるでしょう。
2. 退職理由を自らの言葉で具体的に説明できる
「社風が合わない」「入社前のイメージと違った」など、退職理由はさまざまです。転職回数が多くても不利にならない人は、この退職理由を自分の言葉で、具体的に伝えることができます。例えば、単に「社風が合わない」ではなく、「何がどのように、なぜ自分とは合わなかったか。なぜミスマッチが起きたか」までを伝えられるのです。
自分の言葉で退職理由を伝えれば、面接官はその人が自社に入社して続けられるかどうかを検討できます。「そういう退職理由であれば、うちの会社ではちゃんと続けられるだろう」と判断してもらえる可能性も生まれます。逆に、不明瞭な退職理由を伝えると、「よくわからない理由で辞められそうだし、採用は見送ろう」と思われてしまいます。
3. 過去の経験・スキルを活かすイメージが明確
たとえ短い期間でも、仕事を通じて得たものは必ずあるでしょう。転職時には、そうした自分だけの経験・スキルが大きな武器となります。転職回数が多いということは、それだけ多くのフィールドで経験を積んできたということ。その経験・スキルをどう活かすのか、明確にイメージでき、それを説明できていれば、むしろ転職回数をプラスの要素として受け取ってもらうこともできます。
このためには自己分析を行い、企業分析に沿って「何をどこで活かせるか」を考えることが重要です。中には「自分にはたいした経験やスキルがない」とネガティブに捉えてしまう人もいるでしょう。そんなときは、まず昔の自分と今の自分とを比べ、過去になかったものを探してみるのがオススメです。
キャリアアップにおいて、転職は1つの有効な手段です。だからこそ転職活動では、転職回数に対するネガティブイメージを払拭する必要があります。過去の経歴ひとつひとつを自らの武器として、目指すキャリアビジョンを実現させてください。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河賢文)