転職準備の第一歩 退職時に受け取る書類と返却物リスト
転職活動を進める中で、最終的に避けて通れないのが「退職手続き」です。スムーズに転職を実現するためには、退職時に受け取るべき書類や返却すべき物品の把握が重要です。
これらの手続きを怠ると、新しい職場での手続きに支障が出たり、必要な権利を失う可能性もあります。今回は、重要度や緊急度の高い順に、退職する際に受け取るべきもの・提出するべきものをリストアップして解説します。
退職時に会社から受け取るべきもの
退職時に会社から受け取るものは以下の通りです。
1.雇用保険被保険者証
雇用保険被保険者証は、新しい職場での雇用保険加入手続きに必要な書類です。退職時に必ず受け取り、転職先に速やかに提出することで、新しい職場での雇用保険加入がスムーズになります。特に、入社直後に求められる可能性が高いため、最優先で受け取るようにしましょう。
2.源泉徴収票
源泉徴収票は、1月1日から退職日までの収入や源泉徴収額が記載された書類です。転職先での年末調整や確定申告に必要となるため、必ず受け取りましょう。通常、退職後1~2か月以内に郵送されることが一般的ですが、早めに手に入れておくと安心です。
3.年金手帳
新しい職場での年金加入手続きに必要な書類です。多くの場合、会社に預けているため、退職時に必ず受け取るようにしましょう。新たな職場に提出し、厚生年金への再加入手続きを行います。
4.健康保険資格喪失証明書
退職後の健康保険の切替手続きに必要な書類です。新しい職場での健康保険加入や国民健康保険への加入手続きに使用します。退職後の健康保険証が使えなくなるため、次の手続きをスムーズに進めるために早めの取得が望ましいです。
5.離職票(失業手当を受け取る場合)
失業手当を受け取る場合に必要な書類です。転職がすぐに決まらず、失業手当を申請する予定がある場合にのみ必要です。通常、退職後に郵送で受け取りますが、早めの発行依頼も可能です。
6.退職証明書(希望する場合)
退職証明書は、退職理由や在職期間が記載された書類で、新しい職場で求められることがある場合にのみ取得します。必要に応じて、退職日までに発行依頼を行っておきましょう。
退職時に会社に提出すべきもの
退職時に会社に提出すべきものは以下の通りです。
1.退職届/退職願
退職届または退職願は、退職の意思を正式に伝えるための書類です。会社の就業規則に従い、適切な形式とタイミングで提出してください。提出方法や期限については、上司や人事部に確認することが重要です。
2.健康保険証
健康保険証は、退職日までに会社に返却します。退職後は無効となるため、速やかに返却し、新しい健康保険への加入手続きを進めましょう。
3.社員証、IDカード、業務用端末等
社員証やIDカード、業務用PC・スマートフォン等は、セキュリティや個人情報保護の観点から必ず返却が必要です。これらの物品は会社の機密情報にアクセスするためのツールであり、持ち出しは厳禁です。
4.名刺
名刺の取り扱いについては、会社の就業規則や情報管理規定に定めがある場合があるので、確認し従ってください。会社が支給した名刺は会社の資産ですので、退職時には未使用分をすべて返却してください。
顧客や取引先から受け取った名刺も、業務上得た情報として会社の資産と見なされます。個人情報保護や競業避止義務の観点から、持ち出しや私的利用は禁じられています。次の担当者への引き継ぎ資料としても重要なため、必ず会社に返却してください。
5.業務資料やマニュアル
業務資料やマニュアルは、会社の知的財産であり、機密情報を含む場合が多いです。紙媒体だけでなく、電子データも含めて、個人のデバイスやクラウドストレージに残さないよう注意し、すべて会社に返却または削除してください。
6.事務用品や書籍
会社の経費で購入された事務用品や書籍は、貸与品として扱われます。特に高価な備品や専門書は、次の担当者が使用する可能性があるため、忘れずに返却してください。消耗品については会社の方針によりますが、可能な限り返却することが望ましいです。
立つ鳥跡を濁さず
退職時に会社から受け取るべきものについては、人事担当者との打ち合わせの際に、上記でリストアップしたものがすべて含まれているか確認しましょう。
各書類が何日までに、どんな手段で受け取れるのかも確認しておくと、転職先に尋ねられたときの対応がスムーズになります。
受け取りのスケジュールを聞いて、もっと早くして欲しいときにはその旨を伝えておくべきです。書類が届いたらすぐ内容を確認し、間違いがあれば修正を依頼することも重要なことです。
また、退職時に会社に提出すべきものをすべてきれいにしておくことは、会社との円満な関係を維持するためにも欠かせません。「立つ鳥跡を濁さず」を心がけましょう。