退職時に会社から受け取るもの・提出するもの
転職に際して、どうしても避けられないのが退職手続き。必要となる書類は思いのほか多く、初めての転職ならば「何が必要なのか?」と慌ててしまうかもしれません。正社員が退職する際、会社へ提出するもの、逆に会社から受け取るものについて、事前に把握しておきましょう。
会社から受け取るもの
・雇用保険被保険者証
転職先で雇用保険の加入手続きを行う際に必要な書類です。忘れずに受け取り、転職先へは入社後すぐに提出しましょう。
・離職票
失業給付を受給する場合には、手続き時にハローワークへ離職票の提出が必要です。もし転職先が決まっていない場合には、忘れずに手配してください。なお、離職票は退職時ではなく、退職後10日前後までに退職先から渡されます。
・源泉徴収票
退職後、例えば転職先が決まっていなかったり、独立したりする場合には、その年度末に確定申告を行うこととなります。その際には源泉徴収票が必要です。退職後すぐに転職先へ入社する場合には、転職先が年末調整をおこないますので、確定申告は不要です。源泉徴収票は、そのまま転職先へ提出してください。
その他、年金手帳が手元にない場合には、会社側が保管している可能性があるため受け取るようにしましょう。また、厚生年金基金へ加入していた際には「厚生年金基金加入員証」も渡されます。これは、基金へ年金を請求する際に必要となる書類です。退職後に国民健康保険へ加入する場合には、「健康保険被保険者資格喪失証明書」も受け取るようにしましょう。さらに、もし退職後に家族の扶養へ入る場合には、その手続きに「退職証明書」が求められます。自分が退職後にどのような道へ進むのか、あらかじめ整理したうえで必要な手続きをおこなってください。
会社へ渡すもの
・健康保険証
会社で加入している健康保険は外れることとなりますので、手元の健康保険証は返還します。退職して転職先が決まっていない場合は、国民健康保険へ加入することになります。ただし健康保険には、退職しても最長2年まで前職での保険に加入できる「任意継続」という制度があります。こちらを利用する場合には、返還前に保険証のコピーを手元に保管しておきましょう。
・名刺、社員証
名刺や社員証など、会社から提供されていた身分証類を返還します。なお、取引先からもらった名刺なども持ち帰ってはいけません。業務を通じて得たものですので、基本的には上司などに一式を渡すようにしましょう。
・貸与された携帯電話、パソコン、スマートフォン
パソコンや携帯電話、スマートフォンなどを会社から貸与されているケースは多いでしょう。これらは、忘れずに返すようにしてください。また、自宅に充電器を保管している人は、当然ながらそれらも返却します。場合によっては、退職後の引き継ぎ相手にそのまま使用させることもありますので、迷惑をかけないよう速やかに返却しましょう。
その他、事務用品や制服などを貸与されていれば、これらも退職時にすべて返しましょう。制服などは、クリーニングして綺麗な状態で渡すのがマナーです。また、自分の使用していたデスクやロッカーなども掃除し、“飛ぶ鳥跡を濁さず”で気持よく退職してください。細かな部分は会社によって異なるケースもありますので、事前に人事部や上司などへ確認しておくと安心です。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河賢文)