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    会社を辞めない「社内転職」のメリットと留意点

    2024年11月19日 転職の基本  -  はじめての転職

    キャリアの選択肢として、社外への「転職」が注目されがちですが、「社内転職」もキャリアを広げる手段として見逃せません。会社を辞めずに異なる部署や職務に挑戦できるため、リスクが低く、安定した環境での新たな経験を積むことができます。

     

    一方で「社内転職」には、外部転職とは異なるメリットと留意点があります。今回は、社内転職の主なパターンとその利点・注意点、さらに社外転職との比較を通して、社内でのキャリアチェンジを考えるための指針を提供します。

    社内転職のパターン

    いわゆる「社内転職」には、主に以下の3つのパターンが考えられます。いずれも会社が本人の希望を配属に反映してくれるかどうかがひとつのハードルになりますが、希望が通らない場合には社外転職を考えるきっかけになるでしょう。

    1.異動

    異動は、部署や職種の変更を伴うパターンです。本人の希望または会社の判断で行われ、キャリアチェンジやスキル習得を目指すことが多いです。

     

    メリットとしては、新しい部署や職務に就くことで、これまでの業務では得られなかった幅広いスキルを習得できる点が挙げられます。また、社外転職とは異なり、給与や待遇、企業文化が大きく変わらないため、安定した環境で新しい挑戦が可能です。さらに、同じ会社内で異なる部署の人と新たな人脈を築くことができ、今後のキャリア形成にも役立ちます。

     

    留意点としては、新しい環境に適応するためには、新しい業務知識やスキルを迅速に習得する必要があります。また、短期間での昇進や給与の大幅な向上は期待しにくく、現状維持に近い状態が続く可能性もあるため、昇進や報酬を強く望む場合は不満を感じるかもしれません。

    2.兼務

    兼務は、現在の職務に加えて、新しい業務を並行して担当する形です。特に、新しいプロジェクトに参加したり、他部署との連携を深める際によく見られます。

     

    メリットは、一つの職務にとどまらず、複数の職務を経験することで、キャリアの幅を広げることができる点です。このような幅広い経験は、将来的な昇進や転職にも有利に働くでしょう。また、新しい役割で成果を出すことで、上司や同僚からの評価が高まり、キャリアアップのチャンスが増えることも期待できます。

     

    留意点は、業務量が増加することから、労働時間の延長やストレスの増大が予想される点です。また、どの業務が優先されるべきかの判断や、複数の職務を担当する際の評価基準が曖昧になり、不満やプレッシャーを感じる場合もあるでしょう。

    3.プロジェクトベースの異動

    期間限定で特定のプロジェクトに参加し、終了後に元の部署に戻るプロジェクトベースの異動も、社内転職の一形態です。特に大規模なプロジェクトや新規事業の立ち上げなど、期間を区切って行われる業務に適しています。

     

    メリットとしては、他の異動や兼務に比べ、プロジェクトが終了すれば元の部署に戻れるため、リスクが低く、新しい挑戦をしやすい点が挙げられます。短期間に集中して新しいスキルや経験を獲得でき、効率的に成長できることも大きな利点です。

     

    留意点は、プロジェクトの成功に大きく左右される点です。プロジェクトが失敗した場合、その影響は評価に悪影響を与えることもあり、場合によってはキャリアにマイナスの影響を及ぼすリスクがあります。

    社外転職と社内転職の比較

    社内転職には上記のようなメリットがありますが、社外転職でなければ得られない利点もあります。社内転職を選ぶということは、そのようなメリットを得るチャンスを逸する可能性があると考えるべきでしょう。

    1.評価と昇進の機会

    社外転職では、大幅な昇進や給与アップのチャンスが期待できます。特に、これまでの実績やスキルが新しい職場で高く評価されることで、キャリアを大きく飛躍させることが可能です。ただし、新しい環境では信頼関係を築くのに時間がかかるため、最初の数年間は評価が安定しないリスクもあります。

     

    社内転職は、すでに評価されている社内での異動となるため、信頼関係を基に早期に評価を得やすいものの、社内転職では昇進や給与の大幅な変化は期待しにくく、外部転職と比較すると昇進面でのインパクトは限定的です。

    2.スキルと経験の習得

    社外転職は、新しい環境で異なるスキルセットや新しい業務知識を得るチャンスが豊富です。特に、異業種に挑戦する場合には、これまでにない視点や技術を学び、市場価値を高めることができます。ただし、適応に時間がかかることも多く、短期間で成果を出すのは難しい場合もあります。

     

    一方で、社内転職では、すでに慣れ親しんだ環境の中で新しい職務に挑戦できるため、スムーズに経験を積むことが可能です。また、既存のスキルや知識を活かして成長できるため、過度なプレッシャーを感じにくいという利点があります。とはいえ、外部の新しい視点が不足するため、成長速度が外部転職ほど速くない場合もあります。

    3.人的ネットワークの拡大

    社外転職では、新しい職場や業界での人脈を築くチャンスが多く、外部から新しい情報やチャンスを得られる点が大きなメリットです。しかし、新しい人間関係を構築するには時間がかかり、前職で築いたネットワークとの関係が弱まるリスクもあります。

     

    社内転職の場合、既存の社内ネットワークを活かしながら、新しい部署やプロジェクトで人脈を広げることができます。同じ会社内での信頼関係があるため、新しい人間関係をスムーズに築ける一方で、社内に閉じたネットワークに偏りすぎると、外部の視点を得にくくなるリスクがあります。

    得られるもののバランスを考えて

    社内転職は、安定した環境でキャリアの幅を広げる手段として有効です。異動や兼務、プロジェクトベースの異動を通じて、新たなスキルを得ながら評価を高め、キャリアアップを目指すことができます。

     

    しかし、社外転職の方が昇進や給与アップのチャンスが大きいことや、外部から新しい視点やネットワークを得やすい点を踏まえると、自分のキャリアプランに応じてどちらを選ぶかを慎重に検討することが重要です。

     

    社内転職を通じて得られるものと、社外転職で得られる可能性があるもののバランスを考え、最適な選択をしましょう。

     

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