「焦り」に負けない転職の心構え
転職活動を進めているうちに、「思うような結果が出ない」「面接でうまくアピールできない」といったことから“焦り”を感じてしまうことがあるかもしれません。知人などが転職を成功させている姿を見れば、その焦りはより強いものとなるでしょう。しかし焦りに任せて転職活動を進めてしまうと、いざ転職した後になって後悔する結果になりかねません。いったい、それはなぜなのか。また、焦りに負けないためにはどうすれば良いのか、そのヒントをお伝えしましょう。
焦りが与えるマイナス効果
焦りとは気持ちの変化にほかなりません。しかしこの心理状態は、転職活動に良くない影響を与えます。具体的に2つの要素を解説します。
1.“手当たり次第”になってしまう
選考が進まないと、確度を上げるため応募数をとにかく増やしてしまう人が少なくありません。つまり「数打てば当たる」という状態。これはむしろ逆効果。本来、志望していない企業へのエントリーや面接に多くの時間が割かれ、本当に転職したい企業の面接対策や現在の仕事、プライベートに割く時間が持てなくなってしまうでしょう。また、あれもこれもとエントリーすると、志望動機も場当たり的なものになり、結局、目立った成果も得られないという状態に陥りかねません。
2. 転職先の決定に妥協が生じてしまう
焦った状態では「とにかく内定がほしい」「とにかく転職活動を終えたい」という思いが専攻し、転職先を妥協して決めてしまうケースが多く見られます。志望度がそこまで高くない、あるいは何かしら疑問・不安のある状態でも、「もうここでいいや」と決めてしまうのです。しかしそのように妥協した点は、すぐに不満となって返ってくるでしょう。せっかく転職したのに「どうしてこんな会社に入ってしまったのか」と後悔したり、再び転職する羽目になったり……。これでは、何のために転職したのかわからなくなってしまうでしょう。
焦りに負けないための心構え
では転職時の焦りに負けないためには、どうすればいいのでしょうか。焦る背景や心理状態は人それぞれ異なりますが、以下のような方法は焦りを抑えてくれるはずです。
・転職先が決まってから会社を辞める
「転職しよう」と決断したとたん、まだ転職先が決まっていないのに会社を辞めてしまう人がいます。これは、あまりおススメできません。確かに、自由時間ができる分、フットワーク軽く活動することはできるでしょう。しかし転職活動が長引くとブランク期間からくるキャリアの喪失や、金銭面での苦労に直面する可能性があります。そうなれば「早く転職先を見つけなければ」と焦るシーンが増えてしまいます。転職活動は、仕事をしながら進めましょう。
・行き詰まったら立ち止まってみる
上手くいかないときは、いったん立ち止まってみるのも1つの方法です。転職活動をストップしてみましょう。これまでの選考書類の書き方や面接結果を振り返り、なぜうまくいかなかったのかを客観的に分析してみてください。もしかすると、現時点でのキャリアに見合わない企業への転職を高望みしていたかもしれません。あるいは今の会社への不満を面接で愚痴っていたのかもしれません。こうした改善点を見極めたうえで、改めて自己分析や企業選びしてみましょう。気持ちも落ち着き、再び転職活動を進められるはずです。
・不採用をプラスにとらえる
選考で不採用が続くと、誰しも落ち込むものです。「なんで自分が採用されないんだ!」とネガティブな気持ちになることも多くあるでしょう。しかし企業側は、自社にマッチした人材を獲得するために採用をおこなっています。その企業に合わないのに採用されていたら、結局は仕事もうまくいかず、いずれ不満を抱え込むことになるでしょう。「ダメだった」ではなく「ここには合わないことがわかった」とプラスにとらえ、気持ちを切り替えて別の企業の選考にいどみましょう。
転職活動が上手くいかなければ、誰でも焦るのは同じことです。しかしその焦りをコントロールできれば、転職活動の結果も満足いくものになるでしょう。自分を信じ、時に立ち止まりながらも、納得のいく転職先を見つけてください。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河賢文)