履歴書の「志望動機」の書き方のポイント
現在、さまざまな業界で人手不足が続いており、転職の「売り手市場」となっています。積極的に中途採用活動をおこなう企業も多く、転職のチャンスと考える人もいることでしょう。しかしそれでも、企業からしてみれば「なんとなく興味を持って」「良くわからないけど面白そうだから」といった志望動機の人を採用したいとは思いません。
履歴書や職務経歴書に記載する志望動機は、その人の意欲や興味の度合いなどを見極める大切な素材。初めて転職する人やこれまでキャリアについて深く考えていなかった人だと、志望動機の書き方のコツが掴めず、上手く活動が進められないケースも少なくありません。以下に紹介するポイントを抑え、志望動機の書き方を見直してみてください。
まずは企業研究を綿密におこなう
志望動機には、「なぜその企業に入社したいと思ったのか」を書くこととなります。そのためには、前提として志望企業についての深い理解が必要です。例えば「飲食サービスに関わりたい」と書いた場合、受け取った企業からすれば「うちじゃなくても、他の飲食サービスの企業はいくらでもある」と感じるでしょう。
そう思われないためには、「この会社だからこそ入社したい」と言える理由を書くことが求められます。具体的にはサービスの特色や社風、業界での立ち位置など、さまざまなものが挙げられます。「同じハンバーガーチェーンの会社ではありますが、その中でも御社は国産素材にこだわった高品質と安全を売りにしています。そこに非常に共感しました」といった内容で書くとよいでしょう。
このような志望動機を書くためには、志望企業への徹底的な理解が必要不可欠。企業への理解が不足していれば、どの会社にでも当てはまりそうな、ありきたりな志望動機しか書けません。逆に、企業研究をしっかり行っていると感じれもらえれば、好印象にも繋がるでしょう。それだけ自社に興味を持ち、時間を掛けて調べていると受け止められるのです。
活かせるスキル・経験を明確に記す
即戦力の人材を求める企業を志望する場合、「入社後にどのような活躍できるのか」を伝えなければなりません。志望動機を通じ、自身がこれまで経験してきたもの、あるいは身につけたスキルを伝えることが大切です。
ただ「○○が得意」「××に携わってきた」では、志望動機ではなく自己PRになってしまうでしょう。志望動機ではこれらのスキル・経験を踏まえながら、「それが転職後にどう活かせるのか」を具体的に記すことが求められます。「営業職で身につけた高いコミュニケーション能力と現場感覚は、経営企画職として新たなビジネス創出に役立てられると考えております」といった具合です。このような志望動機によって、相手には入社後の活躍をイメージしてもらうことができるはずです。
ネガティブな内容は避ける
転職する方の多くは、前職に対して何らかの不満を抱えています。給与待遇や仕事内容、あるいは残業・休日出勤など、その内容は人それぞれでしょう。これは仕方のないことですが、志望動機でダイレクトに伝えることは避けるべきです。
例えば「残業の少ない環境で働きたいから」「もっと納得できる年収を得たいから」など。これは単純に環境への甘えなどと受け止められてしまいます。給与待遇なら「企業の発展に尽力し、その働きや成果を正当に評価してもらえる環境に身を置きたい」など、ポジティブな内容で書くように心がけてください。
企業についてしっかり調べていない志望動機、強い意志のない志望動機は、すぐに見抜かれてしまいます。相手からどう読まれるかを意識しながら、明確かつ具体的な志望動機を組み立てましょう。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河賢文)