成果が見えにくい仕事でも大丈夫!転職を成功させるポイントとは?
転職時にはこれまでの実績や成果を基に自分の価値を伝えることが一般的ですが、職種や業務内容によっては、具体的な成果を示しにくい場合もあります。
そこで今回は、成果をアピールしにくい職種ごとの特徴と、その際にどのように自分をアピールすればよいかを具体的な方法とともに紹介します。また、成果をアピールできない場合に重視すべき「ポテンシャル」の見せ方についても解説します。
成果をアピールしにくい仕事とは?
まずは、成果をアピールしにくい仕事にはどのような職種や業務があるのかを整理し、カテゴリー別に紹介します。
1.定性的評価が中心の業務
定量的な成果が求められる職種に対し、以下のような職種は主に定性的評価が中心となり、客観的に成果を示すのが難しいケースです。
- ・秘書業務・アシスタント業務
- ・カスタマーサポート
- ・接客・販売
これらの職種は、処理件数などをカウントすることは可能ですが、それを成果の中心としてアピールすることにそぐわない仕事です。上司や顧客からの評価が「成果」となることが多く、エピソードを通じて成果を示すことが必要です。
2.組織貢献が中心の業務
チーム全体の成果に埋もれやすい職種や、組織全体をサポートする業務では、個々の成果が目立ちにくくなります。
- ・総務・人事
- ・広報・PR
- ・プロジェクトサポート
これらの仕事も数値化してアピールできる部分はすべきですが、個人の貢献を強調しにくいことが多く、チーム全体での成果に自分がどのように貢献したかを示す工夫も求められます。
3.バックオフィス業務
業務の性質上、外部からは見えにくく、自己アピールが難しいバックオフィス業務も成果を伝えにくい職種です。
- ・経理・財務
- ・法務
- ・社内インフラ構築・管理(社内SE)
会社の運営を支える重要な業務で、トラブル対応など数値化の工夫も必要ですが、「問題が発生しないこと」が成果である場合も多く、具体的な事例や改善活動を通じて自分の成果を伝える必要があります。
4.人や社会に貢献する業務
人や社会に貢献する仕事は、成果が抽象的になりがちです。
- ・介護・福祉
- ・教育・研修
社会的価値が高くとも、転職時に成果を具体的に説明するのが難しいため、自己成長や学んだ知識・スキルを中心にアピールしましょう。
5.プロジェクトベースの業務
プロジェクトベースで成果を出す業務では、プロジェクト全体の成功が個々の貢献度を見えにくくしてしまいます。
- ・プロジェクトマネージャー
- ・システム開発のサポート担当
- ・複数プロジェクトを跨る調整役
マネージャーの場合、組織全体の成果をそのまま自分の成果にできる場合もありますが、それによって自分の能力を過大にアピールしているという印象を与える場合もあります。実態に沿って、個々のタスクでどのような貢献をしたかを伝える工夫も必要です。
成果が見えにくい仕事のアピール方法
成果を伝えづらい職種でも、工夫次第で自己アピールを効果的に行うことができます。
1.定性的評価が中心の業務
- ・主観的評価を客観的なエピソードで補強する
例:「クレーム対応を迅速に行い、顧客満足度を向上させる工夫をしてきました。特に特定のクレーム対応の実績が多く、上司から『◯◯対応のプロ』と呼ばれていました。」
- ・顧客や上司のフィードバックを引用する
例:「お客様の意向を深く理解し、要望に応じた対応を心がけています。お客様から『次回もぜひ対応してほしい』というお言葉をいただいた経験が何度かあります。」
2.チーム・組織貢献が中心の業務
- ・チーム内での役割やリーダーシップを強調する
例:「プロジェクトの進行管理を担当しました。進捗管理ツールを使いこなすことができ、メンバー全体の進捗を可視化していました。」
- ・他部署や外部との調整力をアピールする
例:「営業部門と開発部門の間で要件のすり合わせを行いながら、プロジェクトをスムーズに進めていました。」
3.バックオフィス業務
- ・内部改善や効率化の成果を数字で示す
例:「業務フローの見直しを行い、デジタルツールの活用によって、年間〇〇時間の工数削減に成功しました。」
- ・トラブル未然防止の取り組みをアピールする
例:「セキュリティ対策を強化し、過去3年間で情報漏洩インシデントはゼロを維持しています。」
4.人や社会に貢献する業務のアピール方法
- ・具体的なエピソードや社会的インパクトを説明する
例:「認知症の入居者向けのレクリエーションプログラムを導入し、参加者の笑顔が増え、ご家族からも感謝の声をいただきました。」
- ・社会貢献度や他者からの評価を紹介する
例:「社会貢献活動の際、地域住民との信頼関係を築き、活動を通じて参加者数が倍増しました。」
「ポテンシャル」の見せ方
成果をアピールできない場合は、ポテンシャル(潜在性)をアピールすることが重要です。将来の成果創出の可能性を感じさせるスキルや意欲をアピールしましょう。
1.成長意欲と学習姿勢
- ・自己成長のための努力を示す
例:「前職では業務に関連する資格を自主的に取得し、知識を深めることで仕事の幅を広げました。」
- ・柔軟性や適応力をアピールする
例:「未経験の分野にも積極的に挑戦し、短期間で知識を吸収して業務を遂行しました。」
2.問題解決能力と論理的思考力
- ・問題解決のプロセスを具体的に説明する
例:「プロジェクトで発生した課題を整理し、原因を特定した上で解決策を提案し、チーム全体で実行することで問題を解決しました。」
3.対人関係スキルと協調性
- ・チームワークや協調性を具体的なエピソードで示す
例:「意見が対立していたプロジェクトにおいて、双方の立場を理解し、折衷案を提案することで全員が納得する解決策を見つけました。」
4.自己管理能力と責任感
- ・自己管理の取り組みや工夫を伝える
例:「自己管理を徹底し、納期を厳守するだけでなく、タスクの優先順位を見直して効率的に業務を進めるよう心掛けています。」
「エピソード」をうまく使おう
数値や目標達成率といった定量的な成果を上げにくい仕事や、チーム全体での成果に埋もれてしまいやすい業務では、転職時に自己アピールが難しく感じることも多いでしょう。その場合には「エピソード」をうまく使うことが効果的です。
その際、主観的な感想だけでなく、第三者からの声やフィードバックがあったことを添えると客観性が増します。これはポテンシャルをアピールする際にも同様です。
成果をアピールしにくい職種だからといって、効果的に自分の強みやポテンシャルをアピールできる方法がないと諦めるのは早計です。転職活動の際には、これらのポイントを踏まえて、自信を持って自分をアピールしていきましょう。