「実績がない!」という人の転職アピール
転職といえば、即戦力となる人材を採用する企業が多いでしょう。当然ながら、過去の実績については1つの判断基準となります。しかし、社会人経験の短い第二新卒、あるいはフリーター等から転職を目指す方の中には、「応募書類や面接でアピールできる実績・スキルがない」という悩みを抱える人もいます。しかし視点を変えれば、誰しも何かしらアピールできるものがあるはずです。
企業の求める“実績”とは
採用選考における「実績」という言葉を聞いて、どのようなことをイメージするでしょうか。多くの人は、達成した売上金額や成功させたプロジェクトなど、華々しいものを思い浮かべることでしょう。難関資格への合格なども、その中に含まれるかもしれません。
確かにそれらは実績であり、転職時には企業にアピールできる武器となります。しかし誰もがそうした華々しい実績を得られるものではなく、それは企業側も理解しています。採用企業にとって、実績はあくまで判断基準の1つに過ぎず、それが採否を決定するものではありません。例えば大きな売上実績を持つ営業パーソンでも、扱う商品が変われば、同じだけの力を発揮できるとは限りません。また、人間性に難があれば、その人の実力は欲しくても「一緒に働きたい」とは思えないはずです。
逆に目に見えるような実績がなくても、その人に将来性が感じられれば採用の可能性は大きくなります。重要なのは「この人を採用したい」「この人と働きたい」あるいは「この人は活躍してくれそうだ」という印象を持ってもらうこと。そのために、アピールできることは山程あるはずです。
実績がなくても好印象を得るアピールポイント
では実際に、どのような点をアピールすれば良いのか。特に意識したいのが「ヒューマンスキル」です。ここで、具体的なポイントを3つ取り上げておきましょう。
1. コミュニケーション能力
会社は多くの人で成り立っています。業務1つ1つは個人で行うようでも、仕事を進めるうえでは他者・他部との協力が必要ですし、社外の人々と関わることもあるでしょう。そうした際に発揮されるのがコミュニケーション能力です。適切な言動を選び、周囲と協調して前向きに業務を進められる人、相手の立場になって物事を考えられる人は、どのような企業でも貴重なものです。面接などでは、「●●の業務の際には、上司へのほうれんそうを欠かさずに周囲と連携しながら仕事を進めていました」などとアピールしましょう。
2. 謙虚な姿勢
謙虚な姿勢を持った人、教わる姿勢を持った人には、たとえ現時点で大きな実績がなくても、「仕事を教えよう」「育ててあげよう」という気持ちになるもの。また、謙虚に何でも取り組めば、新しい職場でも知識・スキルをどんどん吸収し、やがて成長へと繋がっていくでしょう。謙虚さに自信がある人は、面接な職務経歴書でも、「先輩社員の指示をしっかりと把握したうえで、正確に業務を遂行するように心がけていました」「わからないことがあれば、自分なりの考えも添えたうえで、上司の指示を仰ぐようにしていました」などと説明しましょう。
3. 仕事へのやる気
採用選考では、ほとんどの企業で志望動機を聞かれます。どれだけ実績のある人でも、仕事にやる気が持てなければ力は発揮できませんし、ヘッドハンティングされてすぐに退職してしまう可能性もあります。逆に、実績のなさをカバーできるだけの意欲・やる気がアピールできれば、「未経験だけど成長してくれそうだ」「困難があっても意欲的に取り組んでくれそうだ」とプラスに判断されるでしょう。意欲をアピールする際は、志望企業と競合他社を比較し、「なぜ似たような会社ではなく、この会社へ志望するのか」を重点的に述べるといいでしょう。
企業はさまざまな観点から、自社に相応しい人材を選んでいます。実績が無いからといって、あきらめる必要はありません。特にヒューマンスキルは、誰しも仕事や日常などで磨けるもの。実績だけにとらわれるのではなく、自分の強みをしっかり見極めて転職活動に取り組んでください。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河 賢文)