内定辞退の伝え方と基本マナー
転職活動で内定を受けたものの、イメージとの違いや他社の選考状況などから、その内定を辞退する人がいます。転職は企業と人との出会いですから、これは仕方のないこと。もちろん企業側も、内定辞退の可能性は理解しています。とはいえ採用活動には、企業側も多くの時間と労力を費やしています。たとえ辞退するとしても、最低限のマナーを守るのが社会人には求められるでしょう。内定辞退の際に押さえておくべきポイントを解説しますので、参考にご覧ください。
内定辞退を伝える手段
内定辞退を伝える際には、基本的には電話を利用しましょう。会社の忙しい時間帯を避け、11時~12時、14時~16時ごろにかけるのがベターです。
かつてはメールで内定辞退するのはマナーに反するといわれていましたが、近年は選考でのやり取り自体をメールでおこなっている会社もあります。そのため……
・IT業界、インターネット業界などメール連絡が当たり前の会社
・メールやウェブを通じて選考の連絡を進めている会社
などは、メールで内定辞退の連絡をしてもいいでしょう。また、手書きの手紙を送るのも1つの方法です。ただし、いくら丁寧に伝えるためでも、企業へ訪問することは避けましょう。強く説得させられるなど、かえって辞退しにくくなってしまう可能性があります。
内定辞退を伝える適切なタイミング
内定辞退は、できるだけ早く伝えるのがマナーです。内定を出した後、企業はあなたの入社に向けて準備を始めるでしょう。また、あなたが辞退することで、改めて他の人を採用しなければならなくなるはず。特に欠員補充のために中途採用をしている企業の場合には、採用も急務なため、少しでも早く動く必要があります。伝えるのが遅くなればなるほど、相手に迷惑がかかりますし、印象も悪くなります。内定辞退を決めた段階で、できるだけ早く企業へ伝えましょう。
事例に学ぶ内定辞退の伝え方
では実際、内定辞退はどのように伝えれば良いのか。ここでいくつか事例を挙げておきますので、自身の状況に合わせご覧ください。
「大変申し上げにくいのですが、この度、御社より頂戴いたしました内定を辞退させていただきたいと思い、ご連絡を差し上げました。私も熟考し悩んだ末の決断となり、ご理解くださいませ。御社にはご迷惑をお掛けする形となりますこと、誠に申し訳ございません。」
「この度は内定を頂き、誠にありがとうございました。実は大変恐縮ながら、御社以外の企業でも採用選考を受けており、そちらからも内定をいただきました。御社にも魅力を感じ悩んだのですが、今回はそちらの企業へ入社を決断した次第です。ご迷惑をお掛けし、申し訳ございません。何卒、宜しくお願いいたします。」
当然ですが、相手の会社を悪く言うのはNGです。「内定をいただいたお礼」「内定辞退すること」、「お詫びの言葉」の3つを丁寧に伝えましょう。ただし、内定辞退の理由をあまり詳しく伝えると、引き止めに遭うかもしれません。誠心誠意ある対応を心がければ、理由は伏せても構わないでしょう。またメールで内定辞退を伝える場合、他のメールに埋もれて気づかれにくくなりがちです。そのため、タイトルには必ず、「内定辞退のお詫び」と簡潔に書きましょう。
人材紹介会社を利用している場合には、直接企業へ連絡する必要はありません。人材紹介会社の担当者に、辞退の旨を伝えてください。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河 賢文)