• 転職ガイド

    カテゴリーリスト

    転職面接で「病気やケガによる退職」をどう説明するか 伝え方のポイント

    2024年10月23日 転職の基本  -  はじめての転職

    病気やケガが原因の休職が長引き、退職せざるを得なかった――。そんな場合の退職後の転職活動は、多くの求職者にとって不安と困難を伴います。特に前職の退職理由をどのように説明すべきかは、頭を悩ますところです。

     

    面接担当者に対し誠実に伝えることが前提となりますが、説明のタイミングや方法は慎重に考える必要があります。今回は、病気やケガによる退職理由を面接で適切に伝える方法や「不適切な質問」への対応について解説します。

     

    ここでは病気・怪我を理由に退職された方に向けて、その退職理由を上手く面接で伝えるためのコツをご紹介しましょう。悲観的にならず、ぜひ参考にして転職成功を目指してください。

    退職理由を説明すべきタイミング

    退職理由を説明すべきタイミングは、基本的には「面接担当者から質問があったとき」が自然です。自分から進んで説明する必要はありません。

     

    ただし、応募書類や面接時の自己紹介で嘘をつくことは避けるべきです。回復途中であれば、健康状態を記載する欄に「良好」と書くのは虚偽記載になるので避けましょう。「現在、治療中だが業務に支障はない」といった具体的な状態を正直に記載することが求められます。

     

    また、面接担当者から退職理由を尋ねられたときには、嘘の理由を言うことも避けるべきです。信頼関係を築くためには、正直に自分の状況を伝えることが重要です。

    病気やケガによる退職理由の伝え方のポイント

    病気やケガによる退職理由を説明する際には、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。

    1.業務遂行能力に焦点を絞る

    退職理由となった過去の病気やケガの詳細よりも、現在の健康状態と業務遂行能力に焦点を当てた説明を意識すると、面接担当者に現在の状況を正確に伝えることができます。

     

    そのうえで、業務に支障がないことを強調することが大切です。「現在は健康状態も良好で、業務に支障をきたすことはありません」と具体的に説明することで、面接担当者に安心感を与えることができます。

    2.ポジティブな経験を付け加える

    病気やケガを克服する過程で得た経験を前向きに捉え、教訓や成長をアピールすることも効果的です。「この経験を通じて回復力と適応力が高まりました」「療養中に新しいスキルを身につけるため、オンライン講座を受講していました」といったポジティブな表現を用いることで、前向きな姿勢を示すことができます。

    3.信頼性を高める証拠を提示する

    説明の信頼性を高めるために、医師の診断書や健康診断結果などを見せる用意があることを伝えることも効果的です。「必要であれば、主治医の診断書をお見せすることも可能です」と伝えることで、面接担当者の不安を解消することができます。

    面接の具体的なシナリオ

    面接担当者に対してどういう説明が考えられるのか。ケース別のシナリオとしては、次のようなものが考えられます。

    1.完全に回復している場合

    完全に回復している場合、面接担当者には退職理由を、例えば次のように答えることが考えられます。

     

    「以前、腰椎椎間板ヘルニアを患い、手術と療養のため退職しました。現在は完全に回復しており、医師からも再発リスクは低いと診断されています。この経験を通じて、健康管理の重要性を再認識し、ワークライフバランスの取り方も学びました。現在は、より効率的に業務をこなせる自信があります」

    2.治療継続中だが業務に支障がない場合

    治療継続中ではあるが業務に支障がない場合、面接担当者には退職理由を、例えば次のように答えることが考えられます。

     

    「慢性的な腰痛の治療を継続中ですが、医師からは日常生活や業務に支障がないと診断されています。週に1回の通院が必要ですが、それ以外は健康上の問題はありません。むしろ、健康に配慮しながら効率的に働く方法が身についたと感じています」

    3.メンタルヘルスの問題から回復した場合

    メンタルヘルスの問題から寛解した場合、面接担当者から「職務経歴に空白期間がありますが、その理由を教えていただけますか?」と尋ねられたとき、次のように答えるとよいでしょう。

     

    「一時期、ストレス関連の健康問題で休職し、その後退職しましたが、適切な治療とカウンセリングを受け、現在はまったく問題なく生活しています。この経験を通じて、ストレス管理技術を習得し、より効果的なコミュニケーション能力も身につけました。今では、困難な状況にも冷静に対処できる自信があります」

     

    なお、必要であれば、こちら側から試用期間の設定を提案することも有効です。企業側も安心して採用を決定することができるでしょう。

    「不適切な質問」への対応

    面接担当者による健康状態や病歴に関する詳細な質問は、場合によっては差別につながる可能性があります。そのような状況では、質問の意図を確認し、業務関連の情報に焦点を当てて回答することが重要です。

     

    例えば「その質問は、私の現在の業務遂行能力に関連していますか?」と尋ねることで、質問の意図を明確にすることができます。

     

    また「現在の健康状態は良好で、求められる業務を遂行する上で問題はありません」といった具体的な回答をすることで、面接担当者の不安を解消することができます。

     

    必要に応じて、質問の適切性について指摘することも考えられます。「申し訳ありませんが、その質問は職務に直接関係ないように思います。代わりに、私のスキルや経験についてお話しさせていただいてもよろしいでしょうか?」といった対応が適切です。

     

    仮に失言があったとしても、相手の非を責めるような口調は避けるべきでしょう。企業側の不安も理解したうえで、礼儀正しく丁寧な対応をしましょう。

    「回復する力」をアピール

    難病の場合には、厚生労働省では各種の雇用支援を行っています。

     

    ハローワークに配置されている「難病患者就職サポーター」は、都道府県・政令指定都市の難病相談支援センターと連携しながら、就職を希望する難病の方に対して、症状の特性を踏まえたきめ細かな就労支援や、在職中に難病を発症した方の雇用継続などの総合的な支援を行っています。

     

    外部リンク:厚生労働省|難病患者の就労支援

     

    難病の方を雇用する事業主に対して支給される助成金等もありますので、事業者の方に支給要件などについて都道府県労働局に問い合わせてもらうよう働きかけることも考えられるかもしれません。

     

    企業は、求職者が病気やケガを克服し、どのようにして再び職務に復帰するかを知りたいと考えています。したがって、自身の健康状態や業務遂行能力に自信を持ち、前向きな姿勢で面接に臨むことが大切です。

     

    最近、ビジネスの現場において、困難をしなやかに乗り越え回復する力を「レジリエンス(resilience)」と呼んで評価する動きがあります。病気やケガによる退職経験を乗り越えた経験は、回復力や問題解決能力の証にもなりえます。誠実かつ前向きな姿勢で面接に臨み、自身の成長とスキルをアピールすることで、新たなキャリアへの扉を開くことができるでしょう。

    外部リンク:Achievers|職場における回復力:課題を克服し、成功する方法

     

    同年代や類似職種の
    年収・口コミを見ることで
    自分の正しい市場価値に気付くきっかけに!

    60万社以上の本音の口コミを公開中

    失敗しない転職をするために
    無料会員登録して口コミを確認

    あわせて読みたい

    カテゴリーリスト

    キャリア情報館

    仕事図鑑

    差がつく転職ノウハウ

    転職の基本