ジェネラリストとスペシャリスト、どちらを目指すべき?
将来に向けたキャリア形成では、「ジェネラリスト」と「スペシャリスト」のいずれを目指すかというのが大きな選択の1つです。部署やプロジェクト等を管理するジェネラリストと、営業やIT、経理など各職種を極めるスペシャリスト。転職を検討する際にも、転職先でのポジションや担当業務、あるいはキャリアステップなどに大きな影響を与えるはずです。ここではジェネラリストとスペシャリストについて特徴を踏まえつつ、適正や働き方などについて具体的にご紹介しましょう。
ジェネラリストの特徴と適性
・求められる役割
ジェネラリストは、部署やチーム、プロジェクトなどを束ねる管理的な役割を担います。現場での実務経験はもちろんですが、マネジメント等における調整・管理能力がより重視されることになります。実際の業務としては、プロジェクトの進捗管理、予算管理、顧客との折衝、工数・工程管理、人的リソースの管理、トラブル時の対応などを担います。場合によっては、新人の育成などにも関わることになります。
部課長やプロジェクトマネージャーなどのポジションがこれに該当しますが、ジェネラリストになると、いわゆる現場業務からはやや離れた立ち位置となるでしょう。
・向いている人
「管理職を目指したい」「マネジメント業務に携わりたい」「現場だけで終わりたくない」という方であれば、ジェネラリストが適しています。あるいは「複数メンバーの間に立って調整するのが得意」「全体を俯瞰的に見ながら戦略を練ることが得意」などの資質をお持ちであれば、ジェネラリストでこそ、その能力が発揮されるかもしれません。
スペシャリストの特徴と適性
・求められる役割
スペシャリストとは、その名の通り1つの仕事を極めた人。専門分野にのみ注力した仕事に取り組みます。営業やITエンジニア、経理、人事、研究職などそれぞれの職種ごとにスペシャリストの業務も異なります。常に現場をメインとした活動を行うため、業務知識・技術に長けた存在と言えるでしょう。
スペシャリストとしてのキャリアを極めていくには、高い能力と豊富な知識、そしてそれに見合う成果が求められます。特に、成果を出すことは常に意識しなければなりません。例えば営業のスペシャリストであれば、時代の変化・マーケットの変化に柔軟に対応しつつ、新たな営業ツールも習得しながら40代・50代になってもノルマを達成する……。それくらい成果に対してコミットしていくスタンスが求められます。
・向いている人
「特定の分野・職種を貫きたい」あるいは「現場で生き抜きたい」という方であれば、スペシャリストが向いています。ジェネラリストではマネジメント含め幅広い知識・経験が求められますが、スペシャリストはあくまで自身の担う業務のみ突き詰めた専門性が必要。もちろん周囲との連携や協調を求められることはありますが、自身の仕事に集中して取り組み続けることができるでしょう。
近年は、ジェネラリストとスペシャリストの境目は、以前よりも薄くなっていると言われています。プレイングマネージャーという言葉もある通り、「現場でも活躍する管理職」も求められるようになっています。
とはいえ、「自分は管理側と現場側、どちらが向いているのか」と考えておくのは、将来のキャリア形成を考えるときにも有用です。転職時には、自分がどの方向に向かいたいのかを明確にしておきましょう。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河賢文)