採用面接で絶対に避けるべき「ウソ」「誇張」のNGポイント
就職活動において、面接は最も重要な段階の一つです。しかし、良い印象を与えたいという焦りから、つい「ウソ」をついたり、実績を「誇張」したりしてしまう就活生も少なくありません。
しかし、これは短期的な成功を追求するためのリスクが大きく、採用担当者には見破られやすいものです。今回は、面接での「ウソ」や「誇張」がいかに危険であるか、そして注意すべきポイントについて解説します。
「ウソ」「誇張」の危険性
まず採用面接の基本スタンスは「ウソ」や「誇張」を避けるべきということです。その理由について説明しましょう。
実は気づかれている?
リクルートが運営する就職ジャーナルの調査によると、採用担当者の61.0%が、選考中のエントリーシートや面接で、就活生の「盛った話」に気づいたことがあると回答しています。
引用:転職ジャーナル | 【2024年版】就活で「嘘・盛った話」はアリ?採用担当者300人の本音アンケート
経験豊富な採用担当者は、数多くの面接を通じて鋭い洞察力を身につけており、言葉の端々や表情、態度から、候補者の誠実さを見抜く能力を持っています。
事実とロジックの重視
採用担当者は、面接時に語られる美辞麗句よりも、具体的な事実や経験を重視します。また、その内容を論理的に説明できるかどうかに注目します。「ウソ」や「誇張」は、往々にして論理的な説明を困難にし、バレます。
深堀り質問の可能性
採用担当者は、違和感を覚えた際には躊躇なく質問を深堀りします。これは、候補者の発言の真偽を確認するためだけでなく、その人の思考プロセスや対応力を見るためでもあります。「ウソ」をついていると、この深堀りに対応できず、自己矛盾に陥る可能性が高くなります。
厳しい評価基準
多くの企業にとって、誠実さは重要な価値観の一つです。「ウソ」や「誇張」が発覚した場合、たとえ能力が高くても、その候補者の評価は大きく下がってしまいます。最悪の場合、内定取り消しや採用中止になったり、入社後に懲戒処分が下されることもあります。
「ウソ」「誇張」が混じるポイントと留意点
前述の調査結果では、採用担当者の63.7%が「盛った話があっても、選考に影響するかどうかはケースバイケース」と答えています。しかし、話の中には決して許されない「ウソ」や「誇張」があることに留意する必要があります。
それでは、具体的にどのような場面で「ウソ」や「誇張」が混じりやすく、どの点に注意すればよいのでしょうか。以下、主要なポイントとその留意点を見ていきましょう。
1.志望理由
志望理由は、企業が候補者の適性や意欲を判断する重要な要素です。「お金のためです」などの本音をそのまま言えばよいわけではありませんが、完全な「ウソ」も避けるべきです。
自身の価値観やキャリア目標、企業の理念や事業内容を結びつけ、矛盾のないストーリーを構築しましょう。本音に基づいたストーリーの方が、自然に説明できるはずです。
2.ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)
ガクチカは、学生の能力や姿勢を知る上で重要な情報源です。完全な「ウソ」は容易に見破られますし、多少の誇張は気づかれにくいかもしれませんが、リスクは低くありません。
必ずしも華やかなイベントや実績だけが重要なのではありません。小さなことでも構わないので、事実に基づき、その経験から何を学び、どう成長したかを強調しましょう。
3.キャラクター特性
自己PRの一環として、自分の性格を説明する機会は多いでしょう。性格に関する「ウソ」や誇張は比較的バレにくいですが、面接全体を通じて一貫性がないと不自然に感じられます。
重要なのは、必ずしも明るく前向きな性格特性だけが求められているわけではない、ということです。自分の特徴を客観的に分析し、それをどう仕事に活かせるかを説明することが大切です。
4.人間関係やチームワーク
「常に周囲と良好な関係を築いている」などの誇張は、具体的な事例を求められた際に困ります。実際の経験に基づき、困難をどのように乗り越えたかを説明するのが理想と思われがちですが、そうとも限りません。
「チームワークよりひとりでコツコツやる方が得意」なのであれば、それを正直にアピールすることも悪いわけではありません。重要なのは、希望する仕事に合っているかどうかです。
5.学歴や資格、経歴
これらは「ウソ」や「誇張」がNGな重要ポイントです。学歴や資格、犯罪歴や病歴などの経歴は客観的な事実であり、虚偽は重大な問題につながります。
これらの詐称は論外です。発覚すれば内定取り消しや採用中止、入社後の懲戒処分の対象となりえます。正直に記載し、必要に応じて補足説明を加えましょう。
6.職務経歴やスキル
特に既卒者や第二新卒者にとって重要なポイントです。大企業での正社員経験を偽るなどの重大な詐称は避けるべきです。スキルも大げさに言えばすぐにバレます。
ただし、短期間の仕事や、早期退職した経験について、必ずしもすべてを詳細に説明する必要はなく、聞かれたら正直に答える程度で構わないという考えもあります。
7.実績や成果
具体的な数字や事例は説得力がありますが、注意も必要です。売上や利益などの数字を過大に報告することは避けましょう。たとえ小さな成果でも、そこから何を学び、今後どう活かせるかを説明できれば十分評価されます。
自分の貢献度を適切に表現することが重要です。業績や貢献度を誇張すれば、入社後のハードルが高くなり、自分のクビを締めることにもなります。
誠実さが結果的に最良の結果を生む
最後に、採用面接において「ウソ」や過度な「誇張」はできるだけ避け、誠実に対応するための基本的な姿勢をまとめましょう。
1.具体的に語る
抽象的な美辞麗句より、具体的なエピソードの方が説得力があります。
2.一貫性を保つ
話の論理に矛盾がないよう、一貫性のある自己PRを心がけましょう。
3.失敗談をうまく使う
完璧な人間はいません。失敗談を適切に活用し、そこからの学びを示すことも効果的です。
採用面接は、企業と候補者がお互いを知る貴重な機会です。「ウソ」や「誇張」に頼らず、自信を持って自分の真の姿を示すことが、結果的に最良の結果につながります。準備を怠らず、誠実な姿勢で面接に臨んでください。