面接での「ウソ」「誇張」はどこまでOKか
新卒採用でも言えることですが、「自分を良く見せたい」などの思いから、転職面接でついつい話を大げさに語ってしまう方がいます。あるいは何か後ろめたいことがあり、嘘をついてしまうというケースもあるでしょう。
面接官側は、こうした誇張やウソなども「多かれ少なかれあって当然」として考え、面接に臨んでいます。しかし、やはりそれでも限度というものがあるでしょう。ではこうした誇張やウソは、どこまで面接時に許されるのでしょうか。もしウソが判明してしまった場合のペナルティなども含め、面接前に心得ておきたい姿勢について解説します。
面接では正直に話そう
まず結論から言えば、面接では誇張やウソを語るべきではありません。あくまで、事実を正直に話しましょう。特に以下のような場合には、ついウソが口から出てしまいがちです。
・転職理由がネガティブな内容である
・転職先がなかなか決まらず焦っている
・他志望者と戦えるだけの実績がない(と思っている)など
前述した通り、面接官は誇張やウソも織り込み済みで転職者の言葉を見極めようとします。面接での姿勢や目線などから面接官にバレてしまうもの。具体例のない成功体験や、数字を出せない実績などは、即座に「本当かな」と疑われるのです。また、仮にそのまま選考を通過できても、次の面接で深掘りされた際にメッキが剥がれるかもしれません。あるいは採用された場合、入社後に期待通りの働きができず肩身が狭くなるなど、ウソがかえって悪い結果を招きます。
誇張やウソが判明した場合のペナルティ
例えば、実際には役職なしだったのにもかかわらず「部門長として活躍した」と言えば、これは明らかなウソです。相手企業がその管理経験を求めてあなたを採用したとすれば、職歴詐称と考えられる事態でしょう。こうしたウソが判明すれば、内定は取り消しとなる可能性が高いでしょう。それだけでなく、もし入社後に判明した場合には、何らかの懲罰が課せられることも考えられます。横の繋がりの強い業界であれば、これをきっかけに、業界内で噂が広がってしまうかもしれません。これはキャリア形成を考えるうえで、大きな痛手となるはずです。
難しいのは『誇張』です。例えば役職を持っていなくても、企業内の体制によっては数名規模のメンバーをまとめるような経験があるかもしれません。ここで「数名のプロジェクトでリーダーという立場にあった」と言えば、これは微妙なところでしょう。特にリーダーという呼称で扱われていなくても、1人の営業職に対して数名の事務職が組んだチームなどであれば、この営業職はリーダー“的”な役割を担うかもしれません。表現としては誇張とも捉えられますが、立場としてウソとは言い切れないのです。
このように「面接官が求める人材ではないかもしれないけど、アピールしないのはもったいない経歴や成果がある!」という場合は、面接官との間に誤解を生まないように説明することが重要です。
例えば「役職者として活躍した経験はありますか?」と質問されたとしましょう。役職者の経験はないものの、チームのリーダーとして活躍した経験があるのなら、「役職付きではなかったのですが、同じような立場でチームのディレクションをおこなっていました」と回答するのは問題ありません。こうした回答であれば、面接官も誇張ととらえることはありませんし、お互いの合意が取れていれば入社後にギャップに苦しむこともないでしょう。
ウソや誇張は、基本的には語るべきではありません。しかし誇張については表現方法、あるいは相手の捉え方による部分が大きく難しいところです。まずは「事実と異なることを語らない」ことを前提に、面接に臨むようにしましょう。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河賢文)