円満退職のための業務引き継ぎの4ステップ
転職が決まったら、現在働いている会社内での退職続きが必要です。中でも重要なのが、後任者に対する業務の引き継ぎ。この引き継ぎがしっかりおこなわれていないと、いざ退職となったタイミングで仕事が回っておらず、会社に迷惑を掛けてしまうかもしれません。
とはいえ部署異動を経験したことのある方を除き、後任者への業務の引き継ぎなど経験はないはずです。そこでスムーズに後任者へ引き継ぐために、具体的な手順や必要資料などを確認しておきましょう。
1. 退職を早めに伝える
転職が決まったら、できるだけ早く退職する旨を会社に伝えましょう。会社側は、誰を後任者にするか検討・決定します。場合によっては、後任者を新たに採用する必要があるかもしれません。早めに伝えれば、それだけ引き継ぎ期間も余裕を持って設けることができるでしょう。早めの対応は、自分自身のためでもあるのです。
2. 資料をまとめる
後任者が決まるまでに、少しずつ引き継ぎ資料をまとめておきましょう。必要となる資料は職種・業務内容等によって異なります。基本的には、以下のようなものを一通り揃えておくと良いでしょう。
・現在関わっている業務の詳細
・各業務の進行手順(関連部署や担当者名、スケジュール等も含む)
・業務上において必要な連絡先(営業職等であればクライアントリストも含む)
・過去の事例(トラブル事例、成功事例)
・その他、システムのマニュアルや注意すべき点
各業務について優先順位が明確である場合は、それについても明記しておきましょう。自分自身が初めて仕事に携わる立場を想定し、「読めばひと通りの仕事が進められる」ことをイメージすると安心です。実際に退職後、後任者は何度もこの資料を見直しながら仕事を進めることとなります。
3. 後任者への引き継ぎ
後任者が決まったら、実際に引き継ぎ業務をおこないます。これは先に準備した資料を見ながら言葉で伝えるほか、一緒に実際の業務を行ってみることが重要です。社外の顧客や外注先と関わりのある仕事であれば、スケジュールを調整して一緒に挨拶へ行きましょう。回りきれないほど多い場合は、事前に優先順位を考えておくことをおすすめします。実際に業務をおこないながら、都度、後任者から疑問点・不安点を吸い上げます。OJT研修のように、その場で解決しながら進めると良いでしょう。
なお、この引き継ぎ業務は、退職予定日の3〜4日前に終えるようスケジュールを組んでください。この3〜4日は後任者に1人で仕事に当たってもらいます。その間は後任者の様子を見つつ、必要に応じて関係企業等へのお礼メールを送ったり、私物の整理などをしたりしておきます。
4. 引き継ぎ完了
いよいよ退職日となったら、名刺を含め仕事に関係するものをすべて後任者に渡しましょう。そして社内各所へ挨拶に周り、後任者に最終の質疑応答を行っておきます。ここで、後任者が自信を持って「あとは大丈夫です」と言えるように。そうすれば、安心して退職することができるはずです。
会社によっては引き継ぎ時のマニュアル等を用意している場合もあります。退職意思を伝える際に、まずは上司に確認してみると良いでしょう。円満退職で気持ちよく次の職場へと移れるよう、念入りに引き継ぎをおこなってください。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河 賢文)