転職における最終面接が持つ意味と対策
転職活動で避けては通れない面接。1次・2次と順調に突破してきたにも関わらず、最終面接で採用を逃すというケースは少なくありません。緊張してしまうこともありますが、逆に「最終面接なんて、入社意思の確認程度だろうから楽勝」なんて油断していないでしょうか。甘く見ていると、思わぬ鋭い質問に受け答えできず、不採用になってしまうかもしれません。
ここでは最終面接のポイント、事前準備などについて確認しておきましょう。何度も足を運んで目の前に現れた最終面接というチャンスを逃さぬようにしてください。
最終面接で何を見られているのか
1次・2次面接では、職務経験や志望動機、自己PRなどをはじめ、具体的な仕事内容などについても受け答えしていることでしょう。最終面接で、「これ以上、いったい何が必要なのだろう?」と疑問に思われるかもしれません。
最終面接では、役員・社長などの役職者が担当となる場合が多くなります。大企業であっても、例えば部長職などこれまでと比較して“上の人”が現れるはずです。もちろん面接の場では、改めて自己紹介を求められることもあります。しかし実際のところ、そうした情報はすでに共有されていることがほとんどです。
それを踏まえて、最終面接では質疑応答から「あなたが会社に合っているか否か」を見極めています。役員・社長は会社を率いていく立場にありますから、企業の方針やビジョン、将来の目標と求職者の考えがマッチしているかどうかを見極め、受け答えの中であなたの“人となり”を見ているのです。
・やりたい仕事が本当に自社で実現できるのか
・社風に合っていて成長を遂げてくれるのか
・求める人物像に合致しているのか
・長く戦力として活躍してくれるのか など
たとえどれだけ優秀な人材でも、会社の目指す方向と異なっていれば、その能力を十分に発揮できないかもしれません。もちろん望む仕事と与えられる仕事とにギャップがあれば、すぐにまた転職していってしまう可能性が考えられるでしょう。そうした事柄を、より経営に近いポジションの目線から判断しているのです。
そのため、最終面接では一切の偽りなく、自身の思いや考えを正直に述べましょう。採用内定はもちろんほしいはずですが、ここで「合わない」と判断されるなら、その可能性は高いと言えます。自身を偽って内定を得られても、入社してすぐ不満が出るなど、デメリットが大きいかもしれません。
面接に臨む前の準備
1次・2次での面接内容は、最終面接の面接官にあらかじめ伝わっています。そのため、話に矛盾が生じないよう、過去に行った面接での受け答えを復讐しておいてください。矛盾があると、「前の面接で嘘をついたのか?」「話がぶれて信頼性がないな」など、マイナスのイメージを持たれかねません。頭の中を整理して、企業への思いや転職に関する考えなどを述べられるようにしておきましょう。
また、最終面接では、最終的な入社意思の確認も行われます。自分の中で、まず内定が出たらどう返事するのかを決めておきましょう。悩んでいるのであれば、その伝え方も練習しておくと安心です。
もちろん、内定が出たとしても、必ず好条件とは限りません。例えば年収額が希望に満たなくても、「当社としてはこの条件でなら採用したい」と交渉される可能性があります。その場で軽く答えてしまったり、悩みこんでしまったりしないよう、条件面で譲歩できる部分があるならば、自分の中での最低限のラインを引いておくことをオススメします。
最終面接は開かれた出口ではなく、最後に待ち構える大きな扉です。たとえスムーズにそこまでの選考を突破していても、何が起きるか分かりません。相手の意図をよく理解し、万全の準備で臨んでください。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河賢文)