離職率が高い業界トップ5とその背景
転職する際には、「できれば長く働ける場所を」と考える方が多いでしょう。そうなると、やはり気になるのが転職先の離職率です。しかし離職率については、求人広告やホームページ等に公開している企業はほとんどありません。また、面接でも聞き辛い内容であり、質問しても正しい情報を得られるとは限らないでしょう。
とはいえ、一般的に離職率が高いとされる業界は存在します。企業単体で離職率を知ることは難しいかもしれませんが、業界として頭に入れておけば、転職先を選ぶ際の参考になるはず。そこで、離職率が高いとされる業界を5つ取り上げ、その背景について詳しくお伝えします。
1. 宿泊・飲食業界
ホテルなどの宿泊施設、また飲食店などは、年中無休・24時間営業などの場合が少なくありません。シフトを組んでの勤務となり、どうしても勤務時間が長くなりますし、休日も少なくなってしまいます。また、アルバイトやパートを雇っていることも多く、例えば病気等による欠員が出れば、社員が休日出勤によって穴埋めすることも。不規則になりがちな勤務体制に適応できないと、私生活にも影響が及んでくるでしょう。固定休日を確保したい方などは、休日取得など注意が必要です。
2. 医療・介護業界
入院設備のある医療機関、あるいは入所型の介護施設等では、24時間シフト制で夜勤が伴うことが多いでしょう。そのため、勤務時間や休日取得は不規則になります。また、常に多くの人と接する仕事のため、場合によってストレスが溜まりやすいという側面も考えられるでしょう。
そのほか、医療・介護業界はたくさんの女性が活躍する業界であり、結婚・出産などに伴う離職が他業界に比べて多いことも、離職率を高める一因と考えられます。
3. 教育業界
学校では部活動などがよく問題として取り上げられますが、人によっては休日が取りにくいという声も。また、子どものみならず保護者とのコミュニケーションでは、プレッシャーが精神的な負担となっている場合があります。その他、学習塾などでは勤務が深夜帯に及ぶことが多いでしょう。特に受験シーズンなどは繁忙期となり、休みが取りにくい状況が多くなります。「教えること」「子どもたちの成長」に強いやりがいを持てないと、勤務の継続が難しいかもしれません。
4. 生活関連サービス・娯楽業界
美容をはじめとした生活関連サービスは、閉店後の作業も多く勤務時間が長くなるでしょう。アシスタント等の立場では、キャリアアップのために勤務時間外で技術面・知識面の研鑽を行わなければいけません。また、娯楽施設も同様に土日出勤など休みが取りづらく、それに対し給与水準が低いことも離職率を高める要因となっています。勤務外を含めた拘束時間と給与をよく比較し、検討する必要があるでしょう。
5. 小売業界
アパレルやスーパー等では、給与の低さがネックとなることが多いようです。また、固定休業のない店舗では勤務時間が不規則であったり、休日が取りにくかったりという要因も考えられます。例えば大好きなブランドに関われるといった場合を除き、実際にどれだけ休日が取得でき、どの程度の勤務時間になるのかは、必須の確認事項となりそうです。
もちろん、上記の例はあくまで一般論です。離職率が高い業界にあっても、働きやすい企業はありますし、その中で長く勤務している人も存在します。それは賃金や勤務時間、休日取得のみならず、仕事へのやりがいなどによって左右されることでしょう。例えば入社すぐは給与が安くても、昇給・昇格によって給与アップを目指せる業界もあります。どんな仕事に携わりたいのか、また、将来どのようなキャリアを歩みたいのかなどを踏まえて、しっかり検討してください。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河賢文)