応募資格を満たしていない求人に応募していい理由
求人票・求人広告には、ほぼ必ず応募資格の項目が記載されています。具体的には『営業経験2年以上』『システム開発の実績をお持ちの方』などといった具合です。すると転職者の中には、「必ずその条件を満たさなければ応募できない」と思われる方がいるでしょう。
しかし実際のところ、たとえ条件をすべて満たしていなくても、採用されるケースがあります。それは、いったいなぜなのか。ここで詳しく見ていきましょう。
応募資格はあくまで目安
もし応募資格が何も記載されていない場合、転職希望者から見ると、その募集は「誰でも応募していい」と受け止められてしまいます。すると未経験者を含め、自社にマッチしない人材まで大勢応募が集まる可能性があるでしょう。採用活動では、応募者が増える分だけ選考に時間と労力が伴います。そのため企業は応募資格を設けることで、最低限のフィルタリングを行っているのです。
しかし実際のところ、その多くはあくまでも目安です。「この程度の条件にしておけば無駄な選考は行わなくて済むだろう」と、目安として掲げているに過ぎません。
例を挙げて考えてみましょう。例えば「営業経験3年以上お持ちの方」という応募資格があったとき、企業が採用したいと考えているのは、“営業経験3年程度に相当するスキルを持っている人”です。そのため、営業経験が2年しかなくても、同じ業界での働いてきたノウハウがあれば、採用される可能性は十分にあります。数字や文章を形通りに受け取らずに、応募資格を読み込む必要があるのです。
応募資格を満たさなくても採用されるケース
とはいえ、もちろん条件を完全に無視して応募していいワケではありません。例えば複数の条件が提示されている場合、1つも当てはまらないような方は応募を控えるべきでしょう。では、どんな人なら応募資格を満たさず採用される可能性があるのか。あくまで企業により判断は異なりますが、いくつか例を挙げておきましょう。
年齢条件や経験年数における多少のズレ
よく応募資格に挙げられるのが、年齢や経験年数。例えば「業界での経験2年以上」の条件に対して1年半の経験、あるいは「年齢30歳未満」の条件に対して31歳の方など、多少のズレであれば応募してみる価値はあります。特に経験年数については、培ってきた専門知識や実績があればカバーできる可能性が高いです。
条件以上に企業へ与えられるものがある
条件を満たせずとも、それ以上に何か企業にとってメリットとなる何かがあれば、採用の可能性は高まります。例えば企業にとって有益な人脈がある、あるいは活かせる知識・スキルがあるなどです。この場合、履歴書の自己PR欄等で上手くアピールすることが重要です。応募時に「経験年数はまだまだ少ないですが、~~の経験を活かして早期に活躍できるよう心がけます」などとアピールしてみましょう。
応募資格と類似点のある職歴
例えば、営業経験はなくとも販売経験がある。あるいは人事経験はないものの、総務として一部で採用業務に携わってきたなどです。応募資格に100%一致せずとも、過去の職歴がその内容に類似するものの場合、同等の実力があると判断してもらえる可能性があります。
応募資格を見るときに大切なことは、まず自分自身の経験や強みをしっかり把握すること。そして綿密な企業分析により、「何がその企業で活かせるのか」を見極めることです。応募条件に満たせない部分があるといってあきらめるのではなく、「どうすれば採用してもらえるか」という視点で考えてみましょう。そうすれば、より広くキャリアアップの道が拓けてくるかもしれません。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河賢文)