面接1回で内定が出たときに考えるべきポイント
転職活動といえば、1社について2~4回も面接を重ね、やっと内定を得られる印象をお持ちの方は多いはず。しかし最近、面接1回だけで即内定が出るケースが増えています。
早い段階で内定が得られることは、転職者にとって嬉しいことでしょう。しかしその半面、「このまま内定を受諾して良いのか?」「人手不足のブラック企業なのではないか?」など不安を持つかもしれません。そこで、面接1回で内定が出た場合、考えるべきポイントをお伝えしましょう。
「面接1回=ブラック企業」とは限らない
まず面接1回で内定が出る企業がブラック企業なのかと言うと、必ずしもそうとは限りません。例えば役員から現場担当者まで数名による面接なら、それぞれの視点から1回でも十分に判断できるでしょう。あるいはベンチャーのように小規模企業の場合、いきなり面接に社長など決裁権のある人物が現れることもあります。どのような企業でも最終判断はそうした上層部の役員が下しますから、この場合も面接1回で事足りるでしょう。
また、以下のような社内事情などで、面接を1回と決めているケースも考えられます。こうした場合、企業側は1回で十分に採否を判断できるよう、対策を講じていることでしょう。
・面接回数を増やすことで優秀な人材を取りこぼしたくない
・繁忙期等で時間あるいは人的リソースを面接だけに割けない
・書類選考で綿密なフィルタリングを行っており1回で十分に判断できる
・社内の慣習として面接は1回と決めている など
このように面接1回で出た内定を「ブラック企業だ」と決めつけて辞退するのは早計ですし、もったいないと言えるでしょう。
入社を急かされる場合は要注意!
ただし面接1回で内定が出た場合、1つ注意したい点があります。それが、入社時期についての調整です。求職者の都合を加味せず、「とにかく早く」と急かされるようなケースは要注意。
人材が極端に不足している、あるいは入れ替わりが激しいなど、過酷な労働環境である懸念があります。また、入社後も同様に、会社側の事情を押し付けるような風土である可能性も考えられるでしょう。休暇取得をはじめ、入社後の働きやすさに影響を与えるかもしれません。
1回の面接で不安・疑問を払拭できているか
面接1回での内定となった場合、そのまま内定受諾する前に、聞き忘れがないか確認しましょう。あらかじめ面接が1回と分かっている場合は、事前に聞きたいことをメモしておくと安心です。
しかし想定外の内定となれば、そこから不安や疑問が浮かんでくるかもしれません。その場合、面接とは別に面談の機会をもらったり、メールや電話等で質問したりするなど、すべてクリアにしてから内定受諾の判断を行ってください。「内定をいただけたのは嬉しく思いますが、入社後、思い切り能力を発揮するためにも、もう少し吟味したく存じます。つきましてはご質問なのですが……」などと切り出せば、会社側も失礼に感じることはないでしょう。
面接が1回でも、ブラック企業とは限りません。しかし、面接回数が少ないということは、それだけ自分にとっても質問・確認のチャンスが少ないということです。入社後に後悔しないためにも、企業の対応から内情を理解し、自らも転職先として適切であるか判断することが重要です。面接回数にとらわれず、自分に合った転職先を選びましょう。(ライター:ナレッジ・リンクス/三河賢文)