近年、本業（メインの仕事）とは別に、副業で新たな収入を得る人が急増中です。中には、率先して社員に副業を勧める企業もあるほどです。なぜいま副業に注目が集まっているのでしょうか？　そのメリット、注意点とともに解説していきましょう。

なぜいま副業が注目されているのか？

ここ最近、副業が注目されている背景には、雇用の流動化という大きなトレンドがあります。ひとつの会社に終身雇用で勤めることは、当たり前ではなくなりました。会社の方針で解雇されることもありますし、本人のキャリアや人生設計に合わせて転職・早期退職することもごく普通のことになっています。また、あえて派遣社員やアルバイトとして働く人も登場しています。

そのような中では、一時的な無収入期間が発生することも考えられるでしょうし、収入が減少することも考えられるでしょう。こうしたとき、ある程度の稼ぎを維持するサブの収入源として、副業の重要度が高まっているのです。

具体的な副業の事例

• ・ファイナンシャルプランナーやコーチングの講師
• ・在宅でのライター
• ・お料理教室や着付け教室の開催
• ・中古品やハンドメイドのオリジナルグッズのネット通販
• ・レンタルサロンでのネイリストやエステティシャン　……など

副業と一言で言ってもその業種はさまざまですが、休日の1日だけ、あるいは仕事から帰ってきて寝るまでの2～3時間で稼げる副業が多く見られます。また、趣味や長所、資格を生かせる副業のほうが好まれているようです。

副業から得られるメリット

収入アップのほかにも、副業にはいくつかのメリットがあります。

• ・会社に守られている意識がなくなり、自信が持てるようになる
• ・人脈や知識が広がり、本業にも活用できる
• ・時間にメリハリがつけられるようになる
• ・自分の労働者としての価値を考えるようになる
• ・未経験の仕事にチャレンジし、働く幅が広がった
• ・休日や定年後にダラダラすることがなくなり、生き生きと過ごせる

人脈の構築や余暇の使い方、自分自身の生き方などについて、プラスの影響が生まれることが考えられます。会社に依存しない「もう1人の働く自分」を持つことで、働くことへの自主性が生まれ、結果的に本業でも意欲的に働くことができるようになるのかもしれません。

副業をはじめる際の注意事項

しかし副業にはいくつかの注意点もあります。以下の3点は特に注意しましょう。

1. 本業に支障をきたさないようにする
2. 家庭生活とのバランスが崩れないようにする
3. 法的・税務的管理をきちんと行う

1. 本業に支障をきたさないようにする

人間は時間も体力も限られていますから、自分のこなせる範囲は決まっています。副業中心の生活になったり、睡眠時間を削ったりして本業に支障を来すようなことがないようにしましょう。また職務規定で副業禁止の会社もあるので、要注意です。

2. 家庭生活とのバランスが崩れないようにする

もう一つ仕事を始めるということは、必然的にプライベートの時間が削られるということを意味します。家族と過ごす時間が減ったり、家事の時間がなくなったりという事態も考えられます。副業に対する家族の理解を得ることが大切でしょう。

3. 法的・税務的管理をきちんと行う

個人で始めた事業であっても、法律に違反したりビジネス倫理に反したりするようなことがあると、余計なトラブルを招きます。副業で得た収入では、税金も個別の管理が必要です。必要な知識を身に付けておく必要があります。

雇用の流動性が高まるに従い、副業の重要度もますます高まるでしょう。本業以外の収入を得たい方は、上記の注意点を考慮したうえで副業に挑戦するのもいいかもしれません。（ライター：香川とも）