ITエンジニアが文章力を身につける3つのポイント
回ってきた仕様書や提案書を見て「何が言いたいのかさっぱり分からない」と感じたことのあるITエンジニアは少なくないでしょう。ITエンジニアというと、どうしても技術を偏重されがち。また、そうあるべきだと考えるITエンジニアもいます。しかし多数のメンバーが参画するプロジェクトでは、意思の疎通が重要になってきます。そのためは、他の要員に正しく的確に伝わる文章を書ける能力が欠かせません。ITエンジニアが文章力を身につけるポイントを考えてみましょう。
ITエンジニアに文章力が必要な理由
- 正確な情報を読み手に伝える
- 開発における勘違いや早とちりを防ぐ
- ITエンジニア以外の人間にも理解を得られる
例えばメールの文章において、「この機能は実装しないほうがいいと思います」と「この機能は実装しないでください」と伝えるかで、結果は大きく変わってくるでしょう。仕事をしても、情報や意図が相手に伝わらなければ意味がありません。これは、自分の能力を低く見られるなど、収入にも影響してくる問題です。「評価されていない」そう感じている人は、文章力が足りずに損をしている可能性もあります。
文章力を向上させるポイント
各種書籍や専門サイトなどでさまざまな文章力向上テクニックが紹介されていますが、まずは以下の3つについて気をつけるようにしましょう。
- わかりやすい文章を書く習慣を付ける
- 誰が読むのか想定する
- 文章を書いたら見直す
1. わかりやすい文章を書く習慣を付ける
わかりやすい文章とは、内容が具体的で、読者に何を知ってほしいのか・何をしてほしいのかがわかる文章です。仕事上で仕様書を作成することがあっても、具体的にプログラマやSEが何をすればいいのかわからなければ意味がありません。文章を書く機会は、自分でいくらでも作れますが、やみくもに書くのではなく、具体的に書くことを心がけましょう。
2. 誰が読むのか想定する
文章を書く前に、誰が読むのか想定してみてください。そうすることで読者の知識が予想でき、どのような情報を盛り込めばいいのかが分かるはずです。場合によっては比喩や数値などを使ってかみ砕いた表現にする必要があるかもしれませんし、よりレベルの高い参考情報を併記する必要もあるかもしれません。最初のうちは難しいかもしれませんが、反復するうちに自然と意識できるようになるはずです。
3. 文章を書いたら見直す
多くの人がおろそかにしがちなのが、文章の推敲、すなわち「見直し」です。何度か読み直して、誤字・脱字や不明瞭な表現、矛盾点、足りない情報などを見つけ出しましょう。「完璧だ!」と思った文章でも、少し時間をおいて見直すと、こうした粗(あら)が見つかるものです。そのため、書いた文章を見直すくせをつけてください。
具体的な文章を書く機会を増やすこと。そして想定読者に向けて文章を書き、その文章が正しく伝わっているかチェックする……。これを繰り返し行うことで、文章力がアップしていきます。最初は上手くいかないことも多いでしょうが、自分で文章力を身につける意識がなければ、文章は上手くなりません。
文章力がアップすれば、コミュニケーション能力の向上も見込めます。開発現場で評価されることはもちろん、履歴書や職務経歴書で自分のスキル・強みを伝わえやすくなるので、今後のキャリアアップにも有利です。技術力だけでなく、文章力の向上もぜひ目指してみてください。(ライター:ナレッジ・リンクス/原 進)