歯科助手 ~歯科医院での幅広いサポート業務を担当~
仕事内容 ~歯医者さんでの受付、案内、診療補助など~
歯科助手は、歯科医院におけるさまざまなサポート業務を担当するお仕事です。受付や会計、予約手続き、診察の案内など、歯科医師や歯科衛生士のサポートなどが主な仕事です。サポート的な仕事が多いですが、その分さまざまな業務が発生します。診療時には歯科医師に器具を手渡したりするほか、その準備、洗浄と消毒なども行います。その他、患者さんに声掛けをしてリラックスさせるなどと、歯科医院において欠かせない存在です。
よく歯科衛生士と間違われますが、これらは明確に異なる職業です。歯科衛生士の場合、最低でも3年制の歯科衛生士養成過程のある専門学校か短期大学を卒業し、歯科衛生士の国家資格を取得しなければなりませんが、歯科助手の場合は、資格は必要ありません。未経験でも歯科医院に勤務し、経験を積みながら歯科医師のアシスタント業務をこなすことが可能です。しかしその分、歯科助手は患者さんの口腔内に手を入れる業務を行うことはできません。
雇用形態は正社員・パート・アルバイトなど幅広く、働き方を選択しやすいことも魅力のひとつでしょう。
おおよその年収
平均年収は約290万円と高くはありません。パートや派遣社員として勤務することが多く、育児との両立も可能な仕事ですが、どちらかと言えば、主婦に向いている仕事だといえます。
求められる能力 ~患者さんをリラックスさせる接客スキル~
歯科助手として働くために、資格は必要ありません。とはいえ、国家資格はないものの、民間団体が認定する資格はあります。就業前にこうした資格を取得しておけば、歯科医師にもやる気を認められて、自信を持って業務に取り組めます。また、病院での就業経験や医療事務の経験があれば転職に有利となります。
歯科助手はサポート業務が主なので、業務内容も幅広くなります。マニュアル通りにはいかず、イレギュラーなことが起こっても臨機応変な行動をすることが大切です。また、受付業務など多くの患者さんと接するので、いつも明るく笑顔で、リラックスできるような対応が求められます。その他、治療器具や薬品の名前、歯科の専門用語を覚え、治療や仕事内容をきちんと把握することが求められます。
向いている人柄 ~子どもからお年寄りまで笑顔にできる人~
歯科医院に来院される患者さんの多くが、歯の痛みと治療に対する不安を抱えています。また、子どもの患者さんも多いので、受付時や治療サポートの際は、患者さんに安心してもらえるように優しく言葉をかけたり、気配りできたりする人が向いています。自分自身が歯のケアに興味があり、笑ったときにきれいな白い歯が見られると、患者さんとしても安心できる要素になります。
仕事のやりがい ~患者さんからの「ありがとう」が何よりも嬉しい~
患者さんが歯の痛みや悩みから解放されて、「ありがとう」と感謝の言葉を聞けた時こそが、やりがいを感じられるでしょう。また、歯科医師や患者さんから頼りにされることも多く、幅広い業務に対応できればできるほど、欠かせないサポート役として仕事に誇りを持つことができます。雇用形態は柔軟なことが多く、パートとして派遣社員として、自分のライフスタイルに応じた形態で就業できることも魅力のひとつです。
仕事の辛いところ ~業務が幅広くなりがち、離職率も高い~
歯科助手の求人募集にはよく「歯科医のアシスタント」と記載されていることが多く、「単なる手伝い」と思うかもしれませんが、実際はそうではありません。歯医者の規模によっては同僚が数名しかいないことも多く、受付から予約手続き、資料作成、歯科医のサポートまで一人で多くの業務をこなさなければならないケースも珍しくありません。女性の多い職場ですので人間関係が比較的こじれやすく、離職する人もいるようです。(ライター:二之形幸子)