なつかしのブラック企業 光通信で今も働く社員たち 2012年6月4日 企業徹底研究 ツイート かつてITベンチャーの雄として一世を風靡(ふうび)した「光通信」。創業者で社長だった重田康光氏は1996年、31歳の若さで株式公開を果たした。それまでの最年少記録だった西和彦アスキー社長の33歳を更新。時代の寵児となる。 だが、その「化けの皮」がはがれるのも早かった。2000年に入ると、世間の目は一転。携帯電話店「HITSHOP」を全国展開して躍進してきた一方で、厳しいノルマを背景とした架空販売などの不正が、次々と明らかになったからだ。 その結果、株価はピーク時の100分の1にまで急落。この年の株主総会は大荒れになる。怒った投資家たちが重田社長をつるし上げたが、本人からは謝罪の言葉は全くなし。翌年は625億円という巨額の特別損失を計上して、最終赤字に転落した。 その後、厳しいリストラも進めるなど、茨の道を歩んだ光通信。まるで「ブラック企業の代名詞」のような存在だった。 しかし、この会社は消えたわけではない。月刊誌「サイゾー」は最新の6月号で、この懐かしのブラック企業を振り返っている。 「独裁者」「強烈な自尊心」「うぬぼれナポレオン」 記事で投げかけられた重田氏への形容詞だ。 さあ、こんな会社に、いまも勤めているのは、どんな社員たちだろうか。キャリコネに寄せられた口コミでさぐっていこう。 ◇ ノルマ未達成の罵声、駅前で社歌を歌わされるのも当たり前 やはり、相変わらずらしい。 「社歌を歌わされ、ひどい時は池袋駅前でやらされました。(略)精神的に弱い方には無理だと思います。家族がいる方には絶対すすめません」 そう言うのは、代理店営業を担当する30代前半の男性社員。会社の実体を、こう明かす。 「非常に過酷です。数字が絶対で、行かない場合は朝から晩までプレッシャーの嵐。毎月の出来ごとなので、気持ちを切り替える余裕はありません」 そうやって、社員をこき使う。決して気遣いなどはしない社風だという。 20代前半のカウンターセールスの男性もこう言う。 「ノルマに達していない社員には罵声が飛ぶ。営業の会社なので数字は不可欠だが、特にその傾向が顕著で、過程や経緯は意味を持たない」 バリバリの体育会系で、雰囲気に合わない人にはとにかく厳しいそうだ。。 こんな会社に関わったら、客だって迷惑だろう。20代前半のテレホンオペレーターの契約社員が、こう話す。 「国内需要も頭打ちのため、受注の見込みが少ない顧客にも粘って営業せざるを得ない。お叱りの言葉を受けることも少なくなく、社内外からのストレスが多い」 おかげで、飲み会などは社員どうしが不満を噴出しあうそうだ。 「職場仲間での飲み会が多く、若い男女が多く集まっている(略)仕事内容がある意味特殊であるため、共通の悩み・愚痴やアドバイス等で仲良くなるきっかけが作りやすい」 その瞬間だけが、かすかな安らぎなのだろうか。 ◇ 体育会系を超えた“軍隊系” 契約ゼロならゴミ扱い ちなみに、この体育会系という点に関して、20代前半の男性テレホンオペレーターが恐ろしいまでのバカバカしい指摘をしている。 「声がかなり大きい人が多くて、『おす』が独特のあいさつ。お疲れ様ですや、おはようございます、の略です」 …ああ、イヤだぞ、そんな会社。どこが楽しいんだ? 法人営業を担当する20代後半の男性社員も、こう言う。 「朝礼を大声で叫んだり、社歌を叫んだり。とにかく体育会系ならぬ軍隊系(略)会社の飲み会のあとは、店の前で大声で社歌を叫んだり」 …ますますイヤだ。 しかも、これに続けてのコメントが、皮肉なのか真剣なのか、大いにふるっていた。 「他の他の会社では絶対に体験できないようなことが体験できる」 数字が悪いときの罵声のとび具合や不穏な空気も、すさまじいそうだ。もちろん、その罵声は、上司からだけではない。20代前半の契約社員の男性が言う。 「世間一般に迷惑なセールスと思われているので、客に罵声を浴びせられる事もある。多くの場合は冷たく断られる。精神的にすごくきつい」 それでもこの男性は、顧客からまで激しい罵声を受けながら、こうまで言う。 「いかに交渉に持ち込むかを身につければ、テクニックとして自分に残る」 もはや、恐ろしいまでの前向きぶりではないか。この男性にとっては、むしろ気持ちとしてキツイのは成績が上がらないときの社内からの風当たりだそうだ。 「契約ゼロの日はゴミのように扱われる。呼び出され、ガラの悪い説教をされたこともある」 この会社では、営業成績の悪い社員はゴミと同じなのだ。 *「キャリコネ」は、社員が投稿した企業に関する口コミ、年収情報、面接体験などを共有するサイトです。2012年5月末現在、45万社、18万件の口コミが登録されています。
なつかしのブラック企業 光通信で今も働く社員たち
かつてITベンチャーの雄として一世を風靡(ふうび)した「光通信」。創業者で社長だった重田康光氏は1996年、31歳の若さで株式公開を果たした。それまでの最年少記録だった西和彦アスキー社長の33歳を更新。時代の寵児となる。
だが、その「化けの皮」がはがれるのも早かった。2000年に入ると、世間の目は一転。携帯電話店「HITSHOP」を全国展開して躍進してきた一方で、厳しいノルマを背景とした架空販売などの不正が、次々と明らかになったからだ。
その結果、株価はピーク時の100分の1にまで急落。この年の株主総会は大荒れになる。怒った投資家たちが重田社長をつるし上げたが、本人からは謝罪の言葉は全くなし。翌年は625億円という巨額の特別損失を計上して、最終赤字に転落した。
その後、厳しいリストラも進めるなど、茨の道を歩んだ光通信。まるで「ブラック企業の代名詞」のような存在だった。
しかし、この会社は消えたわけではない。月刊誌「サイゾー」は最新の6月号で、この懐かしのブラック企業を振り返っている。
「独裁者」「強烈な自尊心」「うぬぼれナポレオン」
記事で投げかけられた重田氏への形容詞だ。
さあ、こんな会社に、いまも勤めているのは、どんな社員たちだろうか。キャリコネに寄せられた口コミでさぐっていこう。
◇
ノルマ未達成の罵声、駅前で社歌を歌わされるのも当たり前
やはり、相変わらずらしい。
「社歌を歌わされ、ひどい時は池袋駅前でやらされました。(略)精神的に弱い方には無理だと思います。家族がいる方には絶対すすめません」
そう言うのは、代理店営業を担当する30代前半の男性社員。会社の実体を、こう明かす。
「非常に過酷です。数字が絶対で、行かない場合は朝から晩までプレッシャーの嵐。毎月の出来ごとなので、気持ちを切り替える余裕はありません」
そうやって、社員をこき使う。決して気遣いなどはしない社風だという。
20代前半のカウンターセールスの男性もこう言う。
「ノルマに達していない社員には罵声が飛ぶ。営業の会社なので数字は不可欠だが、特にその傾向が顕著で、過程や経緯は意味を持たない」
バリバリの体育会系で、雰囲気に合わない人にはとにかく厳しいそうだ。。
こんな会社に関わったら、客だって迷惑だろう。20代前半のテレホンオペレーターの契約社員が、こう話す。
「国内需要も頭打ちのため、受注の見込みが少ない顧客にも粘って営業せざるを得ない。お叱りの言葉を受けることも少なくなく、社内外からのストレスが多い」
おかげで、飲み会などは社員どうしが不満を噴出しあうそうだ。
「職場仲間での飲み会が多く、若い男女が多く集まっている(略)仕事内容がある意味特殊であるため、共通の悩み・愚痴やアドバイス等で仲良くなるきっかけが作りやすい」
その瞬間だけが、かすかな安らぎなのだろうか。
◇
体育会系を超えた“軍隊系” 契約ゼロならゴミ扱い
ちなみに、この体育会系という点に関して、20代前半の男性テレホンオペレーターが恐ろしいまでのバカバカしい指摘をしている。
「声がかなり大きい人が多くて、『おす』が独特のあいさつ。お疲れ様ですや、おはようございます、の略です」
…ああ、イヤだぞ、そんな会社。どこが楽しいんだ?
法人営業を担当する20代後半の男性社員も、こう言う。
「朝礼を大声で叫んだり、社歌を叫んだり。とにかく体育会系ならぬ軍隊系(略)会社の飲み会のあとは、店の前で大声で社歌を叫んだり」
…ますますイヤだ。
しかも、これに続けてのコメントが、皮肉なのか真剣なのか、大いにふるっていた。
「他の他の会社では絶対に体験できないようなことが体験できる」
数字が悪いときの罵声のとび具合や不穏な空気も、すさまじいそうだ。もちろん、その罵声は、上司からだけではない。20代前半の契約社員の男性が言う。
「世間一般に迷惑なセールスと思われているので、客に罵声を浴びせられる事もある。多くの場合は冷たく断られる。精神的にすごくきつい」
それでもこの男性は、顧客からまで激しい罵声を受けながら、こうまで言う。
「いかに交渉に持ち込むかを身につければ、テクニックとして自分に残る」
もはや、恐ろしいまでの前向きぶりではないか。この男性にとっては、むしろ気持ちとしてキツイのは成績が上がらないときの社内からの風当たりだそうだ。
「契約ゼロの日はゴミのように扱われる。呼び出され、ガラの悪い説教をされたこともある」
この会社では、営業成績の悪い社員はゴミと同じなのだ。
*「キャリコネ」は、社員が投稿した企業に関する口コミ、年収情報、面接体験などを共有するサイトです。2012年5月末現在、45万社、18万件の口コミが登録されています。