日本郵政 郵便事業が4期ぶりに最終黒字 今期も行われるか「自爆営業」 2013年4月9日 今日の口コミ&年収 ツイート 2013年3月期決算で、日本郵政グループの郵便事業が4期ぶりに最終黒字となることが確実になった。 郵便事業は、民営化前から郵便貯金などの金融事業と比べ収益性が低く、民営化後の目玉事業だった日本通運との宅配事業統合も失敗するなどし、10年3月期以降は最終赤字に沈んでいた。 そこでグループ統括会社の日本郵政は、11年度から全国の郵便局を約1000地域にグループ化、グループごとに損益を月単位で集計、そのデータに基づき集配業務の効率化や人員配置の適正化を進めた。その成果が4期ぶりの黒字となって現れた模様だ。 ただ、物流担当のアナリストは「月単位の損益管理や人員配置の適正化など物流会社では当たり前のこと。それをやっただけで黒字転換した訳だから、今までの経営の杜撰さを逆に証明したようなもの」としている。 これからヤマトや佐川との競争が本格化すれば、ふたたび赤字に転落する可能性もあり、「4期ぶりの黒字」に浮かれている場合ではなさそうだ。 そんな郵便事業に関わる人たちは、どんな職場で働いているのか。ここ数期は赤字が続いていたとはいえ、元は公務員。グループの郵便事業を担う日本郵便のカウンターセールスで働く契約社員は、「福利厚生面は抜群」と評価している。 「有給休暇(年休)もとりたいときに取らせてもらえるので仕事もプライベートもばっちりこなすことができますね!強いて言うならば給料がちょっと安いかなと思います。土日休みやからそれはそれでいいかなと思います。すばらしいです」 【その他の口コミ&年収記事はこちら】 20代契約社員「自爆営業は会社の収益の要」 ただし仕事を多く任されている人にとっては、有給休暇の取得促進は負担にもなる。財務担当の女性契約社員は、やや疲弊気味だ。 「定時退社を強く求められるため、仕事量の多い者は、休憩時間を取らない、または管理者の目の届かないところで残業をすることとなり、精神的ストレスとなる。残業代が厳格につくため、残業に厳しい」 また、雇用形態にかかわらず、バイトに至るまで、カタログゆうパックや年賀状の「販売ノルマ」があるのは有名な話だ。知人、友人に販売するものの、売り切れなかったものは自腹で購入する。これが「自爆営業」と呼ばれるものである。 20代の女性契約社員は、 「自爆営業を考えれば、年賀はがきの実際の需要など更に低いのであるが、会社の収益の要といわれている」と実態を明かす。 明らかに理不尽な慣行だが、そこそこの給与と、ゆとりのある休暇制度を享受しながら、わざわざ波風を立てて「自爆営業」を告発し、会社と戦う人は決していないだろう。終身雇用と引き換えに、会社に好きなようにされる――。これぞニッポンの「ザ・社畜」である。
日本郵政 郵便事業が4期ぶりに最終黒字 今期も行われるか「自爆営業」
2013年3月期決算で、日本郵政グループの郵便事業が4期ぶりに最終黒字となることが確実になった。
郵便事業は、民営化前から郵便貯金などの金融事業と比べ収益性が低く、民営化後の目玉事業だった日本通運との宅配事業統合も失敗するなどし、10年3月期以降は最終赤字に沈んでいた。
そこでグループ統括会社の日本郵政は、11年度から全国の郵便局を約1000地域にグループ化、グループごとに損益を月単位で集計、そのデータに基づき集配業務の効率化や人員配置の適正化を進めた。その成果が4期ぶりの黒字となって現れた模様だ。
ただ、物流担当のアナリストは「月単位の損益管理や人員配置の適正化など物流会社では当たり前のこと。それをやっただけで黒字転換した訳だから、今までの経営の杜撰さを逆に証明したようなもの」としている。
これからヤマトや佐川との競争が本格化すれば、ふたたび赤字に転落する可能性もあり、「4期ぶりの黒字」に浮かれている場合ではなさそうだ。
そんな郵便事業に関わる人たちは、どんな職場で働いているのか。ここ数期は赤字が続いていたとはいえ、元は公務員。グループの郵便事業を担う日本郵便のカウンターセールスで働く契約社員は、「福利厚生面は抜群」と評価している。
「有給休暇(年休)もとりたいときに取らせてもらえるので仕事もプライベートもばっちりこなすことができますね!強いて言うならば給料がちょっと安いかなと思います。土日休みやからそれはそれでいいかなと思います。すばらしいです」
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20代契約社員「自爆営業は会社の収益の要」
ただし仕事を多く任されている人にとっては、有給休暇の取得促進は負担にもなる。財務担当の女性契約社員は、やや疲弊気味だ。
「定時退社を強く求められるため、仕事量の多い者は、休憩時間を取らない、または管理者の目の届かないところで残業をすることとなり、精神的ストレスとなる。残業代が厳格につくため、残業に厳しい」
また、雇用形態にかかわらず、バイトに至るまで、カタログゆうパックや年賀状の「販売ノルマ」があるのは有名な話だ。知人、友人に販売するものの、売り切れなかったものは自腹で購入する。これが「自爆営業」と呼ばれるものである。
20代の女性契約社員は、 「自爆営業を考えれば、年賀はがきの実際の需要など更に低いのであるが、会社の収益の要といわれている」と実態を明かす。
明らかに理不尽な慣行だが、そこそこの給与と、ゆとりのある休暇制度を享受しながら、わざわざ波風を立てて「自爆営業」を告発し、会社と戦う人は決していないだろう。終身雇用と引き換えに、会社に好きなようにされる――。これぞニッポンの「ザ・社畜」である。