年収200万台は当たり前!? ホテル勤務は「お・も・て・な・し」精神だけが支え 2013年10月24日 今日の口コミ&年収 ツイート 2020年夏季オリンピックの開催地が東京に決まった。その招致プレゼンのキーワードとして注目をあびた「お・も・て・な・し」だが、日頃から高度な“おもてなし精神”を武器にビジネスを展開している業界がある。ホテル業界だ。 東京五輪の開催決定で、ホテル業界でもさらなる人材採用が予想される。だが、現場での働き方はどうなっているのだろうか? やりがいと苦労を探ってみた。 有名人に出会える高級ホテルでも待遇はよくない ひと口にホテルと言っても、その規模や歴史は千差万別。しかし、大型高級ホテルでもビジネスホテルでも“お客様とのふれあい”が一番のやりがいだという声は多く見られた。 「常連のお客様が沢山いらっしゃるので、顔を覚えていれば喜んで下さり、サービス提供もしやすいです。地方ならではの見所を教えたりすると旅の思い出作りにもつながり、やりがいも感じます」(ホテル法華クラブ、20代前半・男性) 特に、歴史のある一流ホテルともなれば、著名人や政治家などが宿泊することも多く、普通の仕事では会えないような人を接客するチャンスもあるという。外国人客が訪日するオリンピック期間ともなれば、海外の有名人やセレブたちに会えるチャンスもあるかもしれない。 ただし、現場で働くスタッフの給与は必ずしも高待遇とは言えない。例えば、“ホテル御三家”の一角を占めるホテルオークラで勤めていた男性(24歳)の場合、1ヶ月に225時間勤務でも年収は252万円だったという。 同じく御三家の1つ、帝国ホテルで勤める女性(27歳)の場合も、1ヶ月160時間勤務で年収280万円。ホテルの知名度に比べるとずいぶん低い印象を受ける。 (最新記事はこちら) 新業態も登場し、競争はさらに激化 これらは何も特殊な例ではない。転職サービスのdodaが発表した「平均年収/生涯賃金データ2012」によれば、ホテル業界の平均年収は20代で279万円、30代でも357万円ほど。有名ホテルや老舗ホテルに勤務していても、年収200万円台は珍しくないのだ。 さらに、近年は新たなタイプの宿泊施設も登場し、業界内での競争がより一層進むことが予想されている。例えばビジネスホテル「ウィークリー翔」は、コストを切り詰め1泊1900円からの激安路線をアピール。現在では岐阜を中心に全国12店舗を展開している。 2012年9月には東京都台東区にゲストハウス「Nui.(ヌイ)」が登場。従来のゲストハウスにありがちだった「安かろう・悪かろう」を覆すオシャレな内装と、1泊2700円からという格安料金で国内外の若者に人気を博している。 かように競争が激化しているホテル業界。スタッフにはより高度なサービスが求められるようになり、宿泊費値下げのための人件費カットが進むことも予想される。 一方で、東京オリンピックの開催により日本の観光が注目されるのも事実。これまで働く人の“おもてなし精神”に頼っていた業界にイノベーションが起こり、待遇の改善が図られる余地はないだろうか。
年収200万台は当たり前!? ホテル勤務は「お・も・て・な・し」精神だけが支え
2020年夏季オリンピックの開催地が東京に決まった。その招致プレゼンのキーワードとして注目をあびた「お・も・て・な・し」だが、日頃から高度な“おもてなし精神”を武器にビジネスを展開している業界がある。ホテル業界だ。
東京五輪の開催決定で、ホテル業界でもさらなる人材採用が予想される。だが、現場での働き方はどうなっているのだろうか? やりがいと苦労を探ってみた。
有名人に出会える高級ホテルでも待遇はよくない
ひと口にホテルと言っても、その規模や歴史は千差万別。しかし、大型高級ホテルでもビジネスホテルでも“お客様とのふれあい”が一番のやりがいだという声は多く見られた。
特に、歴史のある一流ホテルともなれば、著名人や政治家などが宿泊することも多く、普通の仕事では会えないような人を接客するチャンスもあるという。外国人客が訪日するオリンピック期間ともなれば、海外の有名人やセレブたちに会えるチャンスもあるかもしれない。
ただし、現場で働くスタッフの給与は必ずしも高待遇とは言えない。例えば、“ホテル御三家”の一角を占めるホテルオークラで勤めていた男性(24歳)の場合、1ヶ月に225時間勤務でも年収は252万円だったという。
同じく御三家の1つ、帝国ホテルで勤める女性(27歳)の場合も、1ヶ月160時間勤務で年収280万円。ホテルの知名度に比べるとずいぶん低い印象を受ける。
(最新記事はこちら)
新業態も登場し、競争はさらに激化
これらは何も特殊な例ではない。転職サービスのdodaが発表した「平均年収/生涯賃金データ2012」によれば、ホテル業界の平均年収は20代で279万円、30代でも357万円ほど。有名ホテルや老舗ホテルに勤務していても、年収200万円台は珍しくないのだ。
さらに、近年は新たなタイプの宿泊施設も登場し、業界内での競争がより一層進むことが予想されている。例えばビジネスホテル「ウィークリー翔」は、コストを切り詰め1泊1900円からの激安路線をアピール。現在では岐阜を中心に全国12店舗を展開している。
2012年9月には東京都台東区にゲストハウス「Nui.(ヌイ)」が登場。従来のゲストハウスにありがちだった「安かろう・悪かろう」を覆すオシャレな内装と、1泊2700円からという格安料金で国内外の若者に人気を博している。
かように競争が激化しているホテル業界。スタッフにはより高度なサービスが求められるようになり、宿泊費値下げのための人件費カットが進むことも予想される。
一方で、東京オリンピックの開催により日本の観光が注目されるのも事実。これまで働く人の“おもてなし精神”に頼っていた業界にイノベーションが起こり、待遇の改善が図られる余地はないだろうか。