• それでも日本企業が中国で「ビジネスチャンス」を探すワケ

    こんにちは。中国在住の日本人ライター、Hanaです。ここ数年、日本との摩擦が絶えない中国。反日デモや不買運動が起こり、日本から製品を輸出したり現地で生産・販売したりする企業が、大きな打撃を受けたことがありました。

    それでも、一時より減ったものの、中国で操業を続ける日本の大手企業は多いですし、今からビジネスを拡大しようとしている中小企業も少なからず存在します。

    彼らはなぜ、中国の企業を取引先として選ぶのでしょうか。不可解と思う人もいるかもしれませんが、中国と取引をしていた日本企業に勤務し、いまは中国の労働者に日本語を教えている私の目から見た「日中関係」を整理してみます。

    「地理的な近さ」が生むメリットは依然として大きい

    以前の日本企業の中国進出は、「安い労働力によるコスト安」を狙った製造業の進出が主でした。しかし近年では、中国の事情も大きく変わってきました。生活水準が向上し、物価の上昇に伴い、従業員の給与相場も上がっています。

    このことで労賃は上がってしまいましたが、依然として魅力なのが中国の地理的な近さです(近いからこそ、揉めごとも多いわけですが)。輸出入のコストには「運送費」が大きな部分を占めるため、それが低く抑えられるだけでもメリットなのです。

    運送に要する「時間」も大事です。日中間のコンテナ船は、港にもよりますが直行便で早くて3日程度、遅くとも1週間以内で着きます。企業にとって発注から納品までの時間の短縮は、在庫管理に影響することでもあり非常に重要です。

    「気候」という要素も関係します。中国の沿岸部であれば、日本の気候と似ているところも多いです。日本は北海道を除く大部分が温帯ですが、中国もそうです。

    稲作なども含め、日本と中国の文化的交流は数千年前に遡り、衣食住の各方面でもやはり似ていることは否定できません。漢字の使用も含めて「文化的な親近感」という点では、ヨーロッパの比ではないでしょう。

    日本製品が人気なのに「反日ドラマ」を放送する不可解

    私たちが普段食べている野菜を例に挙げても、れんこん、筍、里芋、ごぼう、長ねぎ、枝豆、オクラ、椎茸、緑豆もやし、山菜、くわいなど、どれも中国人がよく栽培し、好んで食べているものです。

    衣料品についても、最近では日本へ輸出するものと同じ商品が、同時に中国大陸でも販売されています。ちなみに中国で販売される際には、中国製でもなぜか「日韓」というジャンルで売り出されていて、店の雰囲気は日本よりカワイイ感じです。

    生活雑貨についても、日本語の商品(怪しげなものも含めて)が溢れており、日中両国の人々は、意外にも似たような好みを持っているといえます。

    生活水準の向上は、中国13億人の市場としての成長や成熟も意味します。労賃が上がれば生産コストは上がりますが、それに比例して購買力も上がるからです。

    このように、中国取引のメリットや魅力の例を挙げればキリがありません。しかしその一方で、中国のテレビでは、反日報道、反日ドラマを流さない日はないのが現実です。しかもバスの中のテレビなど公共の場でも、頻繁に宣伝をしています。これは一体どういうつもりなのか、本当に違和感を覚えます。

    中国の社長は自殺せず「会社を潰して生き残る」

    ここまで中国との取引のメリットと思われる部分について取り上げましたが、当然リスクもあります。最も大きなものは「中国の企業はよく倒産する」ということです。

    日本の会社では、社長が業績悪化の責任を感じて自殺するという痛ましいことがありますが、中国では「会社を潰して自分が生き残る」のが普通です。

    取引担当者がファクスで「前の会社は倒産した。新しい次の会社はこれだ」と、簡単に新会社の名前を送ってくることがあります。相手企業の担当者が会社の金を持ち逃げし、行方不明になることも珍しくありません。

    また、「中国人は仕事より生活優先」ということもリスクになります。「それはいいことではないか」と思われるかもしれませんが、取引先の担当者が無計画に私生活を優先させては、こちらは堪りません。

    たとえば相手先の事務の女の子が、自分の結婚式のために書類の作成を怠り、明日入港の船積書類が届かないということがありました。これは日本側にとっては、本当に大変なことなんです! でも、彼女にとっては「自分の結婚式の方が大事」だったのでしょう。こういうことは中国との取引では「想定内のリスク」となります。

    あわせてよみたい: 「約束の半分は守られない」中国の文化

    【プロフィール】Hana
    九州出身の30代元OL。日本の中小企業で経理や貿易事務などの業務に携わった後、単身中国にわたる。現在は中国某都市で、日系企業の中国人社員を対象とした日本語教師をしている。中国文化と貿易事務に詳しい。

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