危険な食品、大気汚染、経済失速――中国が抱える「三大問題」の深刻さ 2014年3月20日 仕事のエコノミクス ツイート 2014年3月17日放送の「未来世紀ジパング」(テレビ東京)では、中国が抱える「三大問題」を取り上げていた。三大問題とは「危険な食品」、大気汚染「PM2.5」、そして「経済失速」のことだ。 中国食材の危険性が叫ばれて久しいが、番組では、闇の流通ルートで出回るもやし製造に潜入取材していた。漂白剤をはじめ様々な化学薬品が使われており、それが中国国内の中学校の給食用に出荷されているという。 就職難で「女子大生の美容整形」急増 日本にも影響が大きい「PM2.5汚染問題」もかなり深刻で、中国で最も空気の悪い河北省ではPM2.5の値が日本の十数倍を超えている。2012年のWHOの推計では「世界の新規肺がん発症者の35.8%は中国人」というが、そのデータにも納得せざるを得なかった。 経済にも陰りが見えている。中国の大学卒業者400万人が仕事に就けない史上空前の就職難というのだ。「外見重視」に対応しようと、女子大生の美容整形が急増したり、就職希望者と企業が公開面接をするテレビ番組が人気を博している。 就活のために地方から出てきて北京で暮らす若者たちは、マンションの地下で窓のない3畳ほどのシェルタースペースに住み、「ネズミ族」と呼ばれているという。 番組では、ネズミ族の女子大生に取材していた。彼女は名門大学卒でアメリカ経済学の学位も取得しているのにも、希望の大手企業の就職説明会に行っても「仕事の経験がない」ことを理由にすべて断られ、ため息をついていた。 「いい仕事を見つけるのは難しい。待遇がいい会社ほど、仕事の経験が大事なようです」 「とにかく(仕事の)“経験、経験”ばかり」 そんな中、新卒を大量に採用しているのは、今だバブル景気の冷めない不動産業。しかし仕事の内容は人海戦術要員として、大卒でもビラ配りをさせられているという。結局、彼女は希望の総合職ではなく、IT系企業の事務職についていた。 「GDP成長率7.7%」も、かなり水増し? 未経験の新卒を採用し、教育訓練を施して使えるようにするには、企業の体力が必要だ。これができないということは、中国の企業には、まだまだ余裕がないということだろう。 どんなに優秀でも「経験を積むチャンス」すら貰えない状況は、日本にも似た状況がある。ただ、中国は国の規模が非常に大きいので、格差問題がより深刻な印象を受けた。 番組ナビゲーター(日経新聞編集委員)の後藤康弘氏は、中国のGDP成長率7.7%という公表データに疑問を呈する司会者に、こう答えた。 「中国は地方ごとにGDP・国内総生産を発表しているが、それを合計すると国全体のGDPを上回ってしまっている」 各地方がかなり水増し発表しているため、中国の公式発表とかけ離れていることを示唆していた。中国はこういう点でも、まだまだ信用できない国のようだ。(ライター:okei)
危険な食品、大気汚染、経済失速――中国が抱える「三大問題」の深刻さ
2014年3月17日放送の「未来世紀ジパング」(テレビ東京)では、中国が抱える「三大問題」を取り上げていた。三大問題とは「危険な食品」、大気汚染「PM2.5」、そして「経済失速」のことだ。
中国食材の危険性が叫ばれて久しいが、番組では、闇の流通ルートで出回るもやし製造に潜入取材していた。漂白剤をはじめ様々な化学薬品が使われており、それが中国国内の中学校の給食用に出荷されているという。
就職難で「女子大生の美容整形」急増
日本にも影響が大きい「PM2.5汚染問題」もかなり深刻で、中国で最も空気の悪い河北省ではPM2.5の値が日本の十数倍を超えている。2012年のWHOの推計では「世界の新規肺がん発症者の35.8%は中国人」というが、そのデータにも納得せざるを得なかった。
経済にも陰りが見えている。中国の大学卒業者400万人が仕事に就けない史上空前の就職難というのだ。「外見重視」に対応しようと、女子大生の美容整形が急増したり、就職希望者と企業が公開面接をするテレビ番組が人気を博している。
就活のために地方から出てきて北京で暮らす若者たちは、マンションの地下で窓のない3畳ほどのシェルタースペースに住み、「ネズミ族」と呼ばれているという。
番組では、ネズミ族の女子大生に取材していた。彼女は名門大学卒でアメリカ経済学の学位も取得しているのにも、希望の大手企業の就職説明会に行っても「仕事の経験がない」ことを理由にすべて断られ、ため息をついていた。
そんな中、新卒を大量に採用しているのは、今だバブル景気の冷めない不動産業。しかし仕事の内容は人海戦術要員として、大卒でもビラ配りをさせられているという。結局、彼女は希望の総合職ではなく、IT系企業の事務職についていた。
「GDP成長率7.7%」も、かなり水増し?
未経験の新卒を採用し、教育訓練を施して使えるようにするには、企業の体力が必要だ。これができないということは、中国の企業には、まだまだ余裕がないということだろう。
どんなに優秀でも「経験を積むチャンス」すら貰えない状況は、日本にも似た状況がある。ただ、中国は国の規模が非常に大きいので、格差問題がより深刻な印象を受けた。
番組ナビゲーター(日経新聞編集委員)の後藤康弘氏は、中国のGDP成長率7.7%という公表データに疑問を呈する司会者に、こう答えた。
各地方がかなり水増し発表しているため、中国の公式発表とかけ離れていることを示唆していた。中国はこういう点でも、まだまだ信用できない国のようだ。(ライター:okei)