• 入社直前! それでもブラック企業を見破る方法とは?

     就職、転職活動で企業から無事に内定をもらったとしよう。しかし、その応募先が実は“ブラック企業”で、求人情報や会社説明会、会社訪問、面接では見抜けなかったとしたら、どうなるだろうか。

     その場合は、働き始めてから「こんなはずではなかった!」と後悔する日々を送ることになってしまうだろう。つまり、就職先の企業に対しては入社する直前まで気を抜いてはいけないということだ。一方で、選考過程でわからなかった企業の実態を見破るのは難しいと思う人も多いはずだ。

     しかし、心配する必要はない。入社前に就職先がブラック企業を確かめることができる最後のチャンスがある。それは「内定前後から入社直前まで」のタイミングだ。もし、この段階で、就職する会社がブラック企業とわかれば、入社を回避できる。では、どんな点に着目すればいいのだろうか。そのポイントを紹介しよう。


    数多い研修や入社を急かす会社は要注意


     まず注目すべきは、「内定」が出た後に、採用された企業から「内定後に自由を拘束されるかどうか」という点だ。これには、そこまでしないと自社に人をつなぎとめられない、何らかの理由があるからだ。

     新卒なら内定後に、入社までの間に「面談」「研修」「懇親会」などの予定が頻繁に入り拘束される。中途採用の場合は、入社を急かされる。内定を出した会社がこうした動きをする場合には注意が必要だ。

     学生の場合、正式に入社するまでは、あくまで学生だ。本来は企業側に束縛する権利はない。しかし、ブラック企業は「頻繁に会って『いいイメージ』を植え付けないと、学生をつなぎとめられない」と考えており、入社前に学生たちを会社に呼んで、研修や懇親会を実施するのだ。

     その頻度が3カ月に1回程度であれば一般的といえる。ただ毎月、もしくはそれを上回る回数で行う企業は、意図的に実施している可能性がある。一方、中途採用した人に対して、必要以上に入社日を前倒しするように急かす会社も要注意だ。

     一般的に、在職中に転職活動を行って内定が出た場合、そこから勤務中の会社での退職手続きや引き継ぎなどに要する時間、有給消化の期間も考えると、どんなに少なく見積もっても1カ月、ふつうは2~3カ月が必要だ。そして、そんな事情は人事なら十分に知っている。

     それでも「今の会社をすぐに辞めて、来週からでも来て頂きたい」などと言って、入社を急かす会社が存在する。労働基準法上、今の会社に退職の意向を伝え、実際退職するまでに要する期間は2週間と明記されている。

     採用側が、法律を根拠に言っていることはわかる。しかし、無理に退職を勧めるのは、採用された人にとって好ましいものではない。例えば、予算達成できずに赤字だけ残して辞めたり、引き継ぎが上手くいかなかったりすると退職後に悪評だけが残るからだ。

     また、転職前の会社や取引先との人的ネットワークも退職後に残る。そのため、「あの人は責任を果たさずに、組織を混乱させた上で辞めていったらしい」などの噂が立つのは損だ。立つ鳥が跡を濁すと、ロクなことはない。

     しかし、ブラック企業はそんなことを気にしない。

     「辞める会社とこれから入る会社、どっちが大事なんだ!?」
     「もうウチの社員になってもらうんだから、それくらい交渉してくれないと困るよ!」

     というようなことを平気で要求してくる。一見正論のようでもあるが、実際は遵法意識が薄い表れだ。

     それくらい急に人が必要になるということは、「直近で当該ポジションの人が辞めた」「計画的な採用ができていない」などの社内事情も推察される。このような会社では、おそらく入社後にハードワークが待っているだろう。


    事前連絡が来ないのは組織が機能不全の証拠


     次に注意してほしいのは「入社日の間近になって、企業からきちんと連絡が来ているか」という点だ。

     入社日近くになっても連絡が来ないということならば、用心した方がいい。なぜなら、それは組織マネジメントが機能しておらず、顧客まで失っている可能性を示しているからだ。

     そもそも、会社は入社する社員に対し、「出勤日」「出勤時間」「出勤場所」「初出社時の訪問先」「当日までに準備しておくこと」「持参物」などの詳細な情報を伝えるものだ。

     しかし、こちらから催促しないと連絡がなかったり、不十分な情報しか伝えない会社がある。重要な連絡ができないのは、人事機能や社内コミュニケーション、マネジメントに何らかの問題を抱えている証拠だろう。

     誰でも、新しい会社に入る時は不安がある。その気持ちを考慮して、フォローができていない会社は、顧客にも同様に気配りが足りないと見ていい。入社後に「失敗した!」と嘆かないためにも、今回紹介した2つのポイントを参考に、就職先企業を入社前に改めて吟味してもらいたい。


    (新田龍・ブラック企業アナリスト)

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