• 外こもり的「セカシュー」の真実 現地企業には「ブラック」もあった!【外こもりのすすめ(2)】

    貧BPさんは、年間30万円で「外こもり」をしている。タイやカンボジアを行き来している。第1回では、彼が「外こもり」になるまでのきっかけをお伝えした。貯金が目減りする状況に危機感を抱いた貧BPさんは、いわゆる「セカシュー」に挑戦した時期もあったという。しかし、その現実は甘くなかった。

    「セカシュー」は、日本を飛び出して世界(海外)で就活すること。エリート学生が日本を飛び出し、アメリカやヨーロッパで外資系企業に就職する、そんなイメージもある。しかしそのほとんどは、東南アジアや中国など、途上国での就職が多いようだ。

     現地人の何倍もの賃金に「見合う仕事をできますか?」

    貧BPさんは、東南アジアのある日系企業の面接で、こんな言葉を浴びせられた。

    「あなたはなぜ、日本を出てわざわざ海外で働こうと思ったのですか?」
    「求人を出せば、現地の人は何百人も応募してきます。賃金は数万円です」
    「あなたを雇ったら、その何倍もの賃金になるわけですが、あなたはその賃金に見合う仕事をできますか?」

    これには閉口せざるを得なかった。「海外でなら、日本よりも少ないストレスで働ける」というのは幻想だったことを思い知らされたという。さらに実は、日系企業で働くのは、日本で働くのと同じ勤務姿勢を求められる。仕事後の飲み会、サービス残業といった、「日本企業的風習」はつきものだ。

    「気楽に働きたい、という理由でセカシューをするのは間違いでした」

    たとえばベトナムの法定労働時間は週48時間。日本は40時間。ベトナムでは週休は1日が当たり前だという。東南アジアのほうがのんびりしているというイメージは正しくない。

    現地人は気楽に働いているのだと誤解していた。だが、日本人以上に真剣に勤勉に働いている人もたくさんいるということに気がつかされた。

     現地人でなく、外国人を雇う企業の「理由」

    さらに、致命的だったのが、「英語スキルの低さ」だ。TOEIC400点台では、とてもビジネスには役立たない。だから、外資系企業への就活も困難を極めた。

    仕事探しは就職エージェントを使って行ったが、現地系のエージェントから紹介されるのは、一定の英語力は必要だが日本語が中心の日本向けのカスタマー・サービスが多かった。賃金は月に1200米ドル程度だ。

    日本のエージェントから紹介されるのは日系企業、もしくは日本人が現地で立ち上げた企業。英語力は外資系ほど求められないが、ある程度は必要だ。仕事内容は日系企業への営業や、インターネットのコンテンツ開発など。賃金は外資系と同じく1500~2000米ドル程度だそうだ。             

    あえて現地人ではなく「外国人を雇おう」とする企業には、「それなりの理由」がある。

    たとえば現地系・外資系企業では、モンスターカスタマーとなりかねない日本人や取引先への丁寧な対応を任される。その結果、長時間労働など過酷な職場に置かれることが多い。これでは日本でブラック企業に勤めているのと変わりない。

    「ビジネスレベルの英語能力や豊富な実務経験があれば、そういうこともないのでしょうが…」    

    結局、貧BPさんは「セカシュー」を、いったんあきらめることにした。

    (第三回につづく)

    本連載は、外こもりの中でもひときわ異彩を放つ「貧BPの人生オワタ\(^o^)/旅」という大人気ブログの書き手である貧BPさんに取材し、考え方や行動などを再構成し、一つの突き抜けた生き方を提示するもの。けっして働くことを否定する内容ではない。なお、貧BPという名前は、外こもり専用掲示板のハンドルネームに由来する。 貧しいバックパッカー、略して貧BPである。

     [恵比須半蔵(えびすはんぞう)/ノンフィクションライター]

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