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「ウォークマンを潰した」のは誰か? ソニーOBと現役社員「罵り合い」の顛末
ソニーでVAIOなどの事業を担当し、グーグル日本法人の代表取締役社長を務めた辻野晃一郎氏に、ツイッターユーザーA氏が噛み付いた。
辻野氏は、A氏が現役のソニー社員であることを暴き、衆人環視のネット環境でユーザーが謝罪する結末に。この事件には、A氏に対して「カッコ悪い」と嘲笑する声がある一方で、なぜか辻野氏批判も沸きあがっている。
「失敗の責任は辻野氏」に実名暴露で対抗
きっかけは、A氏が東洋経済の記事「パソコンで終わらない、切り刻まれるソニー」に関するツイートを投稿したことから始まった。
このツイートを見つけた辻野氏は、腹にすえかねたのか乱暴な口調で応戦する。
A氏もこれに屈せず、ソニーの低迷を決定付けたウォークマンの失敗の責任は、「コネクトカンパニー・コプレジデントの辻野氏にあると考えている」と敢然と批判したのだ。
辻野氏は明確な反論をせず、A氏も「尊大な逃げを決め込まれてしまった」と諦めムードだった。しかし数日後、辻野氏はA氏の実名や素性を突き止め、公然とバラしてしまったのだ。しかもA氏は、ソニーの現役社員だった。
謝罪にも「頑張ってください!」と応じず
この「実名晒し」はA氏も予想外だったのか、いきなり態度を翻す。関連ツイートを削除し、「謝意を受け入れて頂けますか」と返信した。しかし、辻野氏は応じない。
このあともA氏は何度か、辻野氏にプライバシー情報の削除をお願いしているが、辻野氏にあしらわれてしまっている。
この「公開討論」は、ネットでも話題を呼んでいる。まず多いのは、匿名なら何を言ってもいいわけではない、というA氏への批判だ。
辻野氏も2月26日の現代ビジネスで、「陰口好き」は日本の企業文化として根付いているところがあると指摘。上層部全般への不満や鬱積が、いまのソニーに「渦巻いて」いて、それが「こういう形」で出ているのではないか、と書いた。
「今のソニー」の姿にしたのは誰なのか?
だがネットには、A氏への援護射撃も見られる。辻野氏はツイートでも記事でも、A氏の質問に答えていないというのだ。
辻野氏はA氏の質問に対し、「こちらの問答への答えはすべてその本(自身の著書『グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた』)に書き残したつもり」とし、ツイッターで回答するのを避けた。
きっかけとなった記事では、ソニーの苛烈なリストラを取り上げつつ、「逆境下でも新しい事業を生み出すのが経営者の仕事だ。そうした努力を必死になってやったようには見えない」という辻野氏の批判コメントを掲載している。
A氏からすれば、アップルに敗れたソニーを抜け出してグーグルの社長にまで上り詰めた元上役が、上から目線で古巣を批判するのが我慢できず、「今のソニーの姿にしたのは誰なのか?」と問いただしたかったのかもしれない。一連の流れが終わった後、A氏はこう書き残している。
経済評論家の池田信夫氏も、「この人(A氏)の批判は当たってる部分がある。ウォークマンが中途半端だったことは事実。責任は辻野さんだけにあるわけじゃないが」とフェイスブックに記している。
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